第2節 商品に体現された労働の二重の性格 一見したところでは、商品というものは使用価値と交換価値という二つの物の組み合わせに見える。のちに、労働もまた商品と同じ二つの性質を持っていることが分かってくる。それは労働が価値に表現されている限りにおいてであって、使用価値の創造者としては同じ特質は持っていないのだが。私は、まず最初に商品に含まれる労働のこの二重の性格を指摘し批判的に分析した。こ . . . 本文を読む
資本 政治経済学批判第1巻第1編 資本の生産過程第1部 商品と貨幣第1章 商品第1節 商品のもつ二つの要素:使用価値と価値(価値の実体と価値の大きさ) 資本主義生産様式が支配的な社会では、富は商品の膨大な集積として存在している。富の構成要素は商品である。それゆえ、われわれは商品の分析から(資本主義生産様式の)研究を始めなければならない。 . . . 本文を読む
数年前に資本論を翻訳していたのが最近出てきた。第7章まで進んでいた。忘れていたわけではないが放っておいた。 読者にはどうでもいいことだが、翻訳で最も苦労したのは、よく出てくるシェークスピアの作品の引用である。当時の人には当然の教養であったシェークスピアは筆者にとっては遠い存在である。浅学菲才の身としてヴェニスとロミジュリくらいしか読んでいない。そのためシェークスピアの現代英語訳のサイトにもお世話 . . . 本文を読む
第三節の構成は以下のようになっている。これを見ただけで読む気が失せそうになる。一歩ずつ行くしかない。 なぜこんなことになっているのか?それはこの節がマルクスの「貨幣論」だからだ。貨幣とは何か?という問いを商品とその交換から導き出している。貨幣とは何か?という問いは、今に至るまで、多くの経済学者に挫折を経験させた。ケインズが一般理論を書き上げる前の論文は「貨幣論」である。マルクスは怯むことなく立ち . . . 本文を読む