2021年1月に逝去した著者のエッセイ集。生涯のテーマの一つだった二・二六事件を始めたとした昭和史、幕末、戦国時代の歴史の真相に迫るエッセイが綴られている。
2.26事件を引き起こしたメンバー内では、宮城の占領計画があったというのは「昭和史発掘」で紹介された。近衛歩兵第三連隊の中橋中尉は、当日の自連隊が宮城護衛当番であったことを利用して、高橋是清邸襲撃後に、宮城に侵入して天皇を奉戴しクーデターを成功させようともくろんでいた。それが、他の連隊からの襲撃報告を受けた宮城護衛任務に就いていた将校により入門を拒否され失敗していた。クーデター首謀者たちは蜂起さえすれば天皇は味方してくれると信じていたが、現実は正反対であり、天皇はクーデター軍を反逆軍として激怒した。
エッセイーは古事記、日本書紀の時代から戦中、戦後史に至るまでの日本歴史に関する内容やミニ知識などを含む。半藤一利ファンなら必読書。