本書の主な主張は、章立てに明確に現れている、それらは以下のとおり。
1. 医療が穏やかな死を邪魔している。(本人が直せないものを医療は直せるはずがない)
2. できるだけ手を尽くすというのは「できるだけ苦しめる」こと。(延命治療は患者本人にとっては苦しみの延長である)
3. ガンは完全放置すれば痛まない(自然にモルヒネ成分のエンドルフィンが分泌される)
4. 自分の死について考えると生き方が変わる。(生前葬のススメ)
5. 健康には振り回されず、死には妙にあらがわず、医療は限定利用に心がける。(年寄りはどこかが具合が悪いのは当たり前)
6. 私の生前葬ショー(終末医療への事前指示書)
筆者の終末医療に関する事前指示書は次の通り。
「医療死よりは自然死を選択するため、意識不明、判断不能に落ちいった場合には次の指示に従ってほしい。
・できるだけ救急車は呼ばない
・脳の実質に損傷があることが想定される場合には開頭手術はしない
・人工透析はしない
・経口摂取ができなくなれば寿命が尽きたと考え静脈栄養や胃瘻は行わない
・改善の見込みが無い場合には人工呼吸器は取り外す」
さらに、死後の振る舞いについても事前指示をしている。
・臓器提供はしない(臓器提供適応基準によれば、心臓、心肺同時は50歳以下、膵臓、小腸は60歳以下、肺、腎臓は70歳以下、肝臓は年齢制限なし、とのこと)
・葬儀は家族葬とする
・戒名、読経、告別式、供花、香典は不要
・死体処理は凍結完全粉砕か完全に灰にする
・年忌法要、墓石、墓参りは不要
この事前指示書の内容は、以前より私も家族に指示してきた内容とほとんどが一致する。終末医療については、保護者の義務違反には注意が必要、死後の取り扱いについては遺族の世間体や親族の意向もあるはずなので、無理強いは難しい部分もあるものの、本人の意志はあらためて家族に指示しておこうと確信した。
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