蒲公英の絮

四季折々の花や空の写真と、自己流俳句で日々を綴ります。

ご先祖

2023-07-13 20:56:00 | 日記










       白百合や 清められしは きっと吾














       夕顔に 闇濃くなりて 夜の雨




仕事帰りの娘と、玄関先で立ち話。
「言ってなかったけど、一日の日、凄く当たると評判の占い師にみてもらったんだけど。」
そう、やっと予約が取れて、だけど時間が遅いので、子ども二人をみてくれと言われた土曜日。
その後バタバタと日が過ぎ、聞くのを忘れていた。

「二人の子どもの事とか、なんかしっくりきて驚いたんだけど。
一周忌か三周忌かな、法事を控えてますね。
ご先祖が降りてきてます。って言うんだ。」

一周忌も三周忌もないので、娘がないですけど、と答えると、あなたの額に映し出されてる。

ご先祖が降りて来られてる。痩せたお婆ちゃんがベッドで寝ている。

ご先祖が、お婆ちゃんを引き上げにいらしている。

はっと思ったと娘。

驚いた。胸を突き上げる想い。
そうか、合点がいった。
義母の安らかさは、ご先祖に見守られご先祖に連れられ旅立つことが出来たから。

「ああ、そうなんだ。良かった。
ばあちゃん、私を恨むことなく逝ったんだよね。」
娘は、「お母さんを恨む訳ないよ!感謝しかないはず。」

いや、46年の長い歳月は、嫁姑仲良し美談なんて、あり得ないの連続だった。
そして何より施設入所以降も、平穏な日々ではなかった。

帰宅願望が時に強く出る時期、なんとか施設に送り届けるのに必死だった。
冷たい嫁、非情な嫁と思った事だろう。
「大丈夫。そんなすったもんだなどすぐに忘れちゃう。」と施設の主任さん。
「それから帰宅願望は、2年くらいしたら無くなってきます。」

確かにそうだった。
けれど、心の何処かに、罪の意識が消えずにいた。
10年の月日。

占い師…霊能者なのか、よくわからないけど…
ご先祖が降りてきている。
それを娘を通じて、感じとるなんて。

なんだか、すっと信じる事ができてしまう。
ご先祖は、「安心しなさい。この人は引き受けた。もう苦しむことはない。」

義母も、もしかしたら私も、と伝えてくれたような気がして、涙が溢れる。

娘と二人、玄関先でしばし泣く。

娘が占い師から言われた二日後に旅立った義母を思い。





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