映画を堪能しました。
出だしから、幕府の残党狩りの部隊が、雪の原林野で渡辺謙の演じる人切り十兵衛に返り討ちにあうシーン、モノクロに近い画面から緊迫感がほとばしる。
そして、エンディング直前は、業火のごとく燃え盛る酒場・遊郭を背に十兵衛が、馬に乗って放心したように去っていく。 酒場で凄惨な殺戮を行ったあと・・・
でもラストシーンには救いがあった。
北海道の大自然と歴史が生きて、映画が深く、壮大なものになった。
クリント・イーストウッドのオリジナル作品も、昔見たが、それは意識しなくてもいいほど、素晴らしい作品に仕上げた、李相日監督と出演者・スタッフを賛嘆したい。
映画が終わって、関係者のクレジットが延々と続くが、いつもだったら軽く眺めるだけですが、注視しました。 まかない班の方もクレジットされていましたね。
亡き妻の墓に花を手向け、人を殺さないと誓った約束を破ることに、苦悩の表情を見せる十兵衛。
賞金稼ぎの北大路役の國村隼。 個人的な思いですが、この人のキャラが大石一蔵(この映画の敵役で開拓村の警察署長:村を牛耳るボス)にぴったりだと思いました。
刀を取り上げられる十兵衛、取り上げた大石一蔵(佐藤浩市)。 このあと十兵衛は殴るける、顔を切られるなどリンチを受ける。
そもそもは、顔を切られた女郎の仲間たちが、復讐のために顔を切った開拓民の首に賞金をかけたのが、きっかけ。
女郎のリーダ役の小池栄子も、迫真の演技。
撮影も素晴らしい。 絵になる映像で釘づけになります。 SONYの4K方式のカメラが使われています。
酒場・遊郭のセットで。 青いジャージを着た人が、李監督。 美術もチープさが微塵もない造りで重厚な作品になっている。
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