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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

海を飛ぶ夢

2008年01月10日 | ネタバレなし批評篇
海の事故により四肢麻痺に陥ったラモンが、裁判所に安楽死を認める訴えを起こす。血管性痴呆症という難病におかされている女弁護士フリアは、その裁判の手伝いをするうちに、同じ境遇のラモンを次第に愛するようになっていくが・・・・。

万事不自由なラモンは、寝たきりになっている部屋の窓から海へ飛び立つ夢を唯一自由に見ることができる。荒川静香の金メダルソング<誰も寝てはならぬ>をBGMに、夢の中の海辺で二人がキスを交わす場面はとても美しい。「ニューシネマ・パラダイス」のキスシーン・コレクションに是非加えてもらいたいほどの名シーンだ。

裁判所へ向かうべく久々に外出するラモンが、その道中でさまざまな<生の輝き>に遭遇する。しかしながら、尊厳死を望むラモンの決心はあくまでも揺るがない。けっして世をはかなんだマイナスイメージの<死>ではなく、自由な世界への魂の解放ともいえる積極的な<死>を本作品で描くことに、アレハンドロ・アメナーバル監督は成功している。

たとえ、愛する女の記憶からも解き放たれる結果になったとしても、生の拘束から自由になったラモンの魂は、気持ち良さそうに海の上を飛び回っているように見えた。

監督 アレハンドロ・アメナーバル(2005年)
〔オススメ度 

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