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ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

ベランダで三が日

2021-01-04 00:06:14 | 




去年は本も映画も音楽も、いつにも増して触れる機会が減ってしまった。
そういうことに使っていた時間を削ってでも
他人との時間を増やすことを選んだからではあるが、
在宅勤務などもあったにもかかわらず(在宅勤務は拘束時間が逆に増えたのだが)、
こんなに減っていてるのは不本意だ。

三が日は家のベランダにレジャーシートを敷いて、
水筒に入れたコーヒーと湯たんぽとともに過ごした。
相変わらずの東京の年末年始の青空は気持ちがいい。
青い空のもとだからか、これからへのささやかな希望のようなものを感じたいからなのか、
↓のような、季節は違えど日差しや風を感じる短歌が染みた。
桜前線開架宣言所収


あをき血を透かせる雨後の葉のごとく鮮(あたら)しく見る半袖のきみ 横山未来子
ゆたかなる弾力もちて一塊の青葉は風を圧しかへしたり 横山未来子
胸もとに水の反照うけて立つきみの四囲より啓(ひら)かるる夏 横山未来子
広大な芝生に人ら憩いつつ太陽系なす春の核家族 小島なお
変わりゆく今を愛せばブラウスの袖から袖へ抜けるなつかぜ 小島なお



それでも(個人的には)今年のほうが辛いことが待っている気がする。
気のせいであってほしい。



最近買った本

2018-04-19 23:50:08 | 




最近買った本。
というか一番上の「My Room 天井から覗く世界のリアル」がすごく良いから
記録しておきたかっただけ。

フランス人写真家が6年かけて撮影した、
世界中のあらゆる人種、あらゆる階層、あらゆる職業、あらゆるジェンダーの人たちの部屋の、天井から見た写真集。
ジャングルの中にある掘っ立て小屋も、アメリカの銃コレクターの部屋も、イスラムの男子高校生や日本のロリータマニアの部屋も、
天井から見れば四方を壁に囲まれた同じ空間。同じであり、同じである四角い空間がゆえに差異があり。
そしてこの部屋の主たちは、みな上を向いて笑っている。


序文より

私は、世界で最も便利なパスポートを持つ、豊かな国の若い白人だ。
人はしばしば、私がこの旅で学んだことを尋ねる。
簡単に言えば、私は「世界が不公平な場所であること」を知った。

幸運は私たちすべてに平等に笑顔なわけではなく、いくつかは宮殿の中で成長し、いくつかは爆弾の影の中に隠れていた。私は世界で最も恵まれていない人々にも、もっとも特権のある人々にも会う機会を得た。

彼らは見知らぬ私を信頼し、彼らの個人的な空間を明らかにし、時には自分の人生について私に話すために危険を冒した。

言語のちがい、偏見、異なる文化、それこそこのプロジェクトの本質であり、「他者を見ること」は「あなたを振り返ること」を意味するだろう。



こういう本は部屋において、何度も見返すのが良い。
ちなみに作者John ThackwrayのMy Projectサイトはこちら。

ミツバチ研究の第一線で活躍するトマスシーリー博士の本ももちろん面白い。



絶対面白いはずだけど読んでない本たち

2017-09-25 01:04:17 | 
なんか全部HONZで紹介されてそうだけど(調べてはいない)、昔のものも入ってるけど、時間を見つけて読みたい本たち。食物史や食物関連の本をまとめて読みたい。


知られざる地下微生物の世界 ―極限環境に生命の起源と地球外生命を探る
土と内臓 (微生物がつくる世界)
戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係
カリスマフード: 肉・乳・米と日本人
MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー
亡命ロシア料理


     

高松駅前のリバー書房

2017-09-12 23:09:03 | 



志賀理江子を見に丸亀に行った前日、高松駅前に宿をとり、街をふらついてみたのだが、そこでリバー書房という古書店を見つけた。割りときれいめなビルの一階にあり(おそらく駅前再開発かなんかで元々いた場所にビルが建ってそこにテナントとしてはいったのではないか)、個人経営の古書店にしては(都内と比較すれば)かなり広めの店なのだが、床に本が散乱している、なかなかな店だった。オッサンが一人でやっている古書店として珍しいものではないが、地方のこういうちゃんとした建物にこういう店が入っていると少しわくわくする。


品揃えはまぁまぁという印象だったので特に何も買わずに出ようかと思ったら、都内で神保町で探しても見当たらなかった岩波文庫の「井上句集」が売っていたので、買った。いい旅の記念になった。








愛国とノーサイド

2017-04-08 00:54:49 | 



「観なかった映画」に加えて愛国とノーサイドも買った。
あの頭山満の頭山家とユーミン、正隆の松任谷家のつながりを軸に紡がれた昭和史。
「昭和の主音(キーノート)とは何だったのか?」って帯文にも惹かれた。


