先進国の経済学 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る ケインズは古いと言われて久しい。「古い」と言われて50年以上経つだろう。その「古い」と言っている人たちが依拠している経済学は基本的にはケインズよりも100年以上前に確立されたリカード体系だ。ケインズはそのリカード体系を批判したのである。ケインズが意図したのは、「先進国」の経済学である。ケインズはこれを「完全投資下の資本主義」としている。完全投資とは . . . 本文を読む
先進国の経済学 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る 各省の概算要求が出そろった。総額114兆円ということで、さっそく日経が「水膨れ予算要求に規律を強くきかせよ」と見当違いのことを主張している。 これから来年の国会まで予算の季節となり、日経のような主張を目にすることが増える。予算について議論するのはいい事であり徹底にやるべきである。が、そのために、最低限抑えておかなくてはならない二つの視点がある。その . . . 本文を読む
本ブログ 総目次へ戻るこのカテゴリの目次へ戻る 7月中にブログ更新を終わらせ8月はお休みするつもりだったが、職業安定業務統計の公表が8月1日となったため8月にずれ込んだ。異例のことである。中央官庁の働き方改革の結果なら結構な事だが・・・ 今回は長期にわたる正社員の有効求人倍率を取り上げる ご覧のとおりリーマン危機からの回復過程で改善してきた雇用環境はコロナで悪化し、現在もコロナ前の水準 . . . 本文を読む
本ブログ 総目次へ戻るこのカテゴリの目次へ戻る 企業“栄えて”国滅ぶ いつからそうなったか? 過去の国民経済計算を引っ張り出してみよう。以下は「1998年度国民経済計算 (1990基準・68SNA)」をもとにしている。 下図は1955年から1998年までの主要三部門の金融取引である。桁数が違うので二枚に分けてある。単位は兆円だ。 資金過 . . . 本文を読む
本ブログ 総目次へ戻るこのカテゴリの目次へ戻る主要三部門(家計・企業・政府)の貯蓄の推移を追ってみよう 国民経済計算(SNA)をもとに主要三部門の資産の移動を追う。 この項で言う貯蓄とは実物ベース(資本)としての純貯蓄であり、預貯金のことではない。 純貯蓄は、 固定資本形成―固定資本減耗+在庫変動+土地の購入+金融資産(負債)増減―資本利得/損失として前年比が計算される。 前年比だから固定資本形成 . . . 本文を読む
本ブログ 総目次へ戻るこのカテゴリの目次へ戻る 国民経済計算(SNA)という統計がある。GDPがどうしたこうしたというときに取り上げられる統計だが、それ以外の時はあまり見向きもされない。マクロ経済の最も重要で基礎的な統計だが、政策に反映されたという話も聞かない。が、貯蓄投資バランスということを考えるとSNAなしに語れない。 ということは、余計なことだが、新自由主義的な理論にはお呼びがかからないとい . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次 前回は、消費性向が下がった分だけ投資が増えることは原理的にない。ということだった。今回は原理から現実へと分析は深まっていく。第三章 有効需要の原理 第二節 筆者訳の解説 ②この理論は次の命題に要約できる。技術、資源、費用が一定のとき、名目所得も実質所得も雇用量Nによって決定される。社会の所得と、そこから消費に回されると期待できる額(D1)の関係は社会の心理的特性によって決ま . . . 本文を読む
本ブログ 総目次へ戻るこのカテゴリの目次へ戻る 異次元の金融緩和の出口を探る? の続編となる。今回はネタと考えてもらって結構です。https://blog.goo.ne.jp/thegeneraltheory/e/8828e5c03bea7a0fad71909c7aa8867e意外と近い?金融緩和の出口。 30日、職業安定業務統計が公表された。消費者物価指数CPIも公表されているので5月までの数字 . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次第三章 有効需要の原理 第二節 筆者訳雇用が増えると実質総所得も増える。実質総所得が増えれば総消費も増えるが、所得が増えたほどには増えない。これは我々の社会の心理である。だから増大した雇用を消費需要の増大を満たすために全部振り向けるとすると使用者は損失を被ることになる(*1)。ある雇用量のもとで社会の消費量を超えた分を吸収するだけの十分な投資がなければ雇用量は維持できない。こ . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次 今の段階では分かりやすいとは言えなくても、次章以降で展開される雇用理論をここで簡潔に要約しておくことは読者の助けとなるだろう。用語は後に厳密に定義するつもりである。この要約では貨幣賃金や他の要素費用は雇用された労働一単位当たり不変としておく。この単純化された前提は分かりやすさを考えてのもので後ほど外すことになる。が、貨幣賃金や他の要素費用が変化しようとしまいと、議論の根本的 . . . 本文を読む