（面白話７８）年が明けると思い出す鴨鍋

お正月になると思い出します。
もう２０年以上前、Ｔさんという旅館の前を通りかかると、おばあさんが掃除をしてました。
テレビで観たことのある旅館で、冬には鴨鍋が食べられるという旅館だったので
電話番号をいただこうと、おばあさんに声をかけました。
「すいません、電話番号の書いた名詞かなんかありませんか？」と聞くと、
旅館の中に案内され、「こちらで座ってお待ち下さい」と奥へ入っていかれました。
しばらく待つと、おばあさんが　お茶を持ってきてくれました。
「いえいえ　名詞だけいただければ結構ですので」と言いながらもお茶をいただいていると、今度は、お饅頭を持ってきてくれました。
「いえ、あの～名詞をいただければ」と言いながら結局、おばあさんと３０分くらいお話したと思います。
その年、家族で鴨鍋を食べに行きました。
合鴨ではなく、真鴨です。
「どうやって真鴨を獲るんですか？」と旅館のご主人に聞くと、
「鴨は、朝に湖から山に向かう習性があるので、霞み網で獲るんですよ」と言う。
「霞み網で獲るのは、違法じゃないんですか？」と聞くと、
「本当は駄目だけど、よく獲れるんだよね～」と全く反省の無い答えが返ってきました。
美味しかったので、文句言いません。