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ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

最近見た映画

2011-12-04 23:19:22 | 映画


「黒猫白猫」

「アンダーグラウンド」の話題(論争)の大きさによって一時期引退していた
クストリッツァの復帰作。
ブタ、ウマ、アヒル、ヤギ、クソ、ヒト。
この監督は「臭い」がとにかく強く印象に残る。
そして世界の様々なものをカラクリ仕掛けのおもちゃに仕立て
人も(死人も)その歯車の一部として持ち上がったり落ちたり転がったりする。
それを見てるとプッと笑ってフッと軽くなって、開放感に満たされる。
電気なんてあんまりなくても全然楽しめるんじゃないか?と思わせてくれる。

ゴッドファーザーがトラックから滑り落ちて坂を転がっていく途中に
轢きそうになったヤギを抱き抱えるシーンが一番好き。

最近見た映画

2011-11-06 23:35:03 | 映画







アウトレイジ
どのシーンが好きかって考えると
椎名桔平がロープで縛られて車から吹っ飛ぶシーンですかね。
あのシーンのカラーもキタノブルーに属するんでしょうか?
個人的には国芳の忠臣蔵に似たグレーがかった青味がよかったです。
ヤクザとケータイの相性はよさそうだけど
ヤクザとスマホの相性は悪そう。
経済ヤクザ加瀬亮しか似合わなさそう。
10年後のヤクザ映画が見てみたい。


アダムス・ファミリー1・2
1が権利関係でもめていて再発されてないらしく
近くのレンタル屋に置いてなかった。
がまるまる転がっていた。
モーティシアは相変わらずエロくて
ウェンズデーは残酷で可愛い。
ゴメスとモーティシアのダンスシーンが好き。
パグスレーに親近感を覚える。


ゲゲゲの女房
吹石一恵が長く出てるのがいい。
クドカンもよかった。
全体的になんか好き。


シングルマン
なんというか、昔はもっと好きだった気がする。
でも今は
「屁をひって おかしくもない 一人者」
「物思う 相手がなさに 蚊帳を釣り」
という川柳とともに描かれる杉浦日向子による江戸の一人者の
の「独り」の方がなんだかしっくりくる。
はっきり言ってしまえば死ぬこたぁないんじゃないかと思った。
一つ一つのシーンがとても美しかったです。


その街の子ども
ただ単に早く起きてしまって、返さなきゃいけないからと
見始めた時間が5時46分(ごろ)だったのが何とも不思議な気分。。
(冒頭での時刻を告げるシーンで時計を見たら5時46分だった。)
「明日に備えて一人でホテルに泊まるタイプだな俺は」とずっと思いながら
見てしまったので感情移入する事があまりできず。
が、おじさんに手を振るシーンにはグッと来てしまった。
泣きながら手を振る。整理もできず乗り越えてもいないけど手を振る。泣きながら。
あれは良かったです。
子どもが成人した物語よりもおじさんがその時間分老いていった物語の方が興味がある。
「その街のおじさん」の方が。


武士の家計簿
発見された武士の詳細な家計簿からドラマを膨らませるって企画はおもしろいんだけど
130分はちょっと長すぎやしないか。
堺雅人が姿勢よくものを食う様がいい。



「underground」をやっと見た

2011-09-27 01:06:28 | 映画

Underground (part 1)



ずっと観たかったが近所のレンタル屋には置いてないし
DVDはプレミアついちゃってるしという理由で観ていなかったが
この度デジタルリマスターで上映された。


これは噂通りイイ!
のっけからイイです、もう。
ヤラれました。
全編にわたって流れる「カラシニコフ」がたまらない。

ブラスバンドの迫力がより伝わったので劇場で見ることができたのは幸運だったな。
(パンフによるとセルビアにおけるブラスバンドは伝統文化だそうで、
 更に戦争とブラスバンドは相性がいいから尚更ハマっていた気がする。)


監督のインタビューでの言葉がこの映画を的確に表してると思う。
そしてそのためには踊りと音楽が絶対的に有効だってことを
最近特に思うようになった。




人はいつだって自分自身のうちに生存本能を見出す。最悪の時でさえもね。
その状況の悲劇的側面を強調しても仕方がない。
逆に、それらの人々が困難をどう克服したかを見せるほうがいい。
わたしはこの物語を通して、私の国の男女がチトー政権時に、
自分たちは本当に「いい人生」を送っていると確信することで、
いかに生き抜いたかを描こうとした。







『イリュージョニスト』

2011-04-15 01:55:15 | 映画





TOHOシネマズ六本木ヒルズ。


冒頭の女性歌手がステージへ歩いていくシーンだけで虜になりました。
そしてスコットランドのおっさんの酔い方の描写が最高すぎ!!


