よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

77:覚書雑考:noteと言えば ハル・ノート

2020年12月30日 | 一般理論を読む
第6編 一般理論の示唆するもの――短い覚書について 第6編は全3章からなるが、各章全て「覚書(note)」であり第6編そのものが「覚書(note)」だ。「Short Notes Suggested by the General Theory」 ちなみに原著には訳書の「第6編」はついていない。「第6編 一般理論の示唆するもの――短い覚書について」も多少の違和感がある。「一般理論の示唆するものについて . . . 本文を読む

78:逐条解説:第24章 一般理論から導き出される社会哲学上の結論 第1節

2020年12月27日 | 一般理論を読む
 筆者訳を全文公開したので、その逐条解説を試みる。第一節資本主義の最大の欠陥は、完全雇用の達成が不可能であることと、資産・所得の分配が専制的で不公平なことである。完全雇用達成の問題は一般理論で明確に触れてきた。しかし資産・所得の格差の解決については、二つの重要な問題が残っている。*解説 一般理論は社会正義の立場から書かれているが、そのことを声高には語っていない。あくまで経済学上の雇用についての一般 . . . 本文を読む

79:逐条解説:第24章 一般理論から導き出される社会哲学上の結論 第2節

2020年12月24日 | 一般理論を読む
大恐慌時代は資金余剰の時代であった貯蓄と投資の関連から政策は決定されなければならない(見出しは筆者、斜体以外は筆者)第二節一般理論には富の不平等の将来に関わる、もう一つのもっと根本的な理論が存在する。すなわち我が利子率理論である。従来、ある程度の高利子率は貯蓄への動機を強める必要から正当化されてきた。しかし、一般理論は貯蓄の有効な規模は必然的に投資量によって決定されるし、投資量は低金利によって促進 . . . 本文を読む

80:逐条解説:第24章 一般理論から導き出される社会哲学上の結論 第3節

2020年12月22日 | 一般理論を読む
ファシズム、ソ連型社会主義、新自由主義から人間の自由をどう守るか?ファシズムはイギリスでも勢力を伸ばしていた。写真はイギリスファシスト連盟である。(資本から希少性を取り去るという主張*訳注)以外の点では一般理論の主張は適度に保守的である。というのは一般理論は、私的領域に中央統制を行うことの根本的な重要性を説きながら、社会にはなおそれには影響されない広汎な活動領域があるからである。国家は税制や利子率 . . . 本文を読む

81:逐条解説:第24章 一般理論から導き出される社会哲学上の結論 第4節

2020年12月20日 | 一般理論を読む
一般理論はなぜ平和をもたらすのか?反帝国主義の理論的主柱としての一般理論本筋ではないが、一般理論の提案する新体制は旧体制よりも平和にとって好ましいと言ってきた。今、新体制のこの面を再度強調するのは価値のあることである。戦争はたびたび起きている。独裁者やその類にとって、戦争は期待するだけでもわくわくするものである。彼らが国民にそもそも備わっている好戦性に火をつけるのはたやすいことだ。しかしとりわけ戦 . . . 本文を読む

82:逐条解説:第24章 一般理論から導き出される社会哲学上の結論 第5節

2020年12月18日 | 一般理論を読む
世界を善き方へ導くのも悪しき方へ導くのも、今ある利害関係ではなく思想であるBut, soon or late, it is ideas, not vested interests, which are dangerous for good or evil.これらの思想を実現することは空想家の夢なのだろうか?政治社会の発展の原動力として根本的に欠けたものがあるのだろうか?これらの思想が脅かす利害の方 . . . 本文を読む