1.初めに
名鉄の駅にいったら 「歩いて巡拝(まいる)知多四国」というチラシが置いてあった。四国遍路八十八ヶ所 巡拝を知多半島にコンパクトにまとめたものである。夫婦2人とも巡拝に少し興味を持っていたので、名鉄の選定している18コースのうち一つを、散歩と観光がてら歩いて様子を見てみようということにした。
名鉄チラシは下記参照。
https://www.meitetsu.co.jp/hiking/pilgrimage/index.html
コースは地域ごとに1回約10kmまでの18コースあるが、配偶者のできるだけ短時間に済ませたいということで、最も近くで距離の短い第17コースを選んだ。本当は私としては、観光もかねて新舞子くらいがよかったのだが。
このコースは東海市の中を歩く下記のコースで、よく通り過ぎるし友人もいるけれども降りたことはないという地域だった。距離は約8.5kmとのこと。
太田川駅 ⇒ [第82番札所]観福寺 ⇒ [第83番札所]弥勒寺 ⇒ [第84番札所]玄猷寺 ⇒ [第85番札所]清水寺 ⇒ [第86番札所]観音寺 ⇒ 聚楽園駅
前述のように、観光がてらのつもりで 遍路に関してなにも予備知識を持っていなかった。途中および後で調べてみて、礼儀知らずで申し訳なかったと思っている。
もし初めて遍路を実施してみようという方は、下記のURL参照のこと。
http://chita88.jp/%e9%81%8d%e8%b7%af%e3%81%ae%e5%bf%83%e5%be%97/
2.[第82番札所]観福寺
名鉄の太田川駅で初めて降りた。なかなか綺麗な駅で、私の向かう側では噴水で子供たちが遊んでいた。晴れた暑い日だった。
<太田川駅を降りたところにある噴水>
そこからとことこと、チラシの案内どおりに交通量の多くてあっけらかんとした道を暫く歩いて行ったら、知多四国霊場の旗を立てたお寺さんが見つかった。そこが1番目の目的地だった。
<知多四国霊場の旗、ほかの寺でも立っている>
古い仁王の門を潜ると、両側に立派な生垣の道が本堂へと続いていた。その間を通るとき風が爽やかだった。本堂は私の田舎よりも古く、とても懐かしい感じがした。
<本堂への道>
その先にはちゃんと遍路服を着た私達より年上の夫婦連れがいた。男は脚が悪いようで、女性に支えられ歩き、そして御札を収め一生懸命に長い読経を行った。
一気に敷居が上がったと思った。
私たちはその老夫婦のやっていることを観察し、御札収めや読経はできないけれども、できるだけ格好は真似をした。彼らが御朱印を頂いたので、私たちも納経帳(納経したということで朱印を頂ける閉じ本)をそこで購入し、押印いただいた。とても丁寧で気持ちよかった。
二人は駐車場へ去り、多分子供の運転で次へ向かうようだった。
このお寺には「つぶらしい」という非常に立派な古木があり、それを見るだけでも価値があった。
<つぶらしいの樹 ここでほっと一休み>
私たちがその寺を去るとき、すれ違いにスポーツタイプの自転車に乗った若い人が到着した。自転車競技の服だった。彼はその後私たちを追い越して次のお寺の方向へいったので、遍路をしているのだと思った。
なお、その後の各お寺の間で歩いた時間は20~30分。
3.[第83番札所]弥勒寺
20分強、やはり自動車の良く通る道を歩き、すこし外れると次のお寺についた。やはり旗が案内してくれた。
この寺の門には非常に立派な仁王様がいらっしゃり、囲んだガラスに映った新緑を楽しんでいるようだった。その後ろには一世代前の仁王様が安置されていた。
<仁王様>
ここにも立派な古木があり、門から境内への緑の道は素敵だった。多宝塔をお参りした後に、弥勒菩薩と弘法大師様をお参りした。
<門から境内への道>
<境内の大師堂への道>