シルヴァンショメの作品は出てくるその全てのモノを
好きになってしまうんだよね、なんか。
ストーリーももちろん良いのだけど、
ショメによって切り取られ描写された各場面の、
全てのモノたちの動く様がたまらん魅力を発してくるんですよね。

街の有り様、人のしぐさ、乗り物の発する音、草のなびき方、
海の静けさ、動物の動物っぽさ。
廃れていくモノ、勃興していくもの。
もうそれらの場面が見られればそれだけで
お腹いっぱい胸いっぱい(そして可笑しくって腹がイタい)になって
劇場を後にすることができます。できました。


絶対そんな狙いがあってやってるワケないんだけど、水道や電気の表現には
やっぱり余計に何かを感じ取ってしまいますね(特にラストシーンとか)。
場所と時代の差もあるけど、やっぱまだまだ恵まれてんなーオレ、
などと素朴に思ってしまったり。


ストーリーについてひとつだけ。
最後、真実を知ってホテルの窓から外を眺めていたアリスは、
どんな感情だったんだろうか。
最終的にどんな感情に落ち着いたんだろか。
意見が分かれるとこでしょうね。






最近見たDVD

2011-01-31 01:59:47 | 映画
一位 トイ・ストーリー3
二位 クヒオ大佐
三位 息もできない
四位 告白
五位 ベストキッド(ジャッキー版)


トイ・ストーリー3は全てが完璧です。。
あのゴミ処理場シーンは(あの表情の演技は)名シーンすぎるし、
ウッディの走る・忍び足・椅子から下りる(おそるおそる足をだしながら)・
保育園の屋根裏の小さい障害物を越える、
のアニメーションが素晴らしすぎるし、
ミスタートルティーヤも最高だし、
バービーとケンのファッションショーも最高です。

抱えた傷がゆえにそうなってしまった、という意味でなら
「息もできない」のサンフンよりもロッツォの方がより切なく
感情移入をしてしまった。
(だけにもうちょいラストをどうにかしてほしかった気がしないでもないが)


エンディングのフラメンコを脇でステップを踏んでるウッディが
一番好きアニメーションかもしれない。


クヒオ大佐は、予想外におもしろかった!
ファミレスでコーラを頼むシーン最高!!

いい!ローラーガールズダイアリー

2010-12-28 00:49:21 | 映画



ローラーガールズダイアリー

女の人の殴り映画はデスプルーフが最高だったけどそれに匹敵する。
イイ!
もう登場する女の人ぜんぶカッコイイ。
主人公も母も親友も妹もスカウツのメンバーもジュリエットルイスも。
まずあんな有名な女優さん達が何ヶ月も合宿してトレーニングして
カチで滑ってる様だけでもうサイコーです。
特に後半の決勝戦のシーンはストーリー関係なくあそこだけで何度も見れちゃう。

それでいて主人公を巡るいろんな人間関係の描かれ方が最終的に優しいのがいい。
母と娘。父と娘。親友。年上の同性の先輩の存在。バイト仲間。
それらの関係をちょうどいい深さで描いていて
どの登場人物も自分と他人を思いやる度合いのバランスがいいんですよね。
自分をないがしろにされたらキレる。
でも、キレるけど、最終的に許す。
ゴミ捨てを手伝う。決勝を見に行く。
自分を第一に考えて闘っているから出来ることのように見えますね、どの人も。
思いやる出発点が自分なところがいい。

「わたしは36歳。スケートをはじめたのは31歳。
 自分の得意なものを探すのにそれだけかかった。それまで死ぬほど努力した」
とジュリエットルイスのセリフも印象的。

地味に好きなのが
近所の友達(アンバー)が、主人公にドレスを借りて地元のミスコンで2位を獲り
笑顔でドレスを返しに来るシーン。
前もって用意してきたドレスを優等生にバカにされ、主人公のドレスを「それ、オーダーメード?」
と羨ましがるシーンも伏線になり、アンバーにも感情移入できてしまった。


