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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

しんぼる

2011年06月14日 | 激辛こきおろし篇
一面真っ白な密室に閉じ込められたパジャマ姿の男(松本人志)と、メキシコのさえないオヤジ覆面レスラー・エスカルゴマン。どこでどうつながるのか、先読みできた人は皆無だったのではないか。まさかこんな下らないギャグで結びつけるとは、気取ったインテリ系の映画批評家ならまちがいなく本作に0点をつけることだろう。

その後に続く一見哲学的な展開をのぞけば、本作は外人さん向けに制作されたナンセンス下ネタ映画の域を出ていない。白い壁面から突き出た無数のポコチンボタンから「しんぼる」とタイトリングした度胸のよさは買うが、はたしてそのセンスが外人さんたちに伝わったかどうか、かなり微妙である。

セリフをほとんど排除したサイレント演出や、(松本のギャグに精通している日本人なら)いちいち説明しないでもわかるオチを懇切丁寧に説明したマンガなど、前作『大日本人』の失敗から学んだ努力の跡はうかがえるものの、映画という器がどんだけ松本人志の作り出すお笑いにたえられるのか、いまだ試行錯誤中といったところだろう。

ちなみに本作は修行→実践→未来というチャプターだてになっているが、映画にちょっと詳しい人ならば、最も難解な映画の一つにあげられることが多いあの作品のパロディだとすぐに気づくのではないか。まさか日本のコメディアンにこんな形でおもちゃにされるとは、いまは亡き巨匠監督も想像だにしなかったにちがいない。

しんぼる
監督 松本 人志(2009年)
〔オススメ度 

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