冷血(れいけつ)…チャン・ハン
無情(むじょう)…ヤン・ヤン
追命(ついめい)…ウィリアム・チャン
鉄手(てつしゅ)…マオ・ズーシン
楚映雪(そ・えいせつ)/楚離陌(そ・りはく)…チャン・チュンニン
安世耿(あんせいこう)…ミッキー・ホー
姫総領/姫瑶花(き・ようか)…ジア・チン
九尾狐(きゅうびこ)…バイ・ビン
諸葛正我(しょかつ・せいが)…ホアン・ウェンハオ
于春童(う・しゅんどう)
燕趙(えん・ちょう)
唐仇(とう・きゅう)
屠晩(と・ばん)
趙好(ちょう・こう)
春萍(しゅんへい)
「狼族の血」
朝。離陌が目を覚ますと、ニセ葉児がそばに立って見つめていた。体を起こし「葉児」と言った離陌に「ゆうべは帰りが遅くなって声をかけなかった」と言うニセ葉児。離陌はニセ葉児を座らせ「私たちは親友よね」と聞く。葉児がうなずき、離陌は「だったら隠し事はしないで。困ってるなら、一緒に解決するのが友達よ」と言う。ニセ葉児が「困ってないわ」と言い「誰にでも過去はあるけど、大切なのは今よ。過去はただの過去。今を縛りはしないわ。あなたは友達だから、いつも幸せでいてほしいの」と話す離陌。葉児は「話はもういいわ。私は幸せよ」と言うと仕事へ行ってしまう。
九尾狐との戦いで、傷ついた無情を心配する諸葛正我。「大丈夫です」と無情が返しているところに「今、薬湯を煎じさせている」と言いながら冷血が来る。「話の続きだが、九尾狐は塗山駆狐派の継承者だな」と諸葛正我が言う。無情は「我々に劣らぬ腕前です。冷血が来なければ、撃退はできなかったかも」と話す。「俺に斬られて、当面は暴れられないはずです」と言う冷血。薬湯を持ってきたニセ葉児は、話が聞こえハッとして立ち止まる。
諸葛正我は「しかし、この神侯府に現れたのは何のためだ?」と言う。ニセ葉児は平静を装い「薬湯です」と無情に渡すと出て行く。冷血は何かを感じる。
ニセ葉児が部屋に戻ってくると、卓の上に薬が置かれていた。“傷薬ね。離陌がケガに気づいた?”と思うニセ葉児。薬を手に持っているニセ葉児を目にした離陌は、自分が足を痛めたふりをしながら部屋に入り「さっき、傷薬をもらったの。こっちは打撲の薬、よく効くそうよ」と話す。治るまで薬はここに置いておくと。
「そういえば無情様もケガを。見てくる」と言う離陌。ニセ葉児が「支えるわ」と言ってくれ、離陌は“どうしよう、ケガは嘘なのに。あなたの傷が心配で薬を置いておく口実を考えただけ。あなたが誰でも友達よ”と思う。
足の痛そうな離陌を見て「その足は?」と無情が声をかけてくる。返事に困っている離陌の代わりに「これから、お医者様へ」とニセ葉児が言う。離陌は「私は大丈夫よ。そちらのケガは?」と無情を心配する。無情が「心配ない」と答えたあと、冷血が近くに来たことにニセ葉児が気づく。ニセ葉児に「医者には私が連れていく」と無情が言い、葉児は逃げるようにその場を後にする。
離陌を見かけた冷血が「また妙な真似を」と言う。「妙な?ええそうよ。あなたの同情を引こうとしてるの」と言う離陌。冷血は「無駄だ」と返す。「2人は会うたびに衝突してばかりだな」と笑う無情。離陌が「お偉い冷血様と衝突だなんて滅相もない」と嫌味を言い「神侯府に来て以来、騒ぎを起こしてばかり。身を慎め」と冷血は言うと行ってしまう。
離陌の足を見た医者は、赤みも腫れもないのに痛くて歩けないのは大変まれ、生きている間にこんな症状に巡り合えるとは、と喜ぶ。
鉄手が街を歩いていると依依が来る。「神侯府を見張っていたのに、どこから?」と聞く依依。鉄手は「裏口から出た。仕事だ」と答える。依依は「事件なの?私も連れてってよ」と言う。「子供はやめとけ、荒っぽいぞ」と言う鉄手。そこに数人の棒を持った男たちが来て「旦那様の玉を盗んだ娘だ」と依依に向かって言う。
