
去年は本も映画も音楽も、いつにも増して触れる機会が減ってしまった。
そういうことに使っていた時間を削ってでも
他人との時間を増やすことを選んだからではあるが、
在宅勤務などもあったにもかかわらず(在宅勤務は拘束時間が逆に増えたのだが)、
こんなに減っていてるのは不本意だ。
三が日は家のベランダにレジャーシートを敷いて、
水筒に入れたコーヒーと湯たんぽとともに過ごした。
相変わらずの東京の年末年始の青空は気持ちがいい。
青い空のもとだからか、これからへのささやかな希望のようなものを感じたいからなのか、
↓のような、季節は違えど日差しや風を感じる短歌が染みた。
(桜前線開架宣言所収)
あをき血を透かせる雨後の葉のごとく鮮(あたら)しく見る半袖のきみ 横山未来子
ゆたかなる弾力もちて一塊の青葉は風を圧しかへしたり 横山未来子
胸もとに水の反照うけて立つきみの四囲より啓(ひら)かるる夏 横山未来子
広大な芝生に人ら憩いつつ太陽系なす春の核家族 小島なお
変わりゆく今を愛せばブラウスの袖から袖へ抜けるなつかぜ 小島なお
それでも(個人的には)今年のほうが辛いことが待っている気がする。
気のせいであってほしい。