痛快かつ優しい。
とっても好きです。
あと、エレンペイジの衣装は全部カワイイすね(特に黒系)



「渇き」と「パンドラの匣」- ルーティーンのエロさ

2010-11-06 03:53:08 | 映画
 



 


チェイサーにやられて韓国映画をもっと見たくなり「渇き」を見る。
病室で首筋から血を吸われて恍惚としてる表情もエロいが
裸足で夜の街を走る女主人公キム・オクビンを、
ヴァンパイア神父のソン・ガンホが追いかけて抱き上げて
そっと自分の革靴を履かせる、という一連の流れを、
足下のシーンだけで描いていたのがキレイでエロかった。
(これってラストシーンの伏線でもあるしね。)




でも、官能、というかエロさでは「パンドラの匣」の方がグッときた。
相当好きです、こういう映画。


とにかく映像がキレイ。
静かにキレイ。
川上未映子のバスでの初登場シーンも、
仲里依紗が庭でシーツと戯れてるシーンも、
KIKIがつくだにを食べさせてるシーンも、
とにかくキレイ。

そしてエロい。
夜中、患者のいびき(うなされてる?)を一発で止めて、
薄闇の中で主人公をスッと見つめあくびをしながら去っていく川上未映子も、
蒲団部屋で主人公にささやく仲里依紗も、
四つん這いで床を拭く川上未映子も、
「あ と で ね ♪」という仲里依紗も、
とにかくエロい。


結核療養所という隔離された(そして死の臭いもする)空間での
キレイさエロさなのでユートピア感がとても強かった。
自分もここであだ名で呼ばれて暮らしたい…という願望が芽生えますよこれは。

そしてもうひとつ。ルーティーンのエロさ。
病状を確かめる問診としての
「やっとるか?」「やっとるぞ」
「がんばれよ」 「よし来た」
のやりとりや、
患者の体を淡々と拭く。
という看護婦と患者のやりとり。
毎日毎日繰り返されているこのルーティーンを軸に
様々な時間の経過や、心情や、関係の距離感が表わされていて
それがなんだかエロくて美しいのです。


このエロくて美しい映像に菊地さんの声と音楽がプラスされて
さらにいい感じになっていて、
久々に何回も見直したいと思う映画だった。
言い忘れたけど、窪塚くんも最高です。




最近見た映画「チェイサー」

2010-11-06 01:40:21 | 映画





ものすご~くまとめて見るか、全然見なくなってしまうかの時期に別れるが、
チェイサーをなんとなく借りたら、そんなスキだらけの身だからボッコボコにやられ(いい意味で)、
「あぁ、やっぱりいろいろ見逃してる…」と痛感。。


参りました!もう最初から怖すぎる。。
個人的には主人公の2人の存在感がこの映画の面白さの大部分だったんだけど、
まず犯人役のハ・ジョンウの眼と表情がさ。。
コイツは倫理の底が抜けてて話が通じない…
っていう空気を醸し出してる。
全く予備知識なしに見てたんだけど、あの顔見て
「これ、絶対エグい展開になる…!」って思いましたもの。。
風呂場にパンいちの姿で工具の入った鞄を無造作に置くシーン(床のタイルに工具が触れるあの音…)と
壁のフックにS字の鉤(っていうの?)を掛ける時の濁った音…(この行為の意味が後でわかって尚更戦慄…)
そして追いかける側の主人公キム・ユンソク。
この人とといい、ソン・ガンホといい、ガタイがよくて(ムキムキってのでも太ってるってのでもない)
見た目も男前ってことでもなく、荒っぽくていろいろうまくいかなくて、
鈍くて、でもある意味で鋭くて、全体的には男前の佇まい、オーラを醸し出す役者って韓国っぽいですよね。
(日本で誰だろ?って考えると、村上龍みたいな感じなんだよね。役者じゃないけど)
とにかくこの役者さんかなりスキです。いまのところ韓国で一番好きかも。
とにかく走ってパイプ椅子で殴って。