これ、出た当初から気になっていてぜったい話題になってると思ったらアマゾンレビューが一つもない。質はともあれレビュー数と注目度はある程度比例すると思うのだが、これは話題になってないのだろうか?それともつまらないのか?(まだ読んでいない)


他にも色々と。映画「リリーのすべて」のモデルとなったリリーエルベの妻、ゲアダヴィーイナの画家としての功績を荒俣宏が書いた「女流画家ゲアダヴィーイナと「謎のモデル」」は面白い。美術家の兄覚三(天心)と英語学者の弟由三郎の岡倉兄弟の人生を描いた「洋々無限」。それぞれの研究者はいるが、双方を比較する研究はあまりないらしい。一度五浦に行ってみたい。「脳内異界美術誌」は荒俣宏美術対談集。「香薬師の右手」は消えた薬師の右手の行方を追ったルポ。




枕頭の書、というか寝る前に読むのに丁度いい

2017-04-06 00:05:42 | 



タヒバブルに並んで置いてあった長嶋有(祝結婚&妻妊娠)の
新刊映画評本を買うためにそもそも本屋に行ったのだ。


丁度いい。書いてある映画が見たくなる。
けど今すぐ借りに行って(orネットで)みようという程ではない。
というところが丁度いい。


赤瀬川原平のぱくぱく辞典も似たような本だ(こちらは食べ物を扱ってるが)。
この2冊を一項目ずつ読んで寝るという至福。


 


タヒバブル

2017-04-04 01:05:06 | 
久々に本屋に(といっても3日ぶりにだが)行ったら(3日ぶりなだけなのに)最新刊コーナーの景色がガラッと変わっていて、その棚には最果タヒの本が何冊も並んでいた。ブレイクしたのが数年前?で、今、何が更なるブレイクの原因になってるのだろうか。


あと十年早く出会ってればもっと好きになれた気がする、いや、やっぱり同じ気がする。と思う作家が二人いて、その一人が最果タヒで、もう一人は真造圭伍だ。


そういえば御中虫は今どうしているのだろう? 




わかりすぎてイヤになる「よくわかる人工知能」

2016-10-26 00:59:55 | 



風邪気味の変なテンションで読んだってことを差し引いてもこの本に書いてあることはヤバイ。
ほぼ対談形式の本なのでわかりやすいからなおのことヤバさが伝わる、特に私のような素人には。


人工知能に関しては一年前くらいのWIREDの特集本を呼んだ程度のうっすーい知識しかないが、わずか一年でもうなんかとんでもないことになっていてシンギュラリティが2045年(byカーツワイル)とか言ってたことすらもう古いんだって。あと十年くらいでもう到達しちゃうと。「人工知能にはホルモンの要素が欠けている」なんて考えたことすらないし(この満倉靖恵の章はめちゃくちゃ面白い)、人間の意識なんて単なる電気的信号で、脳の腹側被蓋野を刺激すれば絶対に目の前の人間を好きになってしまうらしいし(人工知能とは関係ないが)、BMI(Brain Machine Interface)が発達すればテレパシー(的なこと)も可能だし、不老も絶対可能になるらしい。それもこれも人類を遥かに超えた知能を持つ人工知能が不眠不休でこの世界のあらゆることを認識・分析・統合することになるから実現できるらしい(最終章のPezy Computing斎藤元章の言葉に打ちのめされてこの本を終えることになる(なった)。


人間が行ってる今の仕事の大半がなくなるとかそういうレベルの話ではなく、人間が想像もできなかったこの世界の法則や可能性が機械によって炙り出されていく世界が本当にもう近くまでやってきている(らしい)。


今頑張ってることが無意味になる可能性大だけど、それでもやっていくしかない。だけど人工知能の動向は素人こそ追っていかないとあとで途方に暮れることになるな。。


まえから思っていたことだが、今って石器のような表現をすると旧コンピュータ社会だよね。野蛮で愚鈍で無知なネット原始人。
あと「人工知能と女性」ってのが何年先かに流行しそうだね。
これからさきは全く想像がつかない。





東京タラレバ娘とゲレクシス

2016-06-27 03:11:30 | 
上京してきた大学時代の友達につきあい久しぶりに漫画喫茶で夜を明かしたのだが、そこで読んだ「東京タラレバ娘」が面白かった。この漫画に出てくる「戦闘力2」の、主人公達にとって背景に過ぎない男達を描いてるのが古谷実であり、福本伸行だ。そして古谷実が最近始めた連載「ゲレクシス」は開始数話の現時点でもう名作決定だと思う。タラレバとゲレクシスを併読していくと面白いと思う。