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今日聴いたアルバムの中からあれこれ4

2004-12-20 00:14:00 | 今日聴いたアルバム
師走は忙しいねぇ・・・・・なんかもう早いとこ年末に逃げ込みたいよ。
で、忙しいから音楽聴いてないかというとそんなことも無い。小川隆夫の「知ってるようで知らない、ジャズおもしろ雑学事典」なんて本を読みながら、毎日の寝る前の数時間は相変わらず貪るように音楽聴いてる。
師走の忙しさで投稿のネタを仕入れる余裕が無かったので、今日は久方ぶりに「今日聴いたアルバムの中からあれこれ」をやろうと思う。

George Russell(ジョージ・ラッセル、arr,p)の「Jazz In Space Age」。
この人ってジャズにおけるモード手法の先駆けのような人だよね。
Milesがモード手法の追求に着手した「Milestones」が58年。モードジャズの金字塔と呼ばれる「Kind Of Blue」が59年。そのモード手法をビッグバンドに拡大した「Sketches Of Spain」が60年。これらMilesの諸作に先んじてRussellが自身の音楽理論「音楽体系に於けるリディア的概念」を反映させた初リーダー作「Jazz Workshop」が56年と、早くからモード手法に着目していたのがわかる。
これはこの人の60年のアルバムで、同時期の「Sketches Of Spain」と比較すると面白い。
Milesはモードをメロディのリリシズムを追求する為に用いているように感じるんだけど、Russellのこのアルバムはクロマチックな音の使い方が頻々と見られて、もうちょっとフリーに近い。
音楽自体は結構難解なんだけど、個人的にはBill EvansとPaul Bleyのソロ交換なんかが聴けるところが堪えられませんね。

Gary Burton(ゲイリー・バートン、vib)の「Ring」というアルバム。
Pat Metheny(パット・メセニー、g)がこの人のグループに在籍していた頃の2枚のアルバムの中のひとつ。
1曲目のエレキギターのソロが実に良くて、これを聴いて「曲になってるソロってのを久しぶりに聴いた」って思った。
特にエレキギターの人って16分中心にパラパラ~って速弾きする事に執心しがちだけど、これは空間とロングトーンを良く生かしてる。弾く事に悦に入らずによく歌ってる。
どんな曲でも「弾かない事」「音を出さない事」ってとても重要なんだなって再認識させてくれる、このソロは秀逸です。
これ、初めて聴いた時は当時19歳のMethenyが弾いてるんだと思ったんだけど、どうやらMick Goodrick(ミック・グッドリック、g)のソロみたい。
そりゃまぁねぇ(笑)。

ピアノトリオにワンホーンという編成が好きだ。なんというか、リズムセクションの上を1人でグイグイ吹いてるのを聴くと、雲の上を風を切って飛んでいくような、波の飛沫を受けながら海原を横切っていくような、そんな爽快感を感じる。だから、特にアップテンポな曲をバピッシュに吹きまくってくれるようなワンホーンが時々無性に聴きたくなる。
今日もそんな感じだったのね、で、そういう爽快感を手っ取り早く感じさせてくれる人、Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ、ts,ss)にご登場願った。
アルバムは58年の「Newk's Time」。
ドラムソロからテーマに戻ってくる瞬間がたまらない。きっと吹いてて気持ちいいんだろうなぁ・・・・・。
メンバーはピアノWynton Kelly(ウイントン・ケリー)、ベースDoug Watkins(ダグ・ワトキンス)、ドラムスPhilly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)という、あの頃あの近辺でつるんでたお馴染みのメンツ。
安心して聴けますね(笑)。

Randy Waldman(ランディ・ウォルドマン)というピアニストの初リーダ作の「Timing Is Everything」。
この人、アメリカの音楽業界の大御所というか有名な人らしいんだけど、Brian Bromberg(ブライアン・ブロンバーグ、b)の「Wood」というアルバムで「誰だこいつ!」と衝撃を受けるまでまったく知らなかった。フォレストガンプとか、バック・トゥ・ザ・フューチャーとかの有名映画の音楽、ホイットニー・ヒューストンとかマイケルジャクソン、マドンナなんかのサポートを勤めたりしてる筋金入りのセッションマン。
どっちかというとアーティストというより職人肌のピアニストで、なんでもできるところを「今回はトリオでジャズのセッションをしてみましたー」みたいな印象のアルバム。
ベースのBrian Brombergに加えて、ドラムスのVinnie Colaiuta(ヴィニー・カリウタ)の参加が魅力。
帯に書いてあるキャッチフレーーズ「超、爽快系ピアノトリオ」。まさにそんな感じだね。

Joe Henderson(ジョー・ヘンダーソン、ts,ss,fl)の2枚目、63年の「Our Thing」。
黒い・・・・・黒いんだけど、この時期にあってハードバップやファンキーに染まらずにどことなくモーダル。でも前衛性はなくて生真面目な4ビートで落ち着いて聴ける。決してシーンを牽引したりジャズの発展を切り開いた人ではないんだけど、奇を衒っていなくて好感が持てますよね。
なんていうかな・・・・・グリグリ吹かなくて、結構淡々とスイングし続けるんだよねこの人。黒くて重いんだけど暗くなくて、ムードや甘さに流れてもいない。リラックスして黒人の感覚をのびのび吹いてるというか、そのゆったり感が大好きです。
処女作の「Page One」に続いてKenny Dorham(ケニー・ドーハム、tp)と共演。
ピアノに個性派Andrew Hill(アンドリュー・ヒル)が入ってて、軋むようななんとも言い難いアンバランスさを添えてアクセントにしてる。
好アルバムですね。

5枚、今日はこんなとこにしときます。
では最後に本日の安眠盤、Pat Martino(パット・マルティーノ、g)の「"Exit"」
ではでは。