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26:第6章付論 使用費用の厳密な考察 結局、使用費用は確定せずXはXのままである

2021年06月02日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次 この付論は全巻で最も難解だと思う。使用費用について厳密な検討を行っている。次は「第13章 利子率の一般理論」かな。 先ほどは、概略的に触れただけだがここでは精緻な議論が展開される。「企業者の使用費用は、定義により、A1+(G′―B′)―G に等しい。ただし、 A1はその企業者の他の企業者からの購入領、 Gは期末において彼の資本装備がもつ現実の価値、G . . . 本文を読む

27:第7章 貯蓄と投資の意味―続論 ケインズの悪魔の恒等式

2021年06月01日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次貯蓄は、それが投資に回るから社会を豊かにする。ところが社会が豊かになるほど投資の機会は減っていく。先回りして言うと、非営利事業にしか解決策はないのだ。非営利事業とはNPOのことではなく、雇用でみると最も大きな産業になりつつある医療・福祉分野なのである。社会保障はムダと思っている限り停滞・衰退は進んでいく。ケインズの悪魔の恒等式 人は「貯蓄の分だけ」貧しくなる   い . . . 本文を読む

28:第3編 消費性向 :有効需要の構成要素、消費と投資の探求

2021年05月26日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次何気ないが重要な編 第3編 消費性向 は以下の章からなっている。第8章 消費性向(1)―客観的要因第9章 消費性向(2)―主観的要因第10章 限界消費性向と乗数  最初に種明かしをしてしまうと、消費性向は変化しにくい、ということを言っている。「 16:第1編の終了にあたっての概括 経済学は科学なのか?」で以下のように書いた。   一般理論を根底から覆すためには限界消費性向低下 . . . 本文を読む

29:第8章 消費性向(1)―客観的要因  問題は消費ではなく投資である 限界消費性向低下の法則

2021年05月23日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次限界消費性向低下の法則 豊かになるほど消費に回す割合は減るのだ  いろいろな議論が展開されているが、要は消費性向は安定した数値をもつ。所得水準が上がるほど低下する。 ということにつきる。なぜそんなことが言えるのか? 人間の性向に関する経験的事実に基づいている。消費性向の客観的要因として考えられるもの 消費=所得×消費性向 つまり 消費性向=消費/所得と定義される。 . . . 本文を読む

30:第8章 ケインズ恐慌論-金融的準備:内部留保との関係、貯蓄・投資バランス

2021年05月20日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次第8章 消費性向(1)―客観的要因 第4節金融的準備が雇用に及ぼす影響 非常に重要な節である。これまでケインズは金融のことを捨象してきた。これからは金融が前面に出てくる。引用が増えるがケインズの言い回しに慣れていただきたい。訳は名訳である。これ以上は「超訳」となり何かが抜ける。 まず、雇用は期待消費と期待投資の関数である。ここで結果ではなく期待の関数という指摘は、考えてみれば . . . 本文を読む

31:第8章 借り手のない巨額の金融資産という危機 経済学の落日 または ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ

2021年05月17日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次金融的準備(内部留保)が雇用に及ぼす影響社会全体として見ると、将来の消費を準備しうるのは金融的手段ではなく、ただひとえに現在の物的生産物のみである(ケインズ) 貯蓄は投資に回されてこそ意味を持つ。ただただ積み上がっていくだけの現金は将来に何も、もたらさない。 ふたたび少し長く引用する。 少し本題から逸れたようである。しかし、すでに資本の大規模なストックを有している社会では、消 . . . 本文を読む

32:第9章 消費性向(2)― 主観的要因 利子率の上昇は貯蓄を減少させる

2021年05月14日 | 一般理論を読む
 表題を見て???となった人は立派に古典派・現代正統派です。  なぜなら古典派・現代正統派は、人が消費するか貯蓄するかを決めるのは利子率だ、と考えてしまうからです。 そう、「利子率の上昇は貯蓄を減少させる」のです。 章が変わる。消費性向の二番目の要因:主観的要因である。 ケインズは、消費性向の主観的要因は長期にわたり緩慢にしか変化しない。とみなしている。 ケインズは個人消費にマイナスの影 . . . 本文を読む

33:第10章 限界消費性向と乗数 投資乗数とは何か?または、投資は低下する限界消費性向を補えるのか?

2021年05月11日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次 ケインズがここで言っていることは次の命題である。総投資の増加があると、所得は投資の増加分をk倍した額だけ増加するkを投資乗数と呼ぶなぜならば、均衡条件下では式A:所得の増加分=消費の増加分+投資の増加分所得の増加分>投資の増加分 だから所得の増加分=k×投資の増加分 と書くことができる。k:投資乗数、1より大きい。上の式からkを求めるとk=所得の増加分&divi . . . 本文を読む

34:第10章 ケインズはマンデルフレミングモデルを検討していた

2021年05月07日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次第10章 第4節 この章の第4節は公共投資と民間投資、消費の関係を扱っており、マンデルフレミングモデルを検討している。何かというとマンデルフレミングモデルを持ち出して金融政策一本にしたがるポストケインジアンはきちんと議論すべきであろう。そもそもマンデルフレミングモデルは小国を対象としている。  カーンを引いて、公共投資が、他の方面で投資を減少させる減殺要因となるのは次の場合だ . . . 本文を読む

35:第10章 乗数理論について その1 「0.06%?」ってどうやって導き出したの?

2021年05月05日 | 一般理論を読む
一般理論を読む  目次 有効需要(量)は消費と投資によって決定され、有効需要は雇用量を決定する。消費と投資のうち消費性向は変化しにくい。 で、これから検討する乗数とはなんだろうか?消費乗数、投資乗数とは何か? 今、消費性向を0.8で定数としてみよう。消費性向は変化せず所得の増加分に対してもその0.8が消費に回るとする。所得(1)=消費(0.8)+貯蓄(0.2) *全て総所得、総消費、総貯蓄の意雇用 . . . 本文を読む