美術館も最近は、工芸展がブームでした。
東京国立近代美術館・工芸館の金沢市への移転(10月25日オープン)がトリガーかな?
ざっと、最近見た工芸展を並べると
9月17日 ★東京国立近代美術館 MOMATコレクション展の一部・・・和と洋のこれぞ工芸作品!
〃 ★パナソニック汐留美術館 和巧絶佳展 ・・・現代の和の若手の意欲作!
11月4日 ★東京国立博物館 工芸展 ・・・和の大家、本格・重厚な作品
〃 ★東京国立博物館 桃山展 ・・・絢爛とわびさび、当時の革新作
(安土桃山時代の名品展で、工芸品も多い)
今回紹介する「和巧絶佳展」は、日本の作家で活きのいい50歳以下の作家に焦点をあてており
作品には、新しい試みをしているなー・・・という印象を強く感じました。
それではリーフレットから
展示は、第1章「和」、第2章「巧」、第3章「絶佳」の順でしたが、私は第2章「巧」が特に印象深かったので、そちらから紹介します。
第2章の展示ブースに入った時、このガラスの円筒状の作品が飛び込んできました。
夜明けの美しい空の上に、天の川が渦巻き、きらめいているような印象。
山本 茜
《 源氏物語シリーズ第四十帖 「御法」》 2013
ガラス、金箔プラチナ箔/截金、キャスト、融着、研磨 32.4×10.5×10.5
佐野市立吉澤記念美術館寄託
截金の繊細さ!(中央部を拡大)
見る角度で表情が変わるので、いろんな角度から撮ってみました。
下の写真は、和巧絶佳展の公式サイトより、引用したものです。 周囲の景色でかなり違う。
前後しますが、作者 山本 茜さんのプロフィールです。
同じく源氏物語シリーズ第十九帖 「薄雲」(雪明り)を題材にした作品
こちらもいろんな角度から撮ってみました。
素晴らしいですね。 源氏物語シリーズはまだ途中のようですが、全部見てみたい!
以下は、源氏物語シリーズ以外の作品です。
いかがでしたしょうか? 截金ガラスの美しい世界、制作工程をWebで見ましたが、截金工程、ガラス工程とも
大変な作業で技術と熟練が必要。 それを乗り越えて、上村松園の美人画や、源氏物語などの古典に流れる日本
の雅の世界の表現者として、素晴らしい作家が現れたなと思いました。
なお山本茜さんの最新の美術館展示が、石川県立美術館で開催されます。
特別陳列きらめく美北陸ゆかりの截金作家たち 2020年11月19日(木) ― 2020年12月20日(日)
コロナ禍でなければ、一も二もなく行くのですが、どうしようかなー。
次は、赤絵細描の世界
うーん、これだけ細かい線で描かれると、何か、厳かな世界が立ち現れる気がします。
見附正康 Masayasu Mitsuke
《赤絵細描華紋香水瓶》 2020
磁土、上絵付、 金彩/九谷焼、赤絵細描 11.0×7.0×2.4
オオタファインアーツ
見附正康 Masayasu Mitsuke
《赤絵細描網花紋香合》 2020
磁土、上絵付、金彩/九谷焼、赤絵細描 3.5×6.5×5.3
オオタファインアーツ
長くなったので、残りは次回に。 追記:縦長の画像が大き過ぎたので、一回り小さいサイズに変更しました。2020.11.17。
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