光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

韓国・ソウル アート巡り その3 韓国国立現代美術館ソウル館《今年の作家賞2018展、尹亨根:RETROSPECTIVE》

2018年11月08日 | アート 現代美術

 韓国国立現代美術館ソウル館の続きです。

◆「今年の作家賞2018」と題して、受賞した4人の作家展と

◆ 単色画作家、尹亨根(ユン・ヒョングン)の回顧展

を紹介します。

  玄関ロビ-から展示室に続く通路です。 ガラス壁面には「今年の作家賞2018」のポスターデザインが描かれています。

 

 

  

 では、「今年の作家賞2018」について

以下の『 』 の内容は、このブログをつくるため、韓国国立現代美術館のサイトから、解説文を読んで私的に要約したものです。

鑑賞時は、こうした予備知識は無しで見たので、??の連続でしたが、解説を読んで、なるほどと、うなずくところ多しです。


『今年の作家賞 Korea Artist Prizeは、韓国の国立現代美術館とSBS文化財団が2012年から

 ①展示空間と制作支援

 ②国内外の専門家及び幅広い観者を対象とした広報支援

 をしているプログラムで、毎年4人の後援作家を選定して、新作支援のための費用と機会を提供し、国立現代美術館で展示を開催。

 その後、国際的な美術専門家で構成された委員の審査を経て、最終受賞者1人を表彰。

 ・・・・ 賞という単語よりも、「今年」と「作家」を重要と考えるべきだ。・・・』


 では、今年の作家の4人の作品タイトルを見ていきます。

鄭恩瑛(ジョン・ウニョン 1974~) 

 

 

 

 丘ミン子(ク・ミンジャ 1977~)   ※名前のミン:日偏に文という漢字がPCにないため、カタカナで表記

 

 

 

 

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)  ※名前のホ:音偏に護の右側という漢字がPCにないため、カタカナで表記 

 

 

 

 王仁コレクティブ(金華用、李庭ミン、陳是友/2009年結成) 



 

では、展示状況と作品解説を


『何が、どのように、同時代の芸術となるのか? 鄭恩瑛(ジョン・ウニョン 1974~)の〈猶予劇場〉と〈保留されたアーカイブ〉 

1950年代に大衆的人気を享受したものの、伝統劇としても、現代劇としても認められずに忘れ去られていた 

公演演劇ジャンルである女性国劇を取り上げています。・・・・ 女性国劇の本質的正当性を見つけて回復させるというよりは 

より、変則的でクィアな芸術実践の政治的な力を強調している。』

 

 

 

 日本語の字幕もあり、しばらく見ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 壁面のビデオでは、若者がパフォーマンスをしている映像、・・・よくわかりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本でいえば宝塚歌劇団が、新国劇をやるようなものかな? などと思いつつ見ましたが

作者の意図などは、解説を読んでも、よくわかりませんでした。 ただ、映像はクッキリとして美しく、引き込まれるものがありました。

 

 

 

  一日を二回生きることができるのか?文明が自然に介入すると、どのような状況が起きるのか? 

丘ミン子(ク・ミンジャ 1977~) <前日の島、明日の島>

フィジーのタベウニは、日付変更線上にあり、日付変更線の東は今日だが、西に一歩でも行けば昨日となる。

<前日の島、明日の島>では、作家と知人が、日付変更線の両側で24時間を過ごし、一日を二回生きることができるのか?と問いかけ、

私達が当たり前に信じている多くのことが実は人間によって任意に作られたもので、他の文化圏では全く異なって認識されることがある。・・・

  

 鑑賞した時、何だろう?という疑問が解けぬままでした。上記のような作品解説を読んで、状況はわかったけど

作品からは、何を表現したいのかが、よくわかりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会場入口では、作家の作品制作過程でのコメントなどを、ビデオで上映していました。  ↓丘ミン子

 




次の作家の展示は地階。階段を下りていく途中にも、映像が映し出されていました。

 

 

 

