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ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

今年のベスト2024

2024-12-31 22:38:48 | 今年のベスト
<本>
象徴天皇の実像
戦前の正体
右翼雑誌の舞台裏
出雲という思想
天皇家のふるさと日向をゆく
水木しげるの古代出雲
人はなぜ「自由」から逃走するのか
世界中の翻訳者に愛される場所
サイドコア: ATYPICAL FOOTPRINT
トゥデイズ
ケモノたちは故郷を目指す
ハルビン
パパいやメロン
Steven Adams: My Life, My Fight
Showtime: Magic, Kareem, Riley, and the Los Angeles Lakers Dynasty of the 1980s
Aardman: An Epic Journey

衝撃を受けたという意味では「昭和天皇拝謁記」という元宮内庁長官による昭和天皇との
会話録を解説した「象徴天皇の実像」。
昭和天皇の印象が大幅に変わった(悪い方に)。こんな人だったのか。
古代史と、古代史が近代以降の日本でどう扱われて(利用されて)きたかについて
読んだ1年だった。
原武史「出雲という思想」は第二部の出雲と埼玉(武蔵)との関係を論じた箇所が
特に面白かった。私が今住んでいるところと出雲系(スサノオ、オオクニヌシの系譜)の
関係の深さをもっと掘りたい。
「世界中の翻訳者に愛される場所」がドイツのシュトラーレン(Straelen)にある
翻訳者版アーティスト・イン・レジデンス「コレギウム」についての本で、
本屋を通じて出会った新しい世界だった。
「人はなぜ「自由」から逃走するのか」は仲正昌樹によるフロム「自由からの逃走」の解説本。
フロムは今でも古びない根源的な先進国とそこに住む人間の問題を扱っている
(が実は原書はまだ読んでない)。
サイドコアの展覧会を見て感銘を受け本も買った。面白かった。
長嶋有の小説は常に最新を追えてないけど自分のペースで読み進める。
2024は安部公房生誕100周年で、新潮がフェアをやっていて読んだ。実は初めて。
荒野の描写が今もたまに夢で再生される。
「ハルビン」は、伊藤博文を暗殺した安重根はどんな人間だったのか?を描く韓国青春小説。 
青春期の暗さや純粋さ金の無さから来る不満から歴史の一ページに残る事件までは、
そんなに稀有な道ではなく誰でも通りうる道だ。
「パパいやメロン」は海猫沢めろんの子育て記。来年子どもができるので勉強のため読んだ。
この人こんな事になってたのか。印象が変わった(良い意味で)。
洋書をもっと読みたかったが、なんせ読書スピードが遅いのでそんなに読めなかった。
来年はSusie Wileyについての本を読みたい。


<映画・ドラマ>
ホールドオーバーズ
アウトフィット ある仕立屋の長い夜
最後まで行く
ゴジラ-1
怪物
エリック
地面師たち
ヒルビリー・エレジー
チキンラン
チキンラン:ナゲット大作戦
FALL
100分DE名著:古事記/安部公房/水木しげる

いろんな所で言われてしまっているので声高に言いたくないけど、
ホールドオーバーズです今年は。切なくて辛くて優しい、何度も見たくなる名画。
ほとんど行かなくなってしまった劇場にこのために二回行った。
「アウトフィット」はオーソドックスなミステリだけど
セットや衣装、世界観が洗練されていて良かった。
亡くなったイ・ソンギュンの「最後まで行く」。
「キングメーカー」も良かったしもっと演技が観たかった。
「ゴジラ-1」は期待に反してめちゃくちゃ面白かった。
歴史と人間ドラマと怪獣娯楽のバランスが抜群。神木くん最高。
「怪物」は内容を全く知らずに観た。子役の演技。
今回はいつもの是枝監督の撮り方ではなく子役に演技をさせた。これがすごかった。
ネトフリドラマのエリックと地面師たちはクオリティの高いエンタメを味わった。
米大統領選イヤーにみた「ヒルビリー・エレジー」。
「原作とは違いメロドラマすぎる」という批判があるようだが、これはこれで楽しめた。
エイミー・アダムスが良い。民主党が負けたのは何となくわかる。でもなぜ共和党代表がトランプで、パートナーがこのJDヴァンスなのか?はいまだにわからない。Susie Wileyの力なのか?
Aardmanの本を読んだのでチキンランを2作観た。大人も十分楽しめるクオリティのクレイアニメだ。年明けのウォレス&グルミット新作が楽しみ。
「FALL」は単純に何も考えずハラハラ・ドキドキ楽しめた。
「100分DE名著」はたまに無性に貪りたくなる番組。


<音楽>
If I were to paint it / Lossapardo
In Waves / Jamie XX
Get The Message / Kokoroko
Akoma / Jlin
Y'Y / Amaro Freitas
Spectral Evolution / Rafael Toral
Bright Future / Adrianne Lenker
We Have Come to Banish the Dark / AI Wootton
Crying, Laughing, Loving, Lying / Labi Siffre

あまり熱心に聴き込む機会が持てなかったが、年初にDACを買ってヘッドフォンで聴いた。
Lossapardoは心地よい。この人の絵も欲しい。
JamieXXの新作が久しぶりに出た。良い。
Kokorokoは友人から教えてもらったUKアフロジャズ。好みど真ん中。
Jlinも久々に新譜を聴いた。好み。
Amaroはジャズ色の強いのもアンビエントっぽいのも好きな曲がそれぞれある。
Adrianne LenkerはPitchfolkで知った。静謐なフォーク。
AI Woottonは作業中によく聴いていた。
Labi Siffreのタイトル曲はホールドオーバーズのED曲。歌詞もシンプルなのに深い。


