
はじめて自分でカメラを買ったのは、学生のときだった。
アルバイトで貯めた金で、ペンタックスSPを買った。
世界初で初めてTTL測光を採用した一眼レフとして、脚光を浴びた品だ。
まだ白黒フィルムの時代で、自分で現像焼き付けをし、自信作をパネルに貼り付けたりして楽しんでいた。
そのときのペンタックスに対する愛着が忘れられなくて、以来、一眼レフはペンタックスを買っている。
廉価な一眼レフのデジカメ*istDが発表されると、すぐにそれを買った。
ペンタックスが威勢良かったのはその頃までか。
2006年、ペンタックスはHOYAの管下となり、
2011年、HOYAは医療機器の部門だけを残して、カメラ部門はリコーの管下となった。
ペンタックスという名前が残っているのがせめてもの救いだが、何とも痛ましい。
*istDはずっと愛用していて、リコーに移ってからもサービスセンターでアップデートしたこともあるが、つい数年前、ときどきシャッターに不具合が生じるようになってきた。
修理も考えたが、機能はずいぶん進化している。修理代を払うよりは新しい機種を買う方がましかと、K50を買うことにした。これもペンタックスだ。
交換レンズが使えるということもあるが、ペンタックスというブランドにも愛着があるのだ。
今日、何気なく、古い*istDを取りだしてみた。
すると、何も問題なく動いた。
どこに問題があったのか、まったくわからないが、これならたまには使えるなと、とりあえず300ミリの望遠レンズをつけておいた。