宮崎駿監督が長編監督を引退するというニュースが出た。
今まで何度も引退発言はあったが、
年齢的な事、風立ちぬを創ったというタイミング、
そして公式会見をするとなると今度は割と本気だろう。
才人の引退→撤回カムバック→再引退→再カムバック
というパターンはそんなに驚くことでもないので今後カムバックが無いとも言えない。
(脚本として関わっていたが口を出しすぎてオレがやる的な展開など容易に想像できる。)
しかし、個人的にこの引退宣言は楽しみだ。
「長編」作品の監督を引退すると言っているだけで創作活動から遠ざかるわけではない。
(いや、まだ本人は何も発言していないけれど)
きっと面白い短編を何作か創ってくれるに違いない。
(ポニョ・風立ちぬという近作を見ていれば、ストーリーを膨らませるには時間的な限界があるた
めアニメーションに力を注げる短編の方が今の宮崎監督であれば面白くなるに決まっている。)
そして「漫画家」宮崎駿の活動が活発になる事を期待せざるをえない。
宮崎駿が新しい漫画を書き残すという事は今後のジブリや他のアニメ監督にとっても
いい事だと思うし、何より自分が読みたい。これも短編を何作も残して欲しい。
何より一番楽しみなのは宮崎駿による高畑勲論である。
「引退したら、パクさんについての本を書こうか。誰にも負けない自信がある」
というような事を何かのインタビューで言っていたのだが、
これ、実は水面下でもう動いている話だったりするんじゃないだろうか??
いや、とにかくこれは読みたいしこれだけは実現させてほしい。
大きめの肉筆画を発表したりするかもしれない。
などなど、長編アニメという共同作業から解放され、
個人作家としての時間が増えることはとても楽しみなので
ここで対外的にケジメをつける事は良いことなんじゃないだろうか。
風立ちぬの幻のエンディングについて鈴木敏夫が明かしているが、
個人的には幻版の方が惹かれる。
(そうするとキャッチコピーは「生きねば。」じゃなくて「きて。」だろうか。)
鈴木敏夫と違ってポニョの方が好きだけど。
(「アニメは子供の為にあるべき」と言ってるにも係わらず宮崎監督の本性が漏れ出て
しまっている所が好きだ。)