<美術展>
サイドコア展コンクリートプラネット@ワタリウム美術館
Nerhol展 水平線を捲る@千葉市美術館
日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション展@東京都現代美術館

あまり行けなかったが、上記3展は見逃さないで良かった。
「日本現代美術私観」でサイドコアの映像作品(スケボーで人の消えたコロナ中の東京を走る)を見て、サイドコアの個展をワタリウムで見る。ここでやっていた既存の映像(首都高のトンネルの汚れた壁に身体を擦り付けながら歩き痕跡を残す)と新作(地下の洪水対策の貯水施設内をスケボーで滑る)がめちゃくちゃ格好良い。ストリートカルチャー全般にピンと来てないのだが、
これは格好良い。
ネルホルがついにまとまった個展を開いてくれた。ネルホル×小谷元彦トークも聴いた。
飯田竜太が小谷元彦の生徒とは知らなかった。
小谷の下には一時期サイドコア松下、片山真理、小田原のどかなどが集まっていたらしい。


<ベストバイ>
Hifiman Serenade(DAC内蔵ヘッドフォンアンプ)
Comandante C40 MK4(コーヒーミル)
サーモスの水筒350ml

自分へのご褒美としてDAC内蔵アンプを買った。柔らかい音が鳴る。ジャズ系に特に威力を発揮。
妻がプレゼントしてくれたコマンダンテ。5年も欲しそうにネットを見てたから買ってくれた。
かろうじて安く売ってくれる海外サイトがあったので手が出た。いまの国内価格だと無理です。
冬に部屋で飲むために水筒を使うが、サーモスの保温力が一番良い。
どこにでも売っていてクオリティが高い。名品。

今年のベスト 2023

2023-12-31 22:10:00 | 今年のベスト
<本>
台湾の少年1-4巻
食卓の上の韓国史
新世界より オカダキサラ
神曲 ダンテ 講談社学術文庫・河出文庫

<映画・ドラマ>
君たちはどう生きるか
テトリス AppleTV
The First Slam Dunk
AIR
マルモイ
サンクチュアリ


<音楽>
誰かが/The Birthday

<ベストバイ>
USB充電式カイロ

今年のベスト 2022

2022-12-31 22:46:53 | 今年のベスト



<本>
やさしくやさしく閉じてください オカダキサラ
楢山節考 深沢七郎
さりながら フィリップフォレスト
異界を旅する能 安田登
豊饒の海シリーズ 三島由紀夫
性と芸術 会田誠
大邸の夜、ソウルの夜 ソン・アラム
韓国文学の中心にあるもの 斉藤真理子

今年は韓国に本格的にハマった年。そのきっかけは斉藤真理子の「韓国文学の中心にあるもの」。ここ数年流行っている韓国文学のガイド本だろうと高をくくってずっと手を出してなかったが、本屋でまえがきを立ち読みし、ただならぬ雰囲気を感じて即レジへ。20世紀はじめから現在に至るまで、隣の国がどれだけの事をくぐりぬけ、戦い、勝ち負けしてきたのかを、文学を軸に、とてもわかり易く、しかし静かに熱量のある文章で書き記してくれている。完成まで数年かかったというが納得(時間をかけて練られた文章)。
この本から映画ドラマと色々広がったが、コミック「大邸の夜、ソウルの夜」もその一つ。男尊女卑的な価値観がまだ消えていない現代韓国における女性主人公二人の物語。違う国の話とは全く思えないほど「わかる!」という話や心理描写ばかり。色々あるけど、それを受け入れてやっていこうという、甘くはないがかすかな希望を残して終わる読後感も良い。
春に母が亡くなって最初に読みたいと手にとったのが「楢山節考」。前近代的な価値観に、具体的な喪失が癒やされるという事があるのだと知った。
能とは、旅の者がある地で無念の想いを残してこの世を去った者に出会い、話を聞いてやり、弔うというのが大まかな流れだと知り、興味を持つ。「異界を旅する能」の安田登は100分DE名著の平家物語回がめちゃくちゃ面白かった。「さりながら」を読み返す。娘の喪失に向き合おうとする書で、これはこれで真摯だが、楢山節考の方に私は救われた。
三島の豊饒の海シリーズは構造が「能」であると知り、遅まきながら初めて読んだ。あの終わりを書いて、死に向かう心境はよくわからないけれど、綺麗な描写が印象に残る箇所が多々あった(特に春の雪と天人五衰)。来年は福田恆存を読んでみたい。
会田誠は三島の「劇画における若者論」を高1で読んで、手塚をこき下ろし赤塚を称賛するその文章に目から鱗が落ちたそうだ。「性と芸術」は、「犬」シリーズがなぜ描かれたのかを作者本人が解説している。ここまでの意図を持って描かれたと知ったうえでも、性的な表現云々で批判する者もやはり存在するんだろうか?するんだろうな。
オカダキサラの撮る東京の風景が好き。


<映画・ドラマ>
高地戦
KCIA南山の部長たち
工作 黒金星と呼ばれた男
1987、ある闘いの真実
国家が破産するとき
スープとイデオロギー
アシュラ
国際市場で逢いましょう
犯罪都市
エクストリームジョブ
ファーザー
グッドナース
くれなずめ
ドロステの果てで僕ら
ウィニングタイム レイカーズ帝国の誕生

