3月12日に行った東京国立博物館(略称:トーハク)、前回はハイライト写真でしたが
詳細を順次、紹介します。 最初はこちら ↓
担当された三田研究員のオンラインギャラリ-ツア-を見ると、ナルホドでした。 引用しながら
紹介します。
享保雛です。大きい! 内裏雛の大きさは高さ30cmほどあります。
内裏雛の体つきが少しおかしいと、オンライン解説で述べられていましたが、確かに男雛は、首長族
になっているし、女雛も下半身の膨らみが変、私は見学時には気が付きませんでしたが、研究者には
目につくのでしょう。
私は実は、両サイドの犬筥(いぬばこ)が可愛くて、そちらに目がいってました。
↓写真は、前回のハイライトで紹介した犬筥です。
犬は多産で、コロコロと出産も早いので、安産のお守りとして嫁入り道具になったとか。
ん? この犬、眉毛がある! 実は我が家の駄犬「ニキ」にも眉毛があるので・・・なぜかホッとした気分に。
犬筥1組
江戸時代・19世紀
次はおひなさまの歴史をたどるコーナ。
右端の二つの人形が天児(あまがつ)と這子(ほうこ)といい、千年以上前から宮中に伝わる人形です。
這子は、その名の通り、伏せたらハイハイする形です。
雛人形の源流をたどると、子供を守ろうとした古代の魔除け厄除けの人形に遡る。(ピンボケ写真ですみません)
立雛です。 初期の雛人形は紙で作った簡単なものだった。
古式立雛1対
江戸時代・17~18世紀
立雛の制作技術が向上してきて、金色の盛り上げ彩色が用いられている。
古式次郎左衛門雛。 宮中で使われていたもので、衣装雛の源流となるもの。
なお、明治の工芸作家として有名な柴田是真が大切にしていたものとか。
今回、一番面白いと思った作品です。
三河納雛1対
江戸時代・19世紀 西澤昂一氏寄贈
衣装人形です。 制作技術の向上に伴って、美術品として大人が鑑賞する人形が作られた。
上段左端がキャプションにある「吉弥」です。
驚くのは、衣装の下に裸がつくられている!(オンラインギャラリーツアーの説明から)
衣裳人形 婦人立姿1躯 江戸時代・18世紀 右も同じ
こちらは一昨年、前川富士子氏から寄贈を受けた「雛人形および雛道具」
犬の毛は、絹糸を一本一本くっつけた京都製の毛植え人形。 うちの女房も、フェルトを使って犬の人形を作っていますが
原型は、この時代からあるんだ。
この細密さ! ふーと溜息です。
女の子の表情が、少し厳しげですね。
将棋盤がありますが、オンラインギャラリーツアーの映像では、駒も並べていました。 わずか1mm強の駒で象牙製!
お膳の幅は5cmほど。
源氏物語蒔絵雛道具です。
トーハクの展示ケースに入らないので、今回はばらして展示していますが、雛檀に飾った姿が↓の写真。
日比谷家伝来の古今雛。
江戸時代は自分の好きな作家の人形を、めいめいが買い集めていたので、江戸製の同じ作者の一揃えの
人形は珍しいとのこと。
現在、販売されているお雛様セットは、近代になってデパートがつくったセット商品とのこと。
この展示も本日が最終日となりましたが、いかがでしたでしょうか?
トーハクでの人形の展示は意外と少ないので、私にとっては貴重な体験でした。
さすがに東博の展示品はレベルが違いますね。
犬筥の迫力には驚きます。
日本の古い人形は、世界に冠たる物だと思います。
犬筥、同じ思いを持っていただいて嬉しいです。
繊細で美しく、そして可愛らしい・・・極上のア
ートだと思います。
私は、世界の人形をあまり知らないので、何とも
言えないのですが、少なくとも犬筥は世界に誇れ
るものだと思います。
土偶から現代の人形まで、日本人が生み出す人形は、どこかウェットで、この島国ならではの手触
りを感じます。
お雛様の展示があった時、私も行きました。
改めて見ると、見事ですね。
te-reoさまの丁寧な鑑賞をワタシも見習いたいです。
この展示と同時に高円宮コレクションの根付が展示されていてツボにはまってしまいましたがご覧になりましたか?
あちらもとても面白かったです。
tsubone様の楽しいブログを、いつも拝見させて
いただいてます。
丁寧な鑑賞と、お褒めをいただき有難うございます。 鑑賞自体は、実は駆け足鑑賞なんです。ピ
ンときたものを撮影して、サッと次の作品に移り
ます。(他の鑑賞者の迷惑にならないよう・・・
柄にもなく気を遣っています)
ブログにアップするときに、牛の反芻のように少
し調べて、忘備録代わりにしているのが実態です。
高円宮コレクションの根付・・・数年前に初めて
展示されたとき、撮影し、その後、数回、鑑賞し
ましたが、特に内容は変わっていないようなので
この頃は、通過しているんですよ。御免なさい。
あと、根付が小さいので、鑑賞に堪える写真にし
づらかった記憶もあるのですが、次に行ったとき
は、挑戦してみますね。