戦後間もない頃、闇屋で成功し事業を起こし順調に業績を伸ばす父を持ち
小さい頃は転校生(キヨ)と友達になるが、転校生の父はシベリア帰りで
まともな職に就くこともままならない
闇屋も経験するが芽が出ないくすぶり、人の好意に甘えるのを潔しとせず
くすぶりから抜け出せない
夏休みに入ってすぐ子供(キヨ)をダンプに当てさせ死なせてしまう
自分に責任はないけど、死ぬ前にキヨを見つけたが知らんぷりしてた
ずっと心の重しのようにその場面を反芻する
あの時声を掛けて置けば・・・・
同じような境遇の遊び仲間とつるみ遊び呆ける
遊び仲間とは全然タイプの違う百合子と出会い
惹かれのめり込んでゆく
或る日、これ以上付き合えば離れられなくなると
突然別れを告げる、百合子が忽然と姿を消す
しかし、それ以来百合子の面影を心から消せない・・・
遊び仲間の真澄はゆうちゃんを愛していたが、決して表には出さず
親友で居続けるが百合子の出現と共にいたたまれなくなりアメリカに渡る
帰国するが精神を病み、自殺する
親友の死もなぜ?と疑問を心から消せない・・・
生きるってなんて悔悟の多い事か・・・
時が流れ、父は亡くなり事業は尻すぼみになる
残された別荘に一人佇み、雷雨の中庭に女性が蹲るのを見つけ
家の中に避難させる
梓と名乗る女性はお礼にと
「会いたい人はいませんか。生きていても、亡くなっていても
構いません。ジョーンズ夫人が必ず逢わせてくれます」
「恩返しはほかに思いつきません」
そして、ジョーンズ夫人宅に向かい降霊会が始まる
死者と正者とが語り合う、その内容は・・・・
降霊会の夜 浅田次郎著 (朝日新聞出版)