斉藤真理子の本を軸に韓国映画を見ていた。
朝鮮戦争休戦協定直前の悲劇を描いた「高地戦」は主人公の一人イ・ジェフンが良かった。「KCIA南山の部長たち」でイ・ビョンホンがこんなに良い役者と初めて知った。「工作」はファン・ジョンミンとイ・ソンミンの好きな役者二人の掛け合いに惹き込まれる。民主化を描いた「1987」やその後のIMF危機を描いた「国家が破産するとき」は史実を追ううえで為になった。「スープとイデオロギー」は、太平洋戦争終戦後、済州島で起こった惨劇を、自分の母親が体験していたことがわかった監督によるドキュメンタリー。異国にいながら、未だに「北」を支持する理由に、このような悲劇による捻れた想いもあるのだと腑に落ちる部分もあった。
ファン・ジョンミンはNetflixで「ナルコの神」もやっていたが、「アシュラ」のファン・ジョンミンの方が圧倒的に怖い。めちゃくちゃ怖い。特にラスト。恐怖に正義が負ける瞬間が描かれている。このあとに「国際市場で逢いましょう」を見て、素直に感動してしまい(「父さん、おれ頑張ったよね?でも本当に辛かった」と亡き父に告白するシーンに落涙)、極悪市長からこんな良い人の役もできるこの人の幅の広さに脱帽。
マ・ドンソク作品もたくさん見たが、どれか一つ挙げるなら「犯罪都市」。拳一つですべてを解決してほしい。犯罪都市2はまだ見てない。韓国関係ないが、「RRR」もまだ見てない。エクストリームジョブを見てフライドチキンを食べまくった。
洋画では「ファーザー」「グッドナース」が記憶に残ってる。邦画では「くれなずめ」の成田凌が良かった(ガルーダのCGは余計だったけど)。「ドロステの果で僕ら」はメイキングを見てもどうやって撮ったのか完全に把握できなかったが面白かった。ヨーロッパ企画の作品を初めて見た。
年末に見てたのはU-nextで配信している80年代レイカーズのドラマ。80年代というよりタイトル通りレイカーズ帝国誕生前夜を描いたドラマ。チームを買うジェリーバス、孫で後に実際に重要な役割を果たす孫ジーニー、ジェリーウエストの性格や、有名になる前のパットライリーなど、マジック、ジャバーと言ったプレイヤーよりフロント側の物語が描かれていて面白い。文字の使い方がアダムマッケイっぽい。


<音楽>
11 / SAULT
Earth / SAULT
¡Ay! / Lucretia Dalt
Topical Dancer / Charlotte Adigery
Caroline / Caroline
Florist / Florist
In These Times / Makaya McCraven
False / Lambert
Private Space / Durand Jones & The Indications
Like A Fable / 坂本慎太郎
下津光史歌集 / 下津光史

あらためてSAULTが好きなんだとわかった。突然「an offering to god」としてリリースされた5枚のアルバム、1枚に絞れなかった。
Lucretia Dalt「¡Ay! 」はいろんなメディアの今年のベストアルバムにランクインしていたので聴いてみたらとてもよかった。同様にCharlotte Adigery & Bolis Pupil「Topical Dancer」も。こちらは結構Politicalな内容だったりするらしいが、単純に音が良い。
「Caroline」は二曲目のGood Morningが好き。「Florist」も二曲目のRed Bird Pt. 2 (Morning)が好き。
「In These Times」は一曲目が好き。Lambartの「False」は今年はじめにはまった。
Durand Jones & The Indicationsもよくかけていた。ビルボード東京での来日ライブに坂本慎太郎が参加したらしいが、生で聴きたかった。
坂本さんの新作は安心して聴いてられる。下津光史が踊ってばかりの国のボーカルだと初めて知った。このアルバムの「つくし」と「愛のバラード」はとても良い。


<ベストバイ>
Naturehikeのダウンパンツ
キャプテンスタッグランタンS
吉祥寺東急で買ったおりん

なるべく暖房を使わずに冬を過ごすため、ダウンパンツを買った。自分のために節約や節エネをやってはいるが、それを国やメディアから言われるのは気に入らない。
キャプテンスタッグのランタンを家で使うのは節電ではなく、ムードが出るから。
吉祥寺東急の仏具屋でおりんを買った。数十個あるおりんをすべて試奏(?)して一番心地良い音のものを買った。値段が高ければそのぶんいい音というわけではなかった。
この音を通じて毎日母に語りかけている。

今年のベスト 2021

2021-12-31 22:40:08 | 今年のベスト


<本>
傍点
Ele-King
三の隣は五号室
あの人が好きって言うから…有名人の愛読書50冊読んでみた
本当は逢いたし
改訂版こんちゅう稼業
みつばちみつひめ
カラオケ行こ!
調子悪くてあたりまえ
大奥
太陽の地図帖 よしながふみ『大奥』を旅する
吉田初三郎鳥瞰図集
this is not a samurai
江戸・東京の川と水辺の事典

長嶋有を読み直したり新刊を読んだり。三の隣は五号室を読むとプレステのゲーム「UFO」を
思い出す。一室と全体の違いはあれどどちらも集合住宅の定点観測。
有料配信の東京マッハも見た。
池田澄子のエッセイ集もいい。
「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」「手に指があってビールのコップに取っ手」
美術展に行く機会が激減したが、地方に行って見た秋山あゆ子展と野口哲哉展はどちらも良かった。「こんちゅう稼業」収録の「十三夜」「虫んこ」は名作。
和山やまは今年ハマった。単行本になってるやつは全部読んだがどれも面白い。
大奥がついに完結した。青沼・源内が活躍する田沼時代が一番好きだ。特に徳川家治の御台所五十宮(第9巻)。大奥という仕組み、徳川の世の仕組みをわかってはいるつもり、家治も自分に優しくしてくれる、それでも自分だけを見てくれてはいないという事実に寂しさをおぼえる五十宮の心を埋めたのが赤面疱瘡克服の学問、「知る」ということだった。36の若さで死ぬ事を悟り、寂しかったと告白し、それでも学びが心を埋めてくれたと青沼に礼を言う。あの瞬間が尊い。
誕生日にもらった吉田初三郎の図集は何度も見返す。
江戸・東京の川と水辺の事典をじっくり読む時間が欲しい。

