城山三郎は娘の紀子さんにはあまり多くのことを語らなかったと言うが、「世の中のムードに流されず、自分の頭で考えよ」「人に迷惑をかけないようにする」「世の中の多くの情報から正しいと思うものを良く考えて選べ」などを繰り返し語ったという。個人情報保護法の制定では、国による情報統制の怖さを知る城山としてはなんとしてもそうした部分を阻止したかったのだという。海賊対処法案では、自衛隊が他国に出かけていって攻撃ができる、という部分に大いなる脅威を感じていたという。憲法九条は世界の宝である、という話である。妻や娘には大変優しい夫であり父であったのだろう。
城山三郎が娘に語った戦争 (朝日文庫)