男たちはかばう鉄手に依依は泥棒だと言い「先日、うちの旦那様が秋雲観に参拝した時、隙をついて玉の麒麟を盗んだんだ」と話す。そして依依に「さっさと出せ」と言う男たち。
男たちの言い分が根拠のある話だと思った鉄手は、依依の腕をひねり「正直に言え、盗んだのか?」と聞く。依依が持っていた玉を男たちに投げ、腕を離す鉄手。
男たちが去り、鉄手は「泥棒だったのか」と依依に言う。「やめてよ。こんなにか弱い娘が泥棒に見える?」と言う依依。なぜ盗んだのか聞かれた依依は「全部、あなたのせいよ。都に出てくるのに3か月かかった。無一文で会いに来たの。生きる道は泥棒しかないわ。だから全部あなたのせいよ」と答える。鉄手は「なら今から心を入れ替えろ」と言う。他の捕吏につかまったら終わりだったと。
「やっぱり優しい」と依依が言い「俺は曲がったことが嫌いだ。友も皆、心正しい」と言う鉄手。依依は「心を正したら、私も友達ってことね?」と聞く。「もちろん」と鉄手が返すと「やった」と喜び、依依は鉄手の額に口づけをする。
「私の印鑑を押したわ。これでもう友達よ」と言う依依。
会いに来た九尾狐に、安世耿は「首尾はどうだ?」と聞く。「昨夜の戦いでは血を奪うまであと一歩でしたが、残念ながら…」と答える九尾狐。安世耿は「夫君への愛が足りぬようだな。だからここまで役立たずなのだ」と言う。九尾狐は「私は夫を誰より愛しています。ただ冷血の腕前は、並の者と違いすぎる」と話す。そして先日の続命丹の効果が切れるからと、九尾狐は「もう少し、いただいても?」と頼む。しかし安世耿は、これ以上与えても効かないと言い、血を手に入れるのが夫君を救う唯一の手段、満月の夜、狼の血が騒ぎ冷血は発作を起こす、肉体的にも最も弱くなるのがその夜、血を奪うのもたやすいと告げる。
無情は不機嫌な冷血に「怒っているのか?」と聞く。「楚離陌のとぼけたふりを信じるのか?」と返す冷血。無情が「下働きの娘に感心を持つのは初めてだな。なぜ彼女にだけ…」と言いかける。それを「感心などない。悪知恵の働く女だ、他の下働きとは違う」と冷血がさえぎる。無情は「たしかに違うな、正直な娘だ。自分の気持ちを偽らず勇敢に運命と戦う、そう感じる」と話す。冷血が「目を曇らされるな。もういい」と言い、無情は離陌の話はやめる。
「九尾狐は負傷して以来、消えてしまい噂すら聞かない。だが要人殺害は九尾狐の仕業だと分かった。一方で四大凶徒も世に現れ暴れている。2つをつなぐ何かがある」と言う無情。冷血は「つまり両者を共に手中に置いて、操る者が?」と聞く。無情は「姿の見えない敵だ。動かねば、やられる」と言うと冷血に背を向ける。その時、冷血の目が赤くなり、左腕が炎のようなものに包まれ袖も裂ける。気づいた無情が駆け寄り「また狼毒か」と言う。「世叔(諸葛正我)を呼べ」と言う冷血。
水玉洞で寝かされた冷血は、手足を鎖で繋がれる。
その頃、ニセ葉児が水玉洞の近くへ来ていた。そんなニセ葉児を見かけ、追いかける離陌。
ニセ葉児から九尾狐に戻り“満月の夜、狼の血が騒ぎ、冷血は発作を起こす。肉体的にも最も弱くなるのが、その夜だ。血を奪うのも、たやすい”と安世耿の言葉を思い返す九尾狐。水玉洞の前で“冷血、傷つけたくないの。少しだけ血をくれれば夫が助かるのよ”と九尾狐は思う。
水玉洞の中。「狼毒の力が強まっていますね」と言う無情。諸葛正我は「今は抑制できているが、心に恨みがある限り毒は強まる。発作が襲えば理性を失い、凶暴化する」と話す。いずれ正気に戻れなくなる恐れも、と。無情が毒を消せないのか聞く。諸葛正我は「読心術で抑えるしかないと伝えられている。私の師妹・卞紅葉はその継続者だが、何年も前に失踪し、読心術も途絶えた」と答える。無情が「他に方法は?」と言う。「誰にも解けぬ呪いだ。一生、背負うしかない」と言う諸葛正我。