<映画・ドラマ>
聖者たちの食卓
ODDTAXI
映像研には手を出すな
ミッドサマー
愛の不時着
香川1区
ハスラーズ
ドラゴン・タトゥーの女
ランペイジ
ドントルックアップ
They Shall Not Grow Old
ファーザー

聖者たちの食卓はインドのシーク教寺院Harmandir Sahibの無料食堂の様をBGMナレーションなしで撮影したものだがめちゃくちゃ面白い。食器がぶつかる音、布が断裁される音、あらゆる水の音。豊かとは?をどうしても考えてしまう映画。被写体の人たちがみんなカメラに撮られなれてない事も新鮮で、不慣れなカメラ目線を送ってくることが、見る見られるの関係を対等にし、自分も寺院の中にいる錯覚を強めてくれる。「あのこは貴族」の直後に見たというタイミングもよかった。
ODDTAXIと映像研のアニメ2作は本当に面白かった。ODDTAXIは娯楽作品としてレベルが高いし、映像研はアニメーションとしてレベルが高い。
ミッドサマーをやっと見たが、どえらい映画ですね。これがこの規模で制作配給できたのがすごい。愛の不時着で韓国ドラマにみんながハマる理由がわかりました。面白い。この時代に「もう好きな人と二度と逢えないかもしれない」事をリアリティをもたせるにはこの設定しかないかも。
ハスラーズに描かれてるものは全て自分にないものだ。それが新鮮で面白かった。
ドントルックアップは、外部に敵があらわれても地球は一つにはならないしこうなるだろうな?というのを面白おかしく描いているコメディ。
They Shall Not Grow Oldは「今おれは貴重な映像を見ている」と思いながら見ていた。「1917」とセットで見ていた。
ランペイジを筆頭にゴリラ・ゴジラ・恐竜(ジュラシック・ワールド)映画を何も考えず見る事でバランスを取っていた時期があった。


<音楽>
Just Piano / FKJ
Lost Futures / Marisa Anderson William Tyler
Jana Rush / Painful Enlightenment
Out Of the Blue / “Blue” Gene Tyranny
McCartney II / Paul McCartney
Meditations / Jon Batiste & Cory Wong
Sam Amidon / Fatal Flower Garden
The Path of the Metal Turtle / David Kuckhermann
BLK2LIFE II A FUTURE PAST / Theo Croker

結局一番聴いたのはJust Pianoだった。
ポール・マッカートニーの良さがやっとわかったかもしれない。
エレキングで知ったOut Of the Blueはとても良い。



<ベストバイ>
ボニーク
電動昇降デスクFlexispot

在宅仕事はゼロにならなそうだしこれ以上腰痛を悪化させないためにかった電動昇降デスク。
買って正解。
ボニークで作る鶏むねのハムはうますぎる。

今年の色々2019

2019-12-31 03:08:39 | 今年のベスト



今年は色々ありました。
そんな中で見たもの聴いたものあれこれ。


<本>
ガンツウ
ショーン・タンの世界
武蔵野樹林
暗渠マニアック
百年の孤独
さよなら未来
急に具合が悪くなる
ガン光免疫療法の登場
死を生きた人びと
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ランサローテ島
記憶する体
eleking 25

ガンツウっていう瀬戸内海のクルーズ船の写真集を本屋で発見して、瀬戸内海のフェリー旅好きとして即購入。乗ってみたいとは思うが、値段が庶民には厳しいので、無理でしょう。練馬のちひろ美術館であったショーン・タン展が素晴らしく、図録を見返すのが楽しい。新シリーズ「内なる街から来た話」の作品が特に良い。生物学的ではなく、物理的にがん細胞を破壊するガン光免疫療法の国内保険適用にまで進むのはいつになるだろうか?開発に出資していると聞いて(そしてNBAを支援している事もあり)、今年は楽天で買物することが増えた。「病は、その人の単なる一側面で、病のみがアイデンティティとなるわけではない」事を肝に銘じて、その人のナラティブを重視して接していく事が大事だと、病関係の本や、伊藤亜沙「記憶する体」等(「見えない人は世界がどう見えているのか?」も面白かった)を読んで再認識した。武蔵野台地、近所の暗渠が気になり、そちら関係の本も読んだ。「ランサローテ島」は年末休みに入り読んだ。年末のバカンスを舞台にした小説で、宗教、鬱屈した中年男性、ベルギーDis等、ウェルベックが詰まっていた。


<音楽>
Billie Eilish / Bad Guy
折坂悠太 / 平成
Theon Cross / Fyah
Ellen Arkbro / Chords
Nkisi / 7 Directions
Ana Roxanne / ~~~
Ezra Collective / You Can’t Steal My Joy
Macaya McCraven / Where We Come From