 『その時代、少年少女たちはなぜ科学技術のユートピアを夢見たのか。

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)は、国家主導の急速な経済成長のなかで繁栄と発展、つまり近代化の象徴だった都市裏側に関心を持っています。赤い十字架で埋め尽くされたソウルの夜景、衰退した仁川チャイナタウンの風景、かつては西洋生活様式の見本と崇められていたのに撤去の危機に瀕している1960~70年代の示範アパート団地などを介して、近代都市と建築への関心を発展させてきました。 作家は国が発展途上国の国民皆が科学技術の発展が実現する明るい未来を夢見るように「推奨」したという事実に注目しました。 乙支路、鐘路など都心に位置する当時の建物の表面を記録し、同じ時期に発刊された政府刊行物や空想科学漫画、新聞記事などに登場する画像資料を探して絵として新たなアーカイブを構成します。最後に、空想科学漫画<凸凹発明王>の主人公が、結局は失敗したものの月世界旅行のために作ったロケットを制作します。当時の政府記録写真、映画や漫画など大衆文化のなかに残された画像を作家の方法で描いたアーカイブ絵画連作によって、全体を強調した国家主義文化のなかで、個々人に刻み込まれた特定の考え方や視点を露わにします。作家が10代の娘たちとの会話で、「宇宙探検」も「天才科学者」になることも、もはや今の時代の少年少女の夢ではないという事実の前に、逆説的に「すべての少年少女の夢が月世界旅行だった時代」が持つ不自然さについて考えます。空想科学漫画の一場面のような鄭載ホの絵画は、経済成長が止まり、経済危機を経験した後に起きた社会的価値観の変化、つまり不可能なことを夢見た時代から、可能なことを夢見る時代への転換についての冷徹な記録でもあります。鄭載ホは、絵画に移すための画像を探す過程で、都市を歩き、関連資料を探す研究者の態度をとります。本展では、これまで撮影した作品のための写真資料アーカイブが観者に初めて公開されます。』

 

このビルは、解説文にある、かって西洋生活様式の見本としてあがめられたビルかな?

老朽化が目立ちますが、しかし、デザインは洒落ている。 写真ではなく、手描きで制作しているので、味があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、解説文にある月世界旅行のためのロケットか。 右下にゴジラのフィギュアがある。

 

 

 

 月世界の想定図か、普段着と頭部を覆うカプセルが、皮肉かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時の資料にもとづいたアーカイブ絵画連作。

 

 

 

 




一部を拡大。

 

 

 

 

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)氏です。 作品制作過程でのコメントなどのビデオから

 

 

 

 

 

 

 次は、王仁コレクティブの〈外から〉ですが、広い部屋に映像が4、5か所あって、内容もよくわからないので、写真撮っただけで通り抜けました。

 

 

 

 

 

 展示室4をでると、地階と1,2階が吹き抜けになっているホールになります。

 

 

 

 

 このホールの壁面に、棒グラフのような作品が架かっていました。

 

 

 

 カメラを右に回すと、ここは以前、ソウル ボックスと名付けられた特別展示コーナだったはずだけど、なくなったようです。

 

 

 

 さて、このホールに続いた場所で展示されていた、尹亨根(ユン・ヒョングン)の回顧展です。

 

 若い頃の作品から、順に通路に並んでいます。両サイドには、年譜が記されていました。

 

 

 

 最初のケースに入った作品。 1962年の制作年が入った作品など。

 

 

 

 

 個性がでてきた頃か。

 

 単色画になってきている。

昨年、東京オペラシティアートギャラリーであった「単色のリズム、韓国の抽象」(2017/10/14~12/24)

を見たのですが、李禹煥などの、多くの作品が展示されていましたが、尹亨根の名前の作品はありませんでした。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 尹亨根のアトリエの写真。

 

 

 

 展示室内には、大型の作品が並んでいました。 そのうちのひとつです。


 以上でソウル館での鑑賞を終え、昼食後、三清洞を歩いて、ソウル市立美術館に向かいました。 


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