2012年、 風間サチコさんの「没落THIRD FIRE」展を見て、凄いなと思い、
その後、横浜美術館の「魅惑のニッポン木版画」展や、2016年2月の18th DOMANI・明日展などで
異彩を放つ彼女の作品に、ウーンと唸るばかり。
今回、「悪い予感のかけららもないさ」展に出品され、アーティストトーク(10月9日)に出演されたので
行ってきました。(アーティストトークの写真は残念ながら撮っていません)
悪い予感のかけららもないさ…忌野清志郎の作詞した「スローバラード」の歌詞なんですね。
他の作家の作品もありましたが、今回は風間サチコ作品に特化して紹介。
おー! 気合一閃の突き蹴り!!
上の写真の作者コメントが小さいので、拡大。
最初の3作品は、学校を暴力装置とみなしたシリーズ。
アーティストトークで語っていましたが、風間サチコさんは、小さい頃、登校拒否となり、稀に学校に行っても、邪魔者扱いされ
学校が好きではなかったようで、学校は薄っすらと全体主義的な匂いがする・・・と語っています。
この作品の迫力も、そんな彼女の思いが反映しているのでしょう。 なお、画鋲をモチーフにした理由の説明があったのですが
今は思い出せません(物忘れが早くなった)
タイトルも面白い。
竹トンボ人間だ、 羽根がバットとは!
この危険な顔! 3作品に共通する下駄箱の背景が、学校というシステムを端的に象徴して面白い。
ここから「幸福の雛形」のコメントにある作品です。
”存在の同じ家”は、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』からの引用とのこと、…人間の世界というのは形は違えども
存在が同じものが何度も現れては消えていくというような、人間の永遠の業を表現した言葉… ウーン
作品のいくつかを拡大。
この家々は、新聞の折り込みチラシからトレースしたとのこと、ただし、不穏で嫌な雰囲気に敢えて作り変えているところが風間さんらしい。
『GOLDEN WEEK END』
風間さんの卒業制作の作品。 風間さんのブログにこの作品の解説があります、なるほどです。
風間さんの作品は、昔も今も一貫していますね。
これは、当時の経済成長の右上がりカーブを卒塔婆で皮肉った作品。 南無甘露王如来…いいですね
ここからは、11月12日(土)から始まった風間サチコさんの公開制作です。
場所は、府中市美術館。 ちょうど藤田嗣治展もあったので、両方、楽しみました。
チラシから
公開制作が始まってすぐ(13時半頃)の写真。
風間さんには、快く撮影許可していただき、ガラス戸も開いていただくなど
あらためて、お礼申し上げます。
風間さんの頭上を飛ぶのは、重爆撃機 富嶽。
この日の作業は下絵の下絵を完成させる(コヒ°—切貼り編集作業とトレ—ス)
モチーフの下絵など
大政翼賛会刊行の体育関係書物など、戦前の関係書物が並べてあります。…凄い作品ができそうな予感
そして、11月20日(日)の公開制作にも行ってきました。
4時半頃でしたが、大勢のギャラリーがいました。
アルミ箔の屏風(襖) 重爆撃機 富嶽は、日本軍が敗色濃厚となる頃、開発していたものだが陽の目をみることはなかった。
アルミ箔には、ペンで直接ドローイングしているとのこと。
完成予想図です。
床には、下書きの部分図。 兵舎と最新式の自衛隊の戦車だそうです。
参考資料の古本。 すべて、風間さんが蒐集したもの! チラシ「たゆまぬぼくら」の挿絵にある魚の骨のようなイラストは、右上の茶色の本にありました。
その本を開くと
資料本をアップで
右下の本の表紙がカッコイイ。
銀屏風、面白いアイデアですね。
制作しているところを、とのリクエストに応えて机に向かった風間さん。
下絵とアルミ箔屏風のドロ—イングが本日の制作予定
知り合いの方が来ていて、談笑しながらの制作。 制作過程や、背景などを聞くのも新たな楽しみ方になりました。
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