ソンズオブケメットのチューバ奏者Theon Crossのソロアルバムは、チューバの低音の鳴りが良い。ビリーアイリッシュは、音の加工のセンスとタイミング(特にボーカル)が抜群。Ellen Arkbroはストックホルム出身のドローンアンビエント系の女性アーティスト。問答無用でこう言う音が好き。Nkisiはコンゴ出身の女性アーティスト。音数少なく、不穏な感じが好み。Ana RoxanneはLA在住東南アジア系の女性アーティストで、二曲目のslownessの音の質感が好み。折坂悠太「平成」の最初の2曲はヘヴィロテだった。ここに挙げてないけが、今年行けた唯一のライブ「ピアノエラ」で聴いたHana Rani Goldmundも結構聴いていた。


<映画>
アイリッシュマン
マスター・オブ・ゼロ 全シリーズ
グリーンブック
最も狙われた男
アリスのままで

見た数は少ないが、映画はアイリッシュマンを見たので十分だと思う。ドラマだけど、Netflixのマスター・オブ・ゼロは面白かった。グリーンブックは良作。最も狙われた男のシーモアホフマンの感情がこぼれ出しFワードを叫ぶラストシーンが好きだ。年のはじめに見たのだが、アリスのままでのジュリアン・ムーア、今でも印象に残っている。


<展覧会>
グッゲンハイム美術館常設展
メトロポリタン美術館常設展
フリック・コレクション常設展
ショーン・タンの世界展 ちひろ美術館東京
東寺展 東京国立博物館
コートールド美術館展

今年は全然行けなかったが、人生初のニューヨーク旅行に行けたので、そこで色々見た。グッゲンハイムの規模・建築、展示物(抽象前夜のカンディンスキー等)が頭一つ出てよかった。NYにあるフェルメールもほぼ全て見ることが出来た。去年の上野の森含めると結構な数を見た。国内は、ショーン・タン、東寺立体曼荼羅の東京上陸が印象的。



今年のいろいろ 2018

2018-12-31 22:08:02 | 今年のベスト



転機といえば転機。
だったような年。
今年のいいものいろいろ。


<本>
観察力を磨く名画読解
発酵の技法
腸と脳
ミツバチの世界
ミツバチの世界へ旅する
あなたの体は9割が細菌
合成生物学の衝撃
アルスエレクトロニカの衝撃
ならず者たちのギャラリー
谷口ジロー描くよろこび
ザ・マンガホニャララ
新復興論
Eleking Vol 23 2018ベストアルバム
仏像と日本人
バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。

読んでないものもかなりあるんだけど、メディアアートと呼ばれるものに全く面白みを見いだせず、それならバイオアートの方がよっぽど面白そうだということになり、そこからバイオやら何やらを経由してミツバチにたどり着いた。というよくわからない流れがあった。尊厳は大事だけど人権はそれほど重視しなくてもいいのでは?と、ミツバチの事を知るにつれ思うようになっている。アルスエレクトロニカには一度行ってみたい。今後、アーティスト等への病跡学の代わりに腸跡学が発達しないものか。谷口ジロー先生、今年も「ヴェネチア」の絵を堪能しました。



<アルバム>
Sons of Kemet 「Your Queen Is A Reptile」
Low 「Double Negative」
Neil Cowley Trio 「Spacebound Tapes」
Eli Keszler 「Stadium」
Robag Wruhme 「Wuzzelbud FFF」
Johnny Greenwood 「OST: Phantom Thread」
Queen 「OST: Bohemian Rhapsody」

今年はカマシ・ワシントンのライブを見て握手会まで参加しちゃったけど、現時点でシャバカハッチングスの方が好きです。前作も今作も好き。エレキングの年末号を読みながら今年のベストアルバムを聴くのがここ数年の年末恒例行事となりつつあるが、Lowというバンドのこのアルバムをつい一昨日知ってドハマリ。スロウコアなるジャンルの米バンドらしいが、これはジャニスだったらミニマル・ノイズ・サウンドアートの棚に置かれててほしい。もうジャニスはなくなってしまったけど…(会社が近いので閉店数日前に行って何枚か買った。ジャニスバッグをゲットできたのが嬉しい)Neil Cowley Trio Eli Keszler Ribyg Wrygneと四枚連続で聴いても食い合わせが良い。ファントムスレッドは映画自体はそれほどじゃなかったのだけど、このサントラは一年を通じて結構聴いていた。



<展覧会>
マルセルデュシャンと日本美術展 東京国立博物館
フェルメール展 上野の森美術館
Walkkit 石川初ゼミ展 裏参道ガーデン
至上の印象派展 ビュールレコレクション 国立新美術館
ボナール展 国立新美術館

混んでるので行くのを諦めていたフェルメール展に、何となく行ってみたら、そんなに混んでなく、意外なほどじっくりとフェルメールルームを堪能できた。真珠の首飾りの女が一番好きです。デュシャンはキュビズムの作品たちがとても良かった。ランドスケープの石川初のゼミがどんなことをやってるのか。頭の良さそうな人たちがたくさんいた。ビュールレコレクションはセザンヌの部屋にずっといた。ボナールよりドニの方がナビ派では好きなのだが、一点、「Woman in a Rose Rove」という作品がとても良かった。