ここにもやはり二人連れの遍路さんがいた。男のほうが白い上着を着ていた。様子を伺うと、御札をおさめ簡単にお参りし、2人でニコニコ話しながら、朱印は頂かずに寺を出て行った。ちょっと敷居が下がった感じでほっとした。
この2人も車移動をしているようだった。その後は遍路さんには会わなかった。
<ここで出会った大木>
4.[第84番札所]玄猷寺
市役所の近くという立派な通りを歩いて、次のお寺に向かった。途中立派な公園と太田川があった。歩きながら名鉄のチラシにある道は自動車道路で、本当に歩くだけなら車のあまり通らない道がありそうだと思った。
<途中の公園>
ついた場所は街の開けた所で、お寺自体新しく、立派な門に綺麗な仁王さまがいらっしゃった。
曹洞宗のお寺ということで、空海の真言宗ではないとちょっと驚いた。
後で調べると、88箇所のお寺を選ぼうとした時に真言宗のお寺は30数か所しかなく、残りを他の宗派のお寺にお願いしたとのこと。
<玄猷寺の門>
<仁王様>
5.[第85番札所]清水寺
チラシの案内の道ではなく、スマホであまり車が通りそうにない道を選び、いい感じで街の散歩ができた。
このお寺は細い道に面していて、大げさな門もなく周辺の住居に埋もれそうな本当に街中の親しみやすいお寺。道に面して園芸品が並べられ、観音様がいらっしゃる。
特に気に入ったのは、案内板として建てられていた小坊主の看板。
<前庭の観音様>
<植栽に囲まれた地蔵様?>
<案内役の可愛い小坊主>
6.[第86番札所]観音寺
このお寺はその日の巡拝の最後になるにふさわしい、樹木が美しい境内が広いお寺。名が潮音閣なので、そこは高台だから海を望むことが出来たのだろうと思った。
外の寺院は、ベルをならせば朱印を押す担当の人がでてこられたが、ここは勝手に押印できる状態になっていた。気楽だったが、気のよさそうな見知らぬ人と言葉をかわすのも面白いので、がっかりもした。
<境内への道>
<大師堂>
<であった立派な樹>
8.おわりに
高台から降りれば聚楽園駅。
山から顔を出す大仏に久しぶりにお会いした。
<聚楽園の大仏>
今回の観光がてらの遍路予備練習で感じたことは以下である。
(1)遍路は気軽に行きましょうというものではない。
・遍路の意味と所作を理解していなければ、ちゃんとお参りしている遍路さん、またお寺さんに失礼になるのではないか。
知多四国の場合には、せめて下記URLを、見ておくこと。
http://chita88.jp/%e9%81%8d%e8%b7%af%e3%81%ae%e5%bf%83%e5%be%97/
・ただしちゃんとしようとすれば、少しはお経を読むとか、御札を準備するとかかなり覚悟がいる。
・名鉄は安易なチラシを作るべきではない。もっと注意書きを書くべきである。
例えばなんちゃって遍路でも、できるだけ白系統の服がよいとか、南無大師遍照金剛とひとこと唱えるとか・・・
(2)遍路移動の実施方法
今回は歩いて3時間強かかった。70歳台前半の体力と気候(今回は気候は好条件)の組み合わせを考えると、もし遍路したいと精神的に思いつめた?時は徒歩は厳しい状況になりつつある。
今回 観光という点から見れば下記の成果が得られた。
(1)東海市という街の雰囲気と、その中で遍路に関わる人の丁寧な対応がわかった。
(2)この町でも、素敵な樹木を見たければ古くからのお寺さんにいけば良いということがわかった。今回観福寺、弥勒寺、観音寺で素敵な樹木にお逢いできた。
(3)お寺自体は、通常の観光対象ではない。街へのなじみ、普通の人々の信仰の歴史が溶け込んでいる所として、味わうものだとおもう。
もし今後遍路を実施するとしたら、これらのお寺には再度訪問し、今度は少しは所作をちゃんとしたいと思っている。
