Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

シベリウス音楽祭

2009-09-11 | フィンランドぶらり旅
ヘルシンキからはちょっとした小旅行になるけれど(バスで90分ほど)、ラハティという街でシベリウス音楽祭が開催中だ。日帰りで、念願のラハティ交響楽団のコンサートを聴きに行って来た。

開演時間まで、しばし初訪問のラハティを散策。

ラハティには本格的な競技用スキージャンプ台があり、国際レベルの大会もしばしば行われている。
ジャンプ台のてっぺんまで上れると聞いていたのだけど、夏季のみ開放ということで、残念、それでも途中、半分くらいまで上ることができた。クオピオでもジャンプ台を拝んだけど、やっぱり、こんなところから飛び出そうという人の気は知れない。
隣接するスキー博物館は、なかなか興味深い展示内容だった。スキーの歴史など。

  

美しい湖畔にて一服。このシルエット、まさに東山魁夷的世界。



ラハティ交響楽団、その本拠地シベリウスホールは、フィンランド随一のオーケストラ、コンサートホールとの呼び声も高い。

Lahti Symphony Orchestra - Jukka-Pekka Saraste, conductor

Sibelius:
The Dryad
Violin Concerto - Henning Kraggerud, violin
Symphony No. 3

いずれの曲も、これぞシベリウスの決定版、という大変に素晴らしい演奏。フィンランド的な清涼感、あるいは陰鬱の表現。それに、音の処理のしかたが何とも形容し難く美しい。そのまま湖にすっととけていくかのよう。
交響曲3番は、シベリウスのシンフォニーの中でも、個人的に好みの音楽だ。基本的に聴きやすく、明るい曲調だけれど、それは底抜けの明るさ、ましてベートーヴェン的な歓喜とは全く類を異にする。それは、時に厳然と立ちはだかる北欧の大自然と、融和、共存することの喜びであるように思う。そうしたイメージを、今日の演奏でも見せられた気がして、そのことが何よりの満足だった。もはや、シベリウスは、自分にとってクラシック音楽の巨匠たちのone of themから、一歩飛び出した存在と言える。

  

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