私がアナウンサー受験をするときのアナウンス学校の恩師で、長くNHKのアナウンサーを務められた寺田道雄先生が朗読会を開催され、私も聴いてきました。
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朗読会 『道』 第一回
2013年4月6日 NHK青山荘
『なめとこ山の熊』 宮沢賢治 作 寺田道雄
『とんかつ』 三浦哲郎 作 高山久美子
『高瀬舟』 森鴎外 作 寺田道雄
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大変素晴らしい会でした。
『なめとこ山の熊』ではそれぞれの人物の演じ分けもとても素晴らしかったと思いますし、
『とんかつ』も息子を心配する母親とそれを見てとる宿の女将さんをあたたかく高山さんが読んでいらっしゃいました。
中でも心を打たれたのは『高瀬舟』。
弟殺しの罪に問われた罪人の告白とそれを熱心に聞く護送の同心。
先生の穏やかな語りの中に、罪人がこれまで日々一生懸命に生きてきたことがしのばれ、
素直な同心がその罪人の罪についておぼろげに疑問を持ち、でも白とも黒ともつけられない
もどかしさ、ともとれるような心情も浮かんできます。
物語を語ることがこんなにも字面以上にこんなにも登場人物の性格やバックグラウンドを浮かび上がらせるものなのだ!と感動しました。
『ナレーションと朗読は違って、朗読は本当に難しい』
これはアナウンサーの先輩方がこぞっておっしゃることで、私も朗読、となると身構えてしまうし、実際自分の読んだものを聴いてもナレーションの範疇から出ているとも思えず、
難しい!と感じます。
でも、物語を読むのは本当に楽しい!!!
アナウンサー生活40年以上の寺田先生が『まだ道半ば・・・・』とおっしゃるのですから、
私にとってはなんと挑み甲斐のある分野でしょう!!!
日々の業務の傍ら、少しずつでも精進できたらな、と思います。
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