名鉄の駅にいったら 「歩いて巡拝(まいる)知多四国」というチラシが置いてあった。四国遍路八十八ヶ所 巡拝を知多半島にコンパクトにまとめたものである。夫婦2人とも巡拝に少し興味を持っていたので、名鉄の選定している18コースのうち一つを、散歩と観光がてら歩いて様子を見てみようということにした。
名鉄チラシは下記参照。
https://www.meitetsu.co.jp/hiking/pilgrimage/index.html
コースは地域ごとに1回約10kmまでの18コースあるが、配偶者のできるだけ短時間に済ませたいということで、最も近くで距離の短い第17コースを選んだ。本当は私としては、観光もかねて新舞子くらいがよかったのだが。
このコースは東海市の中を歩く下記のコースで、よく通り過ぎるし友人もいるけれども降りたことはないという地域だった。距離は約8.5kmとのこと。
太田川駅 ⇒ [第82番札所]観福寺 ⇒ [第83番札所]弥勒寺 ⇒ [第84番札所]玄猷寺 ⇒ [第85番札所]清水寺 ⇒ [第86番札所]観音寺 ⇒ 聚楽園駅
前述のように、観光がてらのつもりで 遍路に関してなにも予備知識を持っていなかった。途中および後で調べてみて、礼儀知らずで申し訳なかったと思っている。
もし初めて遍路を実施してみようという方は、下記のURL参照のこと。
http://chita88.jp/%e9%81%8d%e8%b7%af%e3%81%ae%e5%bf%83%e5%be%97/
2.[第82番札所]観福寺
名鉄の太田川駅で初めて降りた。なかなか綺麗な駅で、私の向かう側では噴水で子供たちが遊んでいた。晴れた暑い日だった。
<太田川駅を降りたところにある噴水>
そこからとことこと、チラシの案内どおりに交通量の多くてあっけらかんとした道を暫く歩いて行ったら、知多四国霊場の旗を立てたお寺さんが見つかった。そこが1番目の目的地だった。
<知多四国霊場の旗、ほかの寺でも立っている>
古い仁王の門を潜ると、両側に立派な生垣の道が本堂へと続いていた。その間を通るとき風が爽やかだった。本堂は私の田舎よりも古く、とても懐かしい感じがした。
<本堂への道>
その先にはちゃんと遍路服を着た私達より年上の夫婦連れがいた。男は脚が悪いようで、女性に支えられ歩き、そして御札を収め一生懸命に長い読経を行った。
一気に敷居が上がったと思った。
私たちはその老夫婦のやっていることを観察し、御札収めや読経はできないけれども、できるだけ格好は真似をした。彼らが御朱印を頂いたので、私たちも納経帳(納経したということで朱印を頂ける閉じ本)をそこで購入し、押印いただいた。とても丁寧で気持ちよかった。
二人は駐車場へ去り、多分子供の運転で次へ向かうようだった。
このお寺には「つぶらしい」という非常に立派な古木があり、それを見るだけでも価値があった。
<つぶらしいの樹 ここでほっと一休み>
私たちがその寺を去るとき、すれ違いにスポーツタイプの自転車に乗った若い人が到着した。自転車競技の服だった。彼はその後私たちを追い越して次のお寺の方向へいったので、遍路をしているのだと思った。
なお、その後の各お寺の間で歩いた時間は20~30分。
3.[第83番札所]弥勒寺
20分強、やはり自動車の良く通る道を歩き、すこし外れると次のお寺についた。やはり旗が案内してくれた。
この寺の門には非常に立派な仁王様がいらっしゃり、囲んだガラスに映った新緑を楽しんでいるようだった。その後ろには一世代前の仁王様が安置されていた。
<仁王様>
ここにも立派な古木があり、門から境内への緑の道は素敵だった。多宝塔をお参りした後に、弥勒菩薩と弘法大師様をお参りした。
<門から境内への道>
<境内の大師堂への道>