2人が水玉洞を出ようとした時、冷血が目覚める。手足の鎖をちぎり、無情に襲いかかる冷血。飛ばされた無情を諸葛正我が受け止める。
すっかり表情も変わった冷血が水玉洞から出て来る。その姿を見る離陌。
隠れていた九尾狐も現れ、2人は戦い始める。しかし、あまりにも発作を起こしている冷血が強く、九尾狐は逃げて行く。そして冷血は諸葛正我によってツボを押され、意識を失う。
すべてを陰から見ていた離陌に気づく諸葛正我。「君は何者だ。なぜここにいる」と諸葛正我に聞かれ、離陌は「神侯府の下働き楚離陌です。さっきのは…」と言う。そして「冷血様はなぜ、こんな姿に?」と尋ねる離陌。諸葛正我は「今夜見たことは誰にも言ってはならんぞ」と念を押し、負傷した無情を連れて帰るよう離陌に頼む。
寝台で目を覚ました冷血は、体を起こすと、傍らに座っていた姫瑶花に「狼毒が強まってきた。無情は?無事か?」と言う。一瞬、うつむいた瑶花は「諸葛様が“大事ない”と。少し休んで」と話す。「会ってくる」と寝台から出ようとする冷血。そして止めようとする瑶花に、冷血は「俺はいつ暴走するか分からない。近づくな、傷つけたくない」と話す。「怖くないわ。どこへでも、ついていきます」と言う瑶花。
狼になった冷血に九尾狐もかなわず、離陌は怖すぎると思いながら、寝ている無情を見る。想い人の夢を見ていた無情が頬笑み「ケガしたのに幸せそうね」とつぶやく離陌。
しばらくして無情が目を開ける。「離陌、なぜ君がここに?」と無情が聞く。「諸葛様のご命令で」と離陌が答え、笑った無情はハッとして「昨夜のことを見たのか?」と言う。うなずく離陌。無情が「冷血の狼毒のことは秘密にしてくれ」と頼み、離陌は戸惑いながら「ええ」と答える。
離陌が外へ出ると、無情に会いに来た冷血が来る。たじろぐ離陌に「俺が怖いか?」と冷血が聞く。「当然よ。大事な仲間まで傷つけるなんて。良心はないの」と言う離陌。離陌が見たことを知った冷血は「昨夜のことは忘れろ。口に出したら、命はないと思え」と言って無情の部屋へ入る。
寝台に座っていた無情は、入って来た冷血の元へ歩いて行く。「大丈夫か?」と冷血が聞き、無情は笑顔で「ああ。これしきの傷、少し休めば治る」と返事をする。そして「それより、お前が心配だ。我々の手に負えなくなり、狼毒が極限まで強まったら、もう人間に戻れない。お前を失いたくない」と言う無情。「そうなった時は、兄弟だと思わずひと思いに殺せ」と冷血が言う。しかし無情は冷血の両肩に手をやり「何があろうと私たちは兄弟だ。毒は必ず何とかする。読心術の継承者なら、解毒の術があるそうだ。捜し出して、お前を救う」と話す。
「心配無用だ。一族の仇を討つまでは死ぬものか。毒になど負けない」と言う冷血。無情は「お前は多くのものを1人で背負いすぎている。少しは手放せ」と言う。冷血は「それはできん。俺は王子、一夜で皆殺しにされた狼族の仇を討たねばならない。恨みは必ず晴らす」と返す。知る者はお前と世叔のみだと。「姫瑶花は?」と聞く無情。冷血は「あれは普通の女だ、巻き込めない」と答える。そんな会話を瑶花が部屋の入り口で聞いていた。
“私を案じて、突き放していたのね”と思う瑶花。
九尾狐は、狼毒が目覚めた時、肉体は最も弱まると思っている安世耿に「逆です。血が目覚めたら、私など太刀打ちできません。このまま潜入を続けては、正体を見破られ、襲撃が難しくなるかも」と話す。安世耿は「9つの尾を持つなら、手管も9つあってもよかろう。時には力より泣き落としだ」と言う。
雪が家に帰ると「外で働いて、友人までできていたのだな」と言う夫。「友人?」と雪が聞き返した時、離陌が汁物を持ってくる。驚いた雪は離陌を外へ連れて行き、ケガが心配で捜しに来たと言う離陌に「怖くないの?“殺される”って」と言う。離陌は「殺したければ、とっくに殺してるはずよ」と言い返す。
