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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

人のセックスを笑うな

2009年01月23日 | ネタバレなし批評篇
桐生市にある美大生の磯貝みるめ(松山ケンイチ)、みるめが愛欲に溺れる年上の女ユリ(永作博美)、そしてみるめにひそかに恋心をいだくえんちゃん(蒼井優)。一応は脚本があるようなのだが、3人のスーパーナチュラルな演技によって、本作品にはまるで即興演出作品のような雰囲気が漂っている。普通そういう演出をするとスクリーンから役者の気迫が伝わってきて観ているこっちも疲れてしまうのだけれど、全編を通じて流れているほどよく肩の力の抜けたほんわかしたムードが心地よい。

リトグラフ制作の代行講師ユリ(39歳)がみるめ(19歳)を家に連れ込んで誘惑、年上女の色香の前にあっけなく陥落するウブな男。AVなどにありがちな山崎ナオコーラ原作のちょっと読み下世話なお話も、井口奈己の手にかかるとおされな恋愛ムービーに生まれ変わるから不思議だ。愛ルケのようなきわどい性描写などは当然カットされいて、みるめとユリが毛布にくるまってチュウをするぐらいのたわいもないシーンがあるだけなので、デート・ムービーとしてもおすすめできる。

松山はともかく、旦那(あがた森魚)がいながら若い男にちょっかいをだす開けっぴろげな人妻を怪演した永作と、それに負けじと片想いのおこちゃまギャルをナチュラルメイクした蒼井の演技合戦が見所だ。奥行や抜け感を強調した長回しが多少冗長で眠たくなってはしまったが、リアルな三角関係が微妙な緊張感を生んでいて、中味が空っぽな脱力系コメディとはひと味違うサジ加減がなかなかよろしい1本だ。

人のセックスを笑うな
監督 井口 奈己(2007年)
〔オススメ度 

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