映画全体で言うと、音の使い方が印象的。
一番印象に残ったシーンは女の子が車の中で号泣するシーン。
つれさられた母親をキム・ユンソクと一緒に捜してる最中に、
もう母親がこの世にはいないかもしれない事実を知ってしまい、
今まで強がってた女の子が号泣するシーン。
それまで、キムとの罵り合いやキム自身の電話での怒鳴り声など
声が強調されていたのが、
一転して雨の音のみになって車内で泣く女の子が映し出される。
声をあげてわんわん泣いてるんだけど、その音がない。ただ雨のみ。
より切なくて、でもキレイなシーンでした。

組織も個人もマヌケで無力でわかっていても変えられない。
でもそれだけでもない瞬間もある。でもマヌケ。でもそれだけじゃない。
という繰り返しのみがあることを虚飾なく描いてておもしろかったです。


宮崎駿の「おはようまだやろう」

2010-05-22 22:26:25 | 映画






ゆらゆら帝国解散から53日目


なぜポニョに惹かれるのか?
ひょっとしたら宮崎作品でいま一番好きなほどに。

それはこの作品が宮崎駿版
「おはようまだやろう」
だからだ。

言い換えるなら、宮崎駿版
「でもやるんだよ」(by根本敬)
だからだ。

しかも、とんでもなくエネルギーに満ちてる感じの。



宮崎駿はきっと心の底では一度いろんなものに対して
諦めを経験してるはずだ。

息子、吾郎の「ゲド戦記」を見て、
「映画は、『世界を変えてやる』と思ってつくらなきゃダメだ…」
(DVD『ポニョはこうして生まれた』)
とつぶやいたように、
そういう覚悟と欲望を持って作品をつくってるはずだ。

でも、
『ああ、エコロジーの宮崎さんですね』てなってしまうのは嫌なんですよ(笑)
『風邪の帰る場所』P279


といってナウシカ2を断りラピュタを作ったが、
相変わらず消えないエコロジスト、ヒューマニスト
というレッテル。
そしてあのラピュタとトトロが興行的には大失敗だったこと。

今でこそ大作家としてもてはやされてるが
ホントにおまえらわかってんのかよ!?
と思っただろう。いまもきっと思ってるだろう。

そして、
人間なんてね、ぜんぶ流されちゃえばいいんだよ!
(ジブリ汗まみれ 庵野秀明の回)


とかつて語ったように、人がレッテルを貼ってるような
ヌルい意味じゃなく、もっと突き抜けた意味で
地球を、そして小金井の色のない殺伐とした町並み
(DVD『ポニョはこうして生まれた』)
を嘆いている。

それでも、
アニメーションの表現の幅というのは、そんなに広くないと思いますよ。
 …自分たちの表現力の底の薄さはわかってますから
『風邪の帰る場所』P20


と「アニメを創る」ってことで起こせる事に対する限界
も痛いほど、こちらの想像をはるかに超えて感じてるだろう。


それでも作る。創る。いや創りたい。
ハウルを完成させて自律神経失調になって
治るのに数ヶ月かかるくらいボロボロになったとしても
まだ。


いろんな限界と諦めと、
それでもまだ残ってる欲望と執念と怒りと。
それに加えて老境も入ってきてる。
これらがゴチャゴチャに混ざさって出てきた
得体の知れないエネルギーが、
蓄積された経験ともともと持ってる一流の技術に
下支えされることによってできたものが
ポニョなんだ、きっと。

生命力が強い人間がやると
「おはようまだやろう」
はこうなるんだな。



爆音いちろうライブ

2010-04-16 00:57:10 | 映画

やっぱり「めまい」の一曲目とか三曲目とか、
こう「いや、いいなあ」と思って聴くんだけど、
たまにふと冷静になると
「今、俺何聴いてんだろうな?」
って思っちゃって。
これ、はたして俺のCD聴いてのかなって(笑)。
そうすっとやっぱりなんか……
自分ではずっとこれやってたんで、
もう当たり前のものになってんですけど、
そういうふうに考えるとやっぱりすごいと思って。
              
              坂本慎太郎 『rockin'on japan 2003 MARCH』






ゆらゆら帝国解散から15日目


5/28から吉祥寺バウスシアターで行われる
爆音映画祭
最終日6/12に、愛のむきだし上映+柴田一郎ライブが
オールナイトである模様。

落合で来週やるライブに行くのは勇気がいりそうだから
こっちに行こう。

しかし寒い。。。