<映画>
スリービルボード
ボヘミアンラプソディ
ワンダー君は太陽
ドリスヴァンノッテン 花とファブリックを愛する男

スリービルボードはもう最高です。ボヘミアン・ラプソディを見終わった後、何回Live Aidの映像をYoutubeでみただろう。入場シーンのものまねがマイブームだった。フレディのインドにルーツがあること(もっといえばザンジバル)ってことを全然知らなかったのだが、あのルックスもオペラ調の曲もそのパラメータを加えれば至極納得。ゲイ・アイコンというより典型的なインド成人男性、そしてボリウッド的な過剰さの血が入っていたのでは。彼はそれを嫌ったのかもしれないけど。ワンダー君は太陽はバランスが良い。もうこういういい話をここまでちゃんと作ってくれるなら誰も敵わないのでは?とか思ってしまう。ドリスヴァンノッテンは自分だけでは見に行ったか定かではない映画だがとれも面白かった。何かを生み出す事に没頭している人間はどんなジャンルでも面白い。自分もカッコいいと思えるファッションショーがあることも知った。経営面でインディペンデントを貫くかどうか葛藤するシーンが映画にもあったが、今年インディペンデントをやめたというニュースを知った。この後どうするのか動向が気になる。








今年のいろいろ

2017-12-30 22:44:09 | 今年のベスト



あっという間の一年。今年も色々やったような、いつもと変わらなかったような。
どちらにしても悪い一年ではなかった気がする。こうして色々観て聴いて読めたのだから。




光年の森・いざなうもの(谷口ジロー)
今年亡くなった谷口ジロー先生の遺作が年末に出た。全編カラー「光年の森」も闘病中に一人でも描けるような表現手法を最後まで模索し続けた跡がうかがえる「いざなうもの」もどちらも良かった。この二冊に合わせて恵比寿の日仏会館で開催された原画展と松本大洋トークショーも行った。
ヴェネツィア(谷口ジロー)
↑二冊とともに読み返した。セリフはほとんどなく、只々絵で魅せる。
洋々無限(清水恵美子)
岡倉天心晩年を軸とした岡倉兄弟の話。言語学者であの研究社の英語辞典の基礎を創った弟由三郎との絆や、スキャンダルで日本美術学校を追われた後天心は果たして本当にうまくいかない人生だったのか?という疑問を基に晩年を追っている。今年は根津の日本美術院後の岡倉公園や五浦の六角堂にも行った。
Industrial Music
中央ヨーロッパ現在進行系ミュージックディスクガイド
Bounce Intoxicate

今年一番読んでた紙の読みものは確実にタワレコのフリペ2冊だな。これを持って喫茶店でコーヒー飲みながらグーグルミュージックで検索するのが至福の時間だった。毎月25日が待ち遠しかった。それに伴って今までほぼ興味のなかったディスクガイド本を色々と。今気になってるディスクガイド本は洋泉社の「サントランド」。
ジャジューカの夜、スーフィの朝(サラーム海上)
サラーム海上のインド・パキスタン・レバノン・イスラエル・モロッコ等中東音楽取材旅行記。ジャズ好きの友人からイスラエルがアツいと聞いてていろいろな音源を聴きだしてからサラーム海上のラジオorientalmusicshowを聴き出した。
観なかった映画(長嶋有)
映画を監督・俳優の固有名を出さずに映画の内容のみで評するという長島有らしい試みの映画本。ネットの俳句ホニャララも面白い。
ブラインドデート(志賀理江子)
バンコクのカップル達を撮った志賀理江子の最新写真集。ある作品制作でバンコクに行った際、バイクニケツカップルが異様に多いことが印象的で「こんなにいるんなら、運転する彼氏を目隠ししてバイクで心中したカップルが一組くらいいるんじゃないか?」という疑問から撮りはじめたという。今年は丸亀でやった同名の個展と飴屋法水とのトークショーにも行った。


映画</font>

SING
今年一番予想外の面白さ。声優としてのウッチャンがこんなに良いとは。主人公が始めたカーウォッシュ屋を金持ちボンボンの友人が手伝いに来るシーンがグッとくる。パヴァロッティの誰も寝てはならぬをグーグルで何度も聴いてしまった。
パラダイス3部作
オーストリアの姉妹と娘3人を主人公とした愛・神・希望の三部作。全然希望は無いのだけど、希望が一番笑った。集団で一列に並んで歩くのがこんなにおかしいのか。
キラー・スナイパー
マコノヒー最高映画。みんなクズで最高。ピュアという狂気。
アナベル
シドニー旅行中、内容も知らず見たら死ぬほど怖くて泣きそうになった。途中目を閉じてしまった。向こうの人はキャッキャ言いながら楽しんでいた。
ITそれが見えたら終わり
↑のアナベル上映前にやってた予告ですでにビビっていた。映画館でホラーを見るブームが来た。
マンチェスターバイザシー
正統派にいい映画。イギリスのマンチェスターではない。
マーゴット・ウェディング
全編に漂うヘンテコな空気感が良い。ニコール・キッドマンが良い。


展覧会

ミュシャ展(国立新美術館)
一番見ごたえがあったのは、やっぱりこれか。スラブ叙事詩を直に堪能できる日が来るとは。二回行って、二回目なのにあの部屋に5時間くらいいてヘロヘロになった。
石川直樹展(市原湖畔美術館)
はじめて市原湖畔美術館に行った。内容もまあ良かったが、美術館の雰囲気や行くまでの小湊鉄道が良い。
志賀理江子展(丸亀弦一郎現代美術館)
初丸亀。こんなに駅前にドーンとあるとは知らなかった。個展もトークショーも良かった。ついでに行った直島を自転車でまわったのもいい思い出だ。
江の浦測候所
快慶展運慶展(ナラハク・トーハク) 今年は奈良と上野で春秋に開催された二人の展覧会は外せない。展覧会としては快慶展の方が個人的にはよかった。


