二週続けての新国立劇場、首藤さん出演ダンス公演、昨日は「Shakespeare THE SONNET」。
数々の悲喜劇の戯曲を作ったシェイクスピアにはその名も「ソネット」という詩集があるそうで、このソネットが今回のモチーフ。
この「ソネット」自体にかの有名劇作品のモチーフとなるような題材がたくさん散見されるらしく、よって今回のダンス作品にも劇中の有名な登場人物と思われる人々が出てきます。
暗がりの中で女性が箱の上で黒い服を脱ぎ清廉な白く短いドレスで、男性とみずみずしいデュエットを踊れば「ああ、これはロミオとジュリエット!」と思い、
黒いコートに身を包み顔をインクで黒ずませた男性と黒いロングドレスの女性が高貴に破滅的なダンスを踊れば、
オテロとデズデモーナを連想して・・・・。
その全てを演じて絶え間なく踊る首藤康之さんと中村恩恵さんの素晴らしさ!!!!
中でも、首藤さんが軍人である威厳あるオテロを踊ったすぐ後に、
パックとしてコミカルにステップを踏みながら美しく横たわるタイターニアに花を使って惚れ薬をかけておどけている様子は、もうステキとしかいいようがなく・・・・・。
そのあとも「流れ」と「中断の間」とまばゆい光と陰影、ヨウジヤマモトの衣装とディルク・ハウブリッヒの音楽・・・・と舞台上の全てを味方につけて自在に動く、お二人は
穏やかながら圧倒的な美しさで会場を魅了し続けていました。
私は、カーテンコールが終わってもしばらく立てず、終わってしまった美しい舞台にほろっと涙が出ました。
いつまでも聴いていたい音楽があるようにいつまでも見ていたいダンスってあるんだな。
刹那な美しさに身を委ねることができる舞台に出会えたことに心から感謝。
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