たんぽぽ通信

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季節の養生法 -春-

2010年02月04日 | 院長こぼれ話
2月4日は立春。
暦での春が到来しました。
といっても、実際感じる季節はまだまだ冬。
ただ、春はもう、そこまで来ています。
ゆっくりでいいですが、体のほうも春への準備をしていきましょう。

春は、すべての生き物が活動を始める季節です。
私たちの体も大地から芽が出るように、新陳代謝が活発になってきます。
そうすることで、冬の間にたまった脂肪や古い塩分を排出しようとします。
余分なものを代謝し、新しいエネルギーを充電して本格的な活動に備え、さらには次にやってくる暑い夏をすごしやすくするためにスリムになっていくのが、春という季節の生理です。

水ぬるむ時季、枯葉や雪の間から野草が芽をのぞかせた瞬間に、春は命の躍動を見せています。
それと同じように、私たちの体も季節に先取りして変化し始めます。
例えば、冬の間、しまっていた毛穴は、毒素や余分なものの代謝に供えて、1月末から2月の初めには開いてきます。
普段は大小便で余分なものを出すのですが、春先は排毒作用が高まるので、毛穴からも出るのです。

夜更かしをしてもかまわないが、朝は早く起きます。
朝、ゆったりと散歩し、のびのびと体を動かします。
つまり、芽生えた植物と同じように、陽の気を吸い込み、体内に陽の気を発生させます。

また、五行論からみると、春は『肝』の季節です。
肝は人体において解毒をになっていますから、まさに理論どおりということになります。
この春の解毒作用がうまくいかないと、体内に毒素が蓄積されてしまうことになります。

●春の七草などの野草
排毒作用を促す代表的な食べ物が春の七草です。
春の七草とは・・・
本来は、旧暦のお正月に食べていた風習です。
現在では、新暦のお正月が終わった1月7日にいただくのが習慣のようになっていますが、本来は旧暦のお正月にあたる2月にいただくものです。
まだ凍えた茶色の大地から青い芽を出す春の七草には、冬の間に不足していたビタミンを補給し、大地を蹴破る生命力をいただく意味があります。


春の七草をはじめ、つくしやよもぎなど野草には固い大地を蹴破るエネルギーが宿っています。
特有のほろ苦味がありますが、成分でいうと強アルカリになります。
それこそが、血液を浄化してくれる味覚なのです。
ただ、野草は陰の力が強すぎるので、アクを抜いてから食べるなどの工夫が必要です。
また、食べすぎにも注意します。


野菜では、ブロッコリーやキャベツ、菜の花などが美味しい季節です。
これらのアブラナ科の野菜は、野草と同じようにぐんぐん成長する強いパワーと代謝作用を持っています。
その上、これらは食用に改良された野菜ですから、たくさん食べても大丈夫です。

1日1日と暖かくなるこの季節。
散歩に出かけて、いろいろな野草を見つけてみてはどうでしょうか?
ヨモギやつくしは子供でも簡単に見つけることができます。

そして、ヨモギ団子やつくしのキンピラ、フキの佃煮、野草のゴマあえなど作って食べてみてください。

きっと、春先の「なんとなくからだがだるい」「いらいらしやすい」といった肝の症状が解消することでしょう。