
「小説現代」が装い新たにして復活したというので、買ってみた。
注目したのは、毎号読み切り作品だけ登載というところだ。
1年半休刊しての再発行。全部読み切りで、中には長編もというので、どんな出来映えかちょ
っと見てみたい気になったのだ。
どこにでもあるだろうと、通りがかりの書店に行ったら、なかった。
ちょっと焦って大型書店に行ったら、一冊だけあった。
慌てて買ったが、いったいどうなっているのか。
小説雑誌には珍しく、付録がついていた。
ぺらぺらのブックカバーが、仰々しく段ボールの箱の包まれて、本誌とセットになっている。
これが欲しくて買う人がいるのか。そんなことはないだろう。
こんなものがついていると、逆に安っぽく見えてしまう。
小説雑誌などどうせ売れないだろうと、書店があまり仕入れをしてないのだろうか。
せっかく買ったので、とりあえず、目玉になっている長編読みきりの作品を読んでみた。
薬丸岳「告解」。原稿用紙にして400枚程度の作品。
4月に単行本として発売されるらしい。
薬丸岳は江戸川乱歩賞の受賞でデビューした作家らしいが、知らなかった。
面白く読めはしたが、本離れしている人を引き戻すにはやや力不足か。
出版業界も大変だなと、改めて考えさせられた。