音楽

ちょっと多すぎて絞れないがカマシワシントン、FKJ、JLINのニューアルバム3枚は確実にベスト5に入る。




今年のベスト2016

2016-12-31 21:56:33 | 今年のベスト
自宅にいないので記憶だけを頼りに今年のもろもろベストを思い出してみる。


公園遊具(木藤富士夫)
公園にある遊具を劇的なライティングで撮影した写真集。この写真家は他の写真も良い。
ゲレクシス(古谷実)
今年のマンガといえばこれ以外ない。わけわからないけど面白い。立ち読みで声が出るほど笑ったのは久しぶり(最新話では若干不穏な空気が漂い始めてきたけど)。これは古谷作品が映画化されまくっている事に対する作者からの挑戦状なんじゃなかろうか。映画化できるもんならしてみろ、と。この「マンガがすごい」で全然ランクインしてなかったが、ひとりラーメンズ片桐仁がベストに挙げていて親しみを持った(片桐仁は「忘却のサチコ」も挙げていた!)
ゲンロン4
ハンスベルティングがなんか書いてるというので買ってみたら2000年代以降の評論史をマッピングする座談会が面白かった。東浩紀はなんだかんだ言って本づくりに対して誠実なところが尊敬できる。この年表とかけっこう労力かかるだろうに。

他の本が全然思い出せない…


映画
キャロル
大した数を見てないけど今年は何を見てもこれは超えなかったと思う。ケイト・ブランシェットがキレイ。ルーニー・マーラーがカワイイ。絡みが官能的。50年代を再現した映像世界がキレイ。それだけでサイコー。これから何回も見る気がする。
この世界の片隅に
まあ、これは挙げない訳にはいかないですね。もうマンガを読み返しても能年玲奈の声でしか再現できない。それくらいハマり役だった。
ロブスター
変な映画だったけど、愛しか描かれてなかった気がしてくる。不思議な映画。
ネブラスカ
見返したらやっぱり良い映画。アレクサンダー・ペインは新作を撮ってるんだろうか?


展覧会
ドニの素描展(国立西洋美術館)
クラーナハ展に行ったついでに見たのだが、ドニの描くふくよかな裸婦の描線の方が自分には官能的に思えた。そもそも西美の常設展にあるナビ派の作品が好き。普段はOKなのにちょうど撮影不可の日に行ってしまったのが悔しい。来年は「オルセーのナビ派」という展覧会があるらしいので楽しみ。
ボッティチェリ展(東京都美術館)
やっぱりボッティチェリの描く足(指)を堪能したこれが印象深い。「アペレスの誹謗」は良い。
信貴山縁起絵巻展(奈良国立博物館)
信貴山縁起絵巻が全編公開されるっつうんで奈良まで行った。すごい良かったしリニューアルした仏像館もよかった。来年は快慶展に行かねば。
法隆寺の百済観音
展覧会じゃないけど法隆寺の百済観音を見た。たぶん一番好きな仏像。あの手と指のラインの綺麗さはなんなんだ!長時間見とれていた。

他にも上野の森美のデトロイト美術館展もBunkamuraの国芳・国貞展も良かった。


音楽
今年はグーグルミュージックにハマり、ポータブルオーディオの世界にハマったため音楽を聴く時間が異様に増えた。ジャンル、リリース年関係なく、今まで聴いてこなかった有名(無名)なやつを聴きまくっていた。
ROMARE / Meditations On Afrocentrism
The Bluesがサイコーすぎ!!あの世でやってる盆踊りみたいな曲。
Oren Ambarchi / Hubris
Pt3がサイコー!ドラムとノイズの混ざり加減が度ストライクです。
Decomposer / Two Compositions for Managing Anxiety
I'm Glitchy Enoughがサイコー!これをいいイヤホンで聴くとヤバイです。
Ohio Players / Honey
Let's Do Itがサイコーすぎ!!スイートすぎるハーモニー。坂本さんがラジオで勧めてた。
The Chemical Brothers / Born In The Echoes
Sometimes I feel so Desertedがサイコー!ライブでアガりまくりました。
Jacob collier / In My Room
In the real Early Morningがサイコー!とにかく優しい時間が流れる。
冨田ラボ / Joyus
Don's throw it awayがサイコー!こんなジャズっぽい曲もやるんすね。
Michael Kiwanuka / Love & Hate
Black Man in a white worldがサイコー!米大統領選の時にやたら聴いていた。










