東京国立近代美術館(2020.9.17訪問)の所蔵作品展(MOMATコレクション)の紹介です。
最初に工芸作品です。 従来、本館から歩いて7、8分の工芸館(旧近衛師団本部)で工芸作品が
展示されていたのですが、工芸館が金沢に移転し、10月25日にオープンすることに。・・・その紹介
を兼ねて、本館に工芸作品の展示コーナが設けられれていました。
4階第1室の展示コーナから
最初見たとき、抽象絵画? と思ったのですが、綿布に蝋染めしたもの。
当時(1950年代)の抽象絵画の流行が、作家にも影響していたと思います。
絵具とは違う、柔らかなマチエールが感じられます。
本野東一 | 〈構造の風景 A〉 | 1956 | 綿、蠟染 | 作者寄贈 |
松田権六・・・「漆聖」と呼ばれる人間国宝の蒔絵師。
以前、工芸館で幾つか作品を見ていて、その都度、溜息でした。 この作品も、2014年の「もようわくわく」展の記事で紹介しています。
当時、お椀の蓋の縁の赤いかすれた塗りに、抽象画のテイストを感じたのですが、今回、感じたのは”経年による剥がれかな?”と、
・・・日常的に使われている器ではないので、それはないですね。 調べると、一筆でさっと塗ったとのこと。 うーん、さすが!
松田権六 | <長生の器> | 1940 | 漆、蒔絵、色漆 | 寄贈 |
こちらも松田権六の格調高い作品。 私がこの卓で手紙を書く姿・・・・ダメだ、月にダボハゼだ。
松田権六 | <蒔絵桜鳥平卓> | 1956 | 漆、蒔絵、平文 | 文化庁管理換 |
ハンス・コパーの作品も二回紹介しています。(2013.8.20、2010.9.5)
古代の陶器のような風合いと、シンプルな現代デザインのなかに、優しい膨らみを感じる。
私の使い方の妄想ですが、アジアンタムを軽く垂らすか、状差しとして使いたい!
ハンス・コパー | <スペード・フォーム> | c. 1970 | 陶器 | 購入 |
うーん、この花器に何を挿そうか? 野草を無造作に投げ入れる・・・・そんな姿の展示も見てみたい。
越智健三 | <黒い花器> | 1958 | 鉄、鍛造 | 丸茂文彦氏寄贈 |
簡潔なデザイン・・・いいな~
バウハウス開校100年を記念しての展示とか。
オットー・リンディッヒ | <ココアポット> | c.1920-24 | 陶器 | 購入 |
この後、パナソニック汐留美術館に行って、「和巧絶佳展」で現代の日本工芸を鑑賞するのですが
いいモノを見て、少しだけ眼力を高めて臨むことがことができました。
なお、MOMATコレクション展にはまだ紹介したいものがありますので、次回はそちらを。
ハンス・コパーのスペード・フォームや越智健二の黒い花器など、
そのままでも面白いですが、
せっかくなら花が入っている所をみたいですね~
そんな展示の形も見ごたえがあるでしょうね(^_-)-☆
以前、現代ア-ティストの杉本博司の個展(趣味と芸術-味占郷展https://blog.goo.ne.jp/te-reo/e/7ea69b9bb4cf27b1a118be7f956e289b)で、室町時代の兜を鉄器に見立てて、須田悦弘の木彫りの夏草を活けていたのが今でも忘れられません。
こんな形なら、保存の問題はクリアできそうですが生の草花でないと・・・ねー。
生け花の各流派のサイトで、鉄花器に活けた生け花も見てみたのですが、やはり鉄花器に工芸品としての強さが感じられず、なかなか、難しいことだと思いました。
仕方ないので、私に写真加工の技術がついたら、花器と草花の写真を合成して、楽しんでみたい・・・という願望を持っています。(”~*)
やはり花を入れた状態で完成、と思うのです。
作者は花を入れた状態を想像して作られたと思います。
保存上の問題は、中に筒を入れるなど幾らでも解決出来そうですのにね・・・
是非te-reoさんの加工技術で花を入れてみて下さい。
楽しみにしています(^_-)-☆
現代アーティストのカミーユ・アンロ(仏、女性)の個展「蛇を踏む」(2019年11月)で、生け花が展示されていたのを思い出しました。草月流の全面的な協力のもと、面白い生け花(生の草花を使って)が展示されていました。 花器は工芸品レベルではなかった
のですが。
技術がつくまでに、まず、こちらを近いうちに記事にアップしますね。