雪は“時には力より泣き落としだ”という安世耿の言葉を思い出す。夫は奇病で残された時間はわずか、夫の病を治すには薬に冷血の血を加えなければいけない、私では近づけない、力を貸してほしい、と離陌に頼む雪。困った離陌は「考えさせて」と言う。
冷血が部屋に戻ってくると、机の上に“仇を知りたければ鳳凰亭へ”と書かれた手紙が置かれていた。
鳳凰亭へ向かった冷血は、手紙の主が親王・安世耿だと知る。「冷血殿はすでに立派な大人だ。一族を滅ぼした仇を知るべきでは?」と言う安世耿。冷血が人違いでは?と返すと、笑った安世耿は「天下に私の知らないことはない」と言う。そなたは一族の末裔、幼い頃、一族を滅ぼされ諸葛正我の最後の弟子となった、成長するにつれ体内の狼毒の力は強まり、発作も増えて師匠の諸葛にも抑えられなくなった、このままではそなたは本当の人狼になる、仇を討つ暇などなくなると。
冷血が「誰の名も言う気がないのなら、これで失礼を」と言うと、安世耿は「朱煦悌殿下がそなたを養子にしたのは狩りの最中。不思議な偶然だとは思わないか?」と話す。「養父は恩人だ。溝を作ろうなど、考えぬことです」と言う冷血。安世耿は「3年前、疑獄事件で斬首された賈鈞は、お義父上と共に狼族を襲撃した1人だ。秘密を知り過ぎて口を封じられた。お義父上は狼族の指輪をはめているが、由来を聞いたことは?」と聞く。冷血が何も答えず「真実を知れば、謎は解ける」と言う安世耿。
1人佇む冷血に「心が晴れない時、あなたはいつもここに立つ」と言う瑶花。冷血が1人になりたいと言うと、瑶花は「1人で抱え込むのはやめて」と返す。悩みを話してほしいと。冷血がその場から去ろうとし「敵討ちのこと?」と瑶花が聞く。振り返った冷血が「それを誰から」と言い、瑶花は「無情様の部屋で聞いてしまったの」と答える。「忘れるんだ」と言う冷血。
冷血は助けは要らないと言うが、瑶花は「勝手だと思わないの?発作のたびに私だって心配してるのよ。なのに他人扱いして信用してくれない。無情様には話すのに、私に隠すのはなぜなの?」と訴える。そして悲しそうに「重荷を1人で抱え続けているあなたを私は見るだけで何もできない。私の心が分からない?いつも、そばにいたいの。だから1人で背負わず、話してちょうだい。一緒に背負うわ。恨みに生きる姿は見たくない」と言う瑶花。冷血は「本当に聞くか?」と言う。
ーつづくー
冷血がうなされていた時に見ていたのは、一族が殺された時の夢だったのね(;д;)
恨みは捨てることができない。
だけど、捨てなければ狼毒がヾ(・ω・`;)ノ
どうすればいいんだろう…。
読心術といえば…あの人。
あれから人の心の声が聞こえていないみたいだけど…。
それに、どうやって読心術で救うのかな?
冷血は瑶花のことをどうするんだろう…。
傷を負わせてしまった負い目があるから冷たくできないけど、きっと瑶花に好意はないよね。
それにしても狼毒の強まった冷血がすごかった!!(✽ ゚д゚ ✽)
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本物の葉児が捕らわれていることに気付いていないから? 離陌、早く気づいてあげて~~!
九尾狐の姿もすごかったし、狼化した冷血の姿もすごかったですね。冷血だとは思えませんでした
とことん優しい無常は癒しキャラですね~。チュンニンちゃんも可愛い
そちらも近い人を失う、失うかもしれないために
追い込まれて、必至の状況なので、辛いですよね。
安世耿はどんどんブラック化していますが、
安世耿自身も辛い状況が背景にあり、
複雑です。。。
そんな中で、依依ちゃんの天真爛漫が癒しです。