今年のベスト 2015

2015-12-31 16:06:37 | 今年のベスト



今年も掃除がてら印象に残った本を。

写真集棟方志功
もう、最高。まず表紙が最高。今年買った写真集のトップかも。棟方先生の写真が満載でお腹いっぱい。こんなんとかこんなんとか。
赤瀬川原平漫画大全
千葉市美術館の赤瀬川展に展示されてた漫画が家でも読めるようになった!「お座敷」サイコー。
忘却のサチコ
おそらくいずれドラマ化されるでしょう。その時サチコは誰か?を考えるだけで楽しい(今のところ青山ひかる)。けっこう人にも布教した。
四角形の歴史
今年一番はこれ。軽いゆるい絵本かと舐めていたが、いやいやどうしてどうして。「見る(目玉を通ったものを頭がつかむ)とは何か?」を犬から太古の人間の雨の日のひとときまで思いを馳せ、風景の誕生を、それ以前の四角形(フレーム)の誕生を短い言葉で淡々と書いている。「もしそうだとしたら、四角形は二列目からはじまった。」のくだりはしばらく読み進められないくらい衝撃を受けた。赤瀬川は短い文章ほど鋭さが増すと思う。赤瀬川本の中でベストかも。
オブジェを持った無産者
まだこれを読んでないから赤瀬川ベストは変わるかもしれないけど。
二週間の休暇
これは読んでなかった。あのタイミングで出会ったので迷わず購入。面白い。寝る前に読むと良い。R.I.P.
服従
今年読んだ数少ない小説。人とこの小説について話したりして夏の終わりの思い出の本。
野島康三写真集
吉祥寺百年の店員さんに「あれ欲しいんスよね―」って話したら奥から出してきてくれた。ブロムオイル写真て良い。写真に取り逃がしたけど「戦争のグラフィズム」
っていう第二次大戦中のグラフ誌「FRONT」に関わった人々を追った本が面白く、そこから野島ブームにつながった。
花と俺
「植物図鑑」はそうでもなかったけど、これを本屋で見つけた時はほぼ一目惚れだった。良い!!いつか生展示を見たい。
RON MUECK
激安で売ってたので迷わず購入。生を見に青森県立美術館に行こうかな。↓の数日後にこれを買ったのだが、PAULA REGOがRON MUECKの義母だってことを本書で初めて知る。妙な縁。
PAULA REGO
洋書なのでまだ全部読めてないが、画集として全然楽しめる。生作品を見たい。
SATTELITE
最近買った写真集。さすが奇界遺産の佐藤健寿監修。宇宙規模のDOUG RICKARDというか、見ていて飽きない。ミール鉱山(ていうかダイアモンド鉱山)すげーな。
日本写真集史
金子隆一編纂のこれが欲しくてずっと前から神保町小宮山書店に足繁く通ってお店にお願いもしてたけど、近所に普通にあった。




今年の見たものいろいろ

2014-12-31 12:17:53 | 今年のベスト


年末の整理がてら今年の良い本たちを並べてみた。抜けてるものもあるけど、もっと絞れとも思う。再読もあるし今年じゃなくて昨年末に読んだものも混じっていた。ついでに映画も思い出してみた。


【本】
「LESS THAN ONE」 写真にハマるキッカケになったグロンスキーの写真集
「忘れえぬロシア」 今年じゃなくて去年でした
「ルネサンス 経験の条件」 この頭じゃ咀嚼しきれないがとにかくタマげた
「ごっちゃんです!!」 いつ読んだって面白い このくらいのギャグマンガが大好き
「芸術原論」 ちくま文庫を中心に大体読んだが一番良かった赤瀬川本は「千利休 無言の前衛」
「池田澄子句集」 枕元に置いて寝る前に捲っていた
「戦後写真史ノート」 今年一番最後というか今朝読んだ本 戦後写真史の基礎の基礎をと思って
「食の軍師」 この動画を見るとより一層面白い
「MASTERキートンReマスター」  いま復活して読めたのは良かったし面白かった
「アートの起源」 他の著作とDVDも大体見ました
「B砂漠の40日間」 美術に目覚めてからより一層魅力を増した本 アルザックより断然こっち
「Drスランプ完全版」 鳥山明ってやっぱり凄い 布施英利のDrスランプ論なんてのも読んだり
「日本美術の歴史」 美術の基礎の基礎をと思って 奇想シリーズも再読した
「事典日本の仏教」 実はちょろっとしか読んでいない でも明らかに今年買った掘り出し物No1
「野口哲哉ノ作品集」 捲っては展覧会を思い出す 
「室生寺のみ仏たち」 現地で買ったわけじゃないが仙台の展覧会を思い出す あぁ十二神将… 
「柴田是真」 豊田市美術館での図録 是真本の中で一番好き 飯田橋アルテリアを初利用した
「明治工芸の粋」 並河靖之を何度も見返す
「ドミトリーともきんす」 生高野文子に二度も会えた1年 マンガと図解の違いの話は面白い
「桂離宮」 今年出た新装版を買った 写真てプリントを愛でるって事でもあると思った一冊
「佛心」 松本明慶の仏像と長谷川智彩の截金をじっくりと
「金氏徹平図録」 金氏徹平をシュウゴアーツで初めて見たその日に神保町に行って買い求めた
「IMA」 写真の面白さを知るキッカケになった雑誌 定期購読を申し込んでしまった
「リトルニモ」 本当はスピーゲルマン寄稿の完全版が欲しかったけどこっちでも充分楽しめた



【映画】
「8月の家族たち」
断トツで今年一番面白く唯一2度見た映画。良い役者が良い演技をすると、良い(馬鹿丸出しの言い方)。なんといってもメリルストリープ。年を重ねたジュリアロバーツも良い。男優陣も。そしてジュリエット・ルイス!姉妹、夫婦、親子、プライド、血縁という普遍的なテーマを名優がちゃんと演じると目新しくなくても面白いのだと思い知らされる。
「ジュリー&ジュリア」
↑でメリル・ストリープブームが来て見たらこれも良かった。料理にまつわる実話を基にした話。美味しそうに食べ、楽しそうに料理する人は虚構だろうがじっと見てられる。メリルストリープの演技が実在する主人公にそっくり。
「ブルージャスミン」
あの終わり方!でも、姉も姉だけど妹も妹だよな
「ローラーガールズ・ダイアリー」
今年も。何度見ても良い。丁度良い。観ると良い気分になる。そしてジュリエット・ルイス!
「ネブラスカ」
「サイドウェイ」「ファミリーツリー」「マイライフマイファミリー」かこれか、アレクサンダーペイン関連でどれがいいかは日によって変わってしまう(どれも良い)。車の座る位置が家族の移り変わりを示している。ある事件によって配置が変わり、それが家族の時間を一瞬だけ昔に巻き戻す瞬間があって、そこが好き。あの母親がとても良い(アバウトシュミットにも出てた?)。