
(記事の要点)
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目標とする未来の車
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電気自動車の次に来るもの
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現実の事故と倫理的課題
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目指すべき未来の車
車の未来を語るとき
交通事故による死者数は減少傾向にある。しかし、重度の後遺症障害を負う被害者は依然として多く、悲惨な現実は変わらない。医療技術の進歩で命は助かるようになったが、その後の人生に深刻な影響を及ぼす事故は後を絶たない。
筆者は、車の未来に対して明確な目標を掲げている。 それは「ぶつからない車」、そして「走れば走るほど環境を浄化する車」の実現である。
電気自動車の次に来るもの
内燃エンジンから電気自動車(EV)への移行は、すでに現実となった。筆者は10年以上前からEVの台頭を予測していたが、その予想は的中した。
しかし、EVの時代はそれほど長く続かないだろう。次に来るのは「空を飛ぶ車」だ。 地上での完全自動運転は、インフラ整備や安全面の課題が多く、実現には時間がかかる。だが、空ならどうか。道路も信号も不要。空中に交通管制基地を設ければ、緊急時には人間が介入できる。
空飛ぶ車は、社会の共有財産(社有車)となり、個人所有は時代遅れになる。車を製造する企業も、モノではなくサービスを提供する存在へと変化していくだろう。
現実の事故と倫理的課題
現実には、交通事故による重度障害者が毎年生まれている。 ながらスマホによる歩行者事故、飲酒運転による悲劇――八街市の事故では、植物状態となった子供もいる。
こうした現実を前にして、筆者は改めて「ぶつからない車」の必要性を強く感じている。 空を飛ぶ車が実用化されれば、事故の構造そのものが変わる可能性がある。 ただし、騒音対策や交通法、保険制度など、課題は山積している。
目指すべき未来の車
筆者が目指す車の未来は明確だ。
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ぶつからないこと
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走ることで環境を浄化すること(CO₂を吸収・除去)
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社会全体で共有されること
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空を飛ぶことで、地上の制約を超えること
この理想は、単なる技術革新ではない。人間の安全、倫理、そして地球環境への責任を含んだ、未来社会のビジョンである。
車は単なる移動手段ではなく、社会の在り方そのものを映す鏡になる。 その鏡に、私たちは何を映すのか――それが今、問われている。
(資料)
交通事故死者数は過去最少を記録だが、重度後遺症障害者数は横ばい
交通事故が原因で死亡しないだけで、重度の後遺症障害に苦しむ被害者が多い現実を知ってもらいたい。毎年交通事故による後遺症障害者は発生し、介護料受給資格者数は増えている。