ここにもやはり二人連れの遍路さんがいた。男のほうが白い上着を着ていた。様子を伺うと、御札をおさめ簡単にお参りし、2人でニコニコ話しながら、朱印は頂かずに寺を出て行った。ちょっと敷居が下がった感じでほっとした。
この2人も車移動をしているようだった。その後は遍路さんには会わなかった。
<ここで出会った大木>
4.[第84番札所]玄猷寺
市役所の近くという立派な通りを歩いて、次のお寺に向かった。途中立派な公園と太田川があった。歩きながら名鉄のチラシにある道は自動車道路で、本当に歩くだけなら車のあまり通らない道がありそうだと思った。
<途中の公園>
ついた場所は街の開けた所で、お寺自体新しく、立派な門に綺麗な仁王さまがいらっしゃった。
曹洞宗のお寺ということで、空海の真言宗ではないとちょっと驚いた。
後で調べると、88箇所のお寺を選ぼうとした時に真言宗のお寺は30数か所しかなく、残りを他の宗派のお寺にお願いしたとのこと。
<玄猷寺の門>
<仁王様>
5.[第85番札所]清水寺
チラシの案内の道ではなく、スマホであまり車が通りそうにない道を選び、いい感じで街の散歩ができた。
このお寺は細い道に面していて、大げさな門もなく周辺の住居に埋もれそうな本当に街中の親しみやすいお寺。道に面して園芸品が並べられ、観音様がいらっしゃる。
特に気に入ったのは、案内板として建てられていた小坊主の看板。
<前庭の観音様>
<植栽に囲まれた地蔵様?>
<案内役の可愛い小坊主>
6.[第86番札所]観音寺
このお寺はその日の巡拝の最後になるにふさわしい、樹木が美しい境内が広いお寺。名が潮音閣なので、そこは高台だから海を望むことが出来たのだろうと思った。
外の寺院は、ベルをならせば朱印を押す担当の人がでてこられたが、ここは勝手に押印できる状態になっていた。気楽だったが、気のよさそうな見知らぬ人と言葉をかわすのも面白いので、がっかりもした。
<境内への道>
<大師堂>
<であった立派な樹>
8.おわりに
高台から降りれば聚楽園駅。
山から顔を出す大仏に久しぶりにお会いした。
<聚楽園の大仏>
今回の観光がてらの遍路予備練習で感じたことは以下である。
(1)遍路は気軽に行きましょうというものではない。
・遍路の意味と所作を理解していなければ、ちゃんとお参りしている遍路さん、またお寺さんに失礼になるのではないか。
知多四国の場合には、せめて下記URLを、見ておくこと。
http://chita88.jp/%e9%81%8d%e8%b7%af%e3%81%ae%e5%bf%83%e5%be%97/
・ただしちゃんとしようとすれば、少しはお経を読むとか、御札を準備するとかかなり覚悟がいる。
・名鉄は安易なチラシを作るべきではない。もっと注意書きを書くべきである。
例えばなんちゃって遍路でも、できるだけ白系統の服がよいとか、南無大師遍照金剛とひとこと唱えるとか・・・
(2)遍路移動の実施方法
今回は歩いて3時間強かかった。70歳台前半の体力と気候(今回は気候は好条件)の組み合わせを考えると、もし遍路したいと精神的に思いつめた?時は徒歩は厳しい状況になりつつある。
今回 観光という点から見れば下記の成果が得られた。
(1)東海市という街の雰囲気と、その中で遍路に関わる人の丁寧な対応がわかった。
(2)この町でも、素敵な樹木を見たければ古くからのお寺さんにいけば良いということがわかった。今回観福寺、弥勒寺、観音寺で素敵な樹木にお逢いできた。
(3)お寺自体は、通常の観光対象ではない。街へのなじみ、普通の人々の信仰の歴史が溶け込んでいる所として、味わうものだとおもう。
もし今後遍路を実施するとしたら、これらのお寺には再度訪問し、今度は少しは所作をちゃんとしたいと思っている。