Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

ミッケリ

2009-07-03 | フィンランドぶらり旅
今週末を挟んで、フィンランドの南東部、湖水地方とかカレリア地方などと呼ばれるところを周遊する旅に出ることにした。
まさに森と湖。もっともフィンランドらしい風景の見られる地域とも言われる。

フィンランドに湖が多いのはよく知られることだけど、実はそれらの多くは、巨視的に見ると、同じような方角を向いている。つまり、ものすごく大まかに言って、北西から南東にかけて、まるでフィンランドの国土が巨大なツメで引っ掻かれたかのように、湖が点在する。これは、はるか昔の氷河の浸食作用によるものだそう。詳しい事はよく分からないけど。
ついでに、今回の旅で訪れる3つの街を記載。いずれも、人口10万人に満たない地方都市、というか町。



本日は、まずヘルシンキより、ミッケリという街までバスで移動。約3時間半ほど。

の予定が、途中でなんとバスのタイヤがパンクするというハプニングがあり、代わりのバスが来るまで、40分ほど足止め。
走行中に突如ものすごい揺れに襲われたので一時騒然となったものの、運転手が原因を説明すると、乗客は皆安堵のあまり?手を叩いて笑っている。なんだぁ、あっはっはー。
待ち時間も、お弁当をほおばる人や、外に出て芝生に体育座りをしながら湖をまったり眺めている人や。何とまぁおおらかな人たちなんだろうか、と図らずもこのハプニングにフィンランドらしさを見た思い。日本だったら、腕時計をコツコツと叩きながら、おいおい全くどうしてくれるんだい、などと文句を言い出す輩の一人や二人、出てきそうなものだ。


そんなこんなで、ミッケリに到着。観光案内所の人が親切に色々と見所や散歩コースを教えてくれたので、その通りに小一時間ふらふら。
この街は、規模としてはさほど大きくはないが、第二次大戦中(フィンランドを舞台にした戦闘は特に冬戦争、継続戦争と呼ばれる)に軍の司令部が置かれていたそうだ。マンネルヘイム将軍(日本での知名度は高くないが、フィンランドでは多くの人が国家の歴史上最も偉大な人物と答える)の大きな銅像もある。いくつか関連施設の跡が残っているようだった。

同じく湖畔に位置するユヴァスキュラ(以前に訪れた唯一の地方都市)とかなり似たような雰囲気だと思ったけれど、フィンランドの地方都市て、どこもこんな感じなのかもしれない。そして、こんなに平和なところがあっていいんだろうかというくらいに平和だ。

 

 

ミッケリは、ちょうど音楽祭のシーズンを迎える。毎年この時期、ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場のオーケストラが、サンクトペテルブルクよりやってきて公演を行うそうだ。そのコンサートを聴きに行った。



Valery Gergiev / Mariinsky Theatre Brass Ensemble and Orchestra
Alexander Toradze, piano

Messiaen: L'Ascension
Stravinsky: Capriccio for piano and orchestra
Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F major, op. 102
Mussorgsky: Pictures from an exhibition, arranged for Brass Ensemble

これがやはり、指揮者の力量ということなんだろうか。オーケストラってこんなことができるのかと、ちょっと目覚めさせられるものがあった。特に、何と言うのだろう、ハーモニーへの色彩感の与え方、とでも言うのか。うーむ、表現がしょぼいので無理に言葉にするのもやめよう。しかし、音の色と書いて音色、とはよく言ったものだと思った。
そして、圧倒的な音量、それでいて失われることのないアンサンブルの精緻さ。このあたりは、さすがロシアを代表するオーケストラと言うべきか。すごい。
ただ、正直、曲の好みとしてはちょっと微妙。特に前半のメシアン、ストラビンスキーあたりはかなり難解だった。けど、そんな曲だからこそ上記の感想を導く演奏が聞けた、とも言えるかもしれない。
メインのお馴染み「展覧会の絵」のみ、金管アンサンブル(15重奏くらい)での演奏。お腹いっぱい。総じて大満足。


夜の列車でクオピオに移動。

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