今回の参議院選挙の各党首へのインタビューでは、池上さんも党首の方も準備と覚悟があるようで、安倍さん、山口さんは終始笑顔、慣れたものであった。岡田さんは「三重県という一つの地方の結果で日本全国対応の党首が辞任する判断にするというのはいかがなものでしょうか」という池上さんのツッコミに「なんでそんな事を言うのか、地方と全国は切り離して考えています」という回答にならないような返答をしてしまう。今井絵理子さんには「沖縄出身者として選挙中もっと沖縄の問題に触れても良かったのではないでしょうか」というツッコミに「沖縄で育ったのは12年間、実はあまり知らないので、これから勉強します」なんていう正直な答えを引き出す。ビーチバレー選手出身で選出の新人議員は「スポーツ経験を活かしていきたい」と言ったものだから、逆に「それでは具体的にはどのような委員会などで専門性を発揮していきたいのですか」ときかれ「スポーツは文部科学省管轄なのでそうした分野になると思います」と回答、池上さんは専門委員会の具体名を知らなかったのですね、などと解説される始末であった。
池上さんは事前調査もさることながら、その時のインタビューの答えをすぐに逆手にとってのツッコミ質問をするところが強み、他局の局アナやタレント司会者との大きな違いとなっていた。また、各党の支持母体や関連する組織を取材するという企画、今回は自民党が日本会議、公明党が創価学会、民進党は連合、共産党が民青など、これも他局はまずはやらない内容で、面白かった。取材に深みがあるわけではないが、視聴者にそうした存在と各党との関係をお知らせする、という意味はある。
そこで、本屋で見た本書を買ってしまったという次第。内容はすべて見たことの確認ができる内容ではあったが、テレビ東京のプロデューサーが報道番組で他局との違い、特にNHKなど圧倒的なマンパワーで行っている出口調査にはかなわないことを自覚して、当確報道の速さではなく、視聴者が知りたい聞きたいことを候補者、当選者、党首にきくという姿勢を貫いていることを再確認した。テレビの宣伝を本でも行うという意味では、メディアミックスとしては正しい。
最近テレビを見るときに気がついてみると、「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」「和風総本家」「WBS」ついでにいうと「Youは何しにニッポンへ」など7時のニュースはNHK、そのあとはテレビ東京を見ていることが多い。開票速報の視聴率ではNHKについで第二位、時間帯によっては一位だったとも言うが、それも頷ける。関東テレビ局は3強1弱1番外と言われていたテレビ朝日と東京12ちゃんねるが、地デジ時代になって番組表の構成が変わり、東京では新聞での番組表のチャネルの並びが1,3,4,5,6,7,8というとなり、フジの8ちゃんねるが苦戦している。フジはこの際テレビ東京の姿勢に学ぶところがあるのではないかと感じるがどうだろうか。
テレ東は京都や長野にいる時に見られないのが難点だが、自宅のテレビはREGZAの全番組録画機能でバッチリ抑えているので、1週間まとめてみているので安心。次は都知事選だが、ちょっとした矛盾は、この開票速報を見て投票には行かなかったが、初めて選挙の面白さや、争点に気がつく視聴者もきっと居るという点。選挙前に放送しても見てもらえないし、番組を見て投票しても良かったなと思ってしまう、自己矛盾である。今後の工夫はあるのだろうか。
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