意思による楽観のための読書日記

私は別人 シドニー・シェルダン ***

アメリカっぽいお話でした。ハリウッドやラスベガスを舞台にしたスターの成功と失意の最後、それを主人公たちの生涯にわたって描いています。主人公は二人、一人はトビー・テンプル、コメディアンとして全米一になった大スター、もう一人はトビーの妻になるジル・テンプル。トビーは小さい頃から物まねが上手な誰からも好かれる好男子、ハリウッドからラスベガスで幸運のきっかけをつかみます。ジルはトビーがスターになってからハリウッドに出てきて下積みの苦労を重ねた中でトビーに出会う機会を幸運につなげます。二人は結婚、トビーはスター街道をばく進、ジルは大スターの妻として絶好調の時期を過ごします。ある時、トビーが脳溢血、一気に奈落の底に。ジルの献身的な介護とリハビリで奇跡的にトビーは回復、芸能界に復活します。ジルの献身的なリハビリは世間に紹介され、スターと献身的な尊敬されるスターの妻という黄金コンビとしてよみがえるのです。再び、大スタートビーと今やもう一人のスターとして取り扱われるジル、世界公演を回る最後の地モスクワで、ジルの昔の恋人デイビッドとの再会、ジルの心は動きますが、今は大スターの妻、この夜、トビーは再度の脳溢血、再起不能の体になります。二度目の奇跡はないと直感したジルはデイビッドとの新生活を夢に見ますが、そうはいきません。しかし、夢を見たいジルはトビーを計画的に殺してしまいますが、世の中は悲劇のヒロインとしてジルを扱います。デイビッドとの結婚をするという、その新婚旅行に出かける船旅の出発の時、ジルが意地悪をしたエイジェントが現れて二人の船出の邪魔をして、まんまと罠にかかったデイビッドはジルを捨てて船を下り、失意のジルは自殺してしまう、こういうお話。成功物語の後の悲劇、面白いといえば面白いですが、安っぽいともいえます。シドニー・シェルダン、一冊読めば他のもだいたい想像がつく、という作家ではないでしょうか。種類は違いますが、ハーレクインロマンスもこの手のシリーズかもしれません。「面白いけれども安っぽい」。まあ、そんなに貶すこともないかもしれません。
私は別人〈上〉
私は別人〈下〉
明日(あす)があるなら〈上〉
明日(あす)があるなら〈下〉
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