Con Brio 楽譜と趣味の道具箱 

〇出版楽譜のご紹介
 カテゴリー ⇒「出版楽譜」へ

〇アート
〇ミュージカル
〇コンサート
〇温泉 釣り

スクールバンドのためのウォームアップ&デイリートレーニング①「練習の前に / 音出しとバズィング」解説

2020-09-02 | 出版楽譜:吹奏楽トレーニングブック

投稿が遅くなってしまいましたが、先に出版された「全員でできる / スクールバンドのためのウォームアップ&デイリートレーニング」各巻の解説を順番にしていきたいと思います。ミュージック・ベルズ様の出版ページと併せてご覧ください。

 

まず第①巻の「練習の前に / 音出しとバズィング」です。

練習のスタイルができているバンドは心配ないのですが、初心者が多かったり上級生がいない、あるいは習慣ができていないバンドでは、楽器を出すとすぐに曲を吹いたり金管などはいきなりハイトーンに挑戦したりということが起こりがちです。

そこで「楽器を出したらまずこれをやろう」というものをまとめて、全員でできるようにしたのがこの①巻です。

例えばクラリネットは最初にマウスピースとバレルにリードを付けて吹き、アンブシュアや圧力を確認します。次に基本となる「ソ」(実音F)を吹いてから最低音の「ミ」(実音D)まで下がります。そしてレジスターキイで「シ」(実音A)に上がります。※時間があればさらに一音ずつ上へ

トランペットはまず唇だけでバズィングをし、次にマウスピースで。続いて「ソ」(実音F)を基準に下がったり上がったりと1オクターブをゆっくりなめらかにバズィングで動きます。※何回か繰り返しましょう

 

このあと木管楽器とコントラバスは楽器で簡単なメロディーを吹き、金管楽器はそれに合わせてバズィングを、打楽器は練習台(スネアドラムパート)でリズムを打ちます。

こちらはアルトサクソフォンです。まず「いい音で」次に「いい音程で」そして「なめらかに」吹けるようにしていきましょう。

ユーフォニアムです。「大きく」「なめらかに」「いい音程で」吹けるようにしていきましょう。

打楽器(スネアドラムまたは練習台)です。テンポを安定させて右手左手のつぶがそろうようにしましょう。打楽器はまず全員で練習台を使って叩くことから始めるとよいでしょう。

 

簡単な内容ですが、スポーツ選手と同様にていねいなアップから始める習慣を身につけさせることは大切ですので、毎日の練習のスタートに取り入れてみてはいかがでしょうか。

※各楽器のアンブシュアのチェック方法については「JBCバンドスタデイ」などに詳しく解説されていますのでそちらをご覧ください。


「全員でできる / スクールバンドのためのウォームアップ&デイリートレーニング」全6巻が出版されました

2020-06-08 | 出版楽譜:吹奏楽トレーニングブック

 いつかまとまった形にしようと長年考えていた楽譜が「全員でできる / スクールバンドのためのウォームアップ&デイリートレーニング」としてミュージックベルズ様より出版となりました。ちょうど出版がコロナ禍に重なってしまい「全員で」というのは難しいタイミングになってしまいましたが、落ち着いたころにお試しいただければ幸いです。

20年近く前、転勤した学校の吹奏楽部は20人足らずで半分以上が初心者。個人・パート練習をするにも楽器の扱いや練習方法もわからない子ばかりで、それまでの勤務校のようにはいきません。しかも練習時間も場所も少ない。。。いっそのこと基礎練習だけでも全員で同時にやれないか?楽器を組み立てたところからスタートして木管も金管も弦も一緒に、そして打楽器も汗をかくくらいに。。。ということで多くのメソードなどを参考に作り始めた楽譜がこのテキストのもとになっています。

この練習を毎朝2~30分続けていくうちに徐々に変化が表れてきました。いちばんは一人一人の技術的な差が少なくなったこと、つまり「底上げ」です。一人だとつい途中で休んだりしてしまう基礎練習もみんなでやれば最後まで頑張れます。子どもたちには「一日一回給食を食べるようにみんなで練習しよう!」と話していました。

また意識も変わってきました。個人やパートで曲練習をするときも以前のような「ただ通して吹くだけ」の練習ではなく、曲の前に自分たちでロングトーンやスケールをやったり、うまく吹けないところをバズィングしたり、あるいはリップスラーを黙々とやる子も出てきました。私自身も毎日全員の顔を見ながら音を聴けるので、一人一人のちょっとした表情や音の変化に気づくことができました。

そして1年後には夏のコンクールで初の県大会へ、2年後にはアンサンブルコンテストで県代表に選ばれるなど好成績を上げることができ、演奏の依頼も増えてきたのです。もちろんこの練習だけでそうなったのではありませんが、きっかけにはなったと思っています。

その後もいろいろな学校や団体で使っているうちに他校の先生方や講師の方から利用の希望があり、そのつど修正や追加などを繰り返してきましたが、このへんでひと区切りとしてまとめておくことにしました。

毎日の練習のひとつの選択肢として、あるいは次のステップへの足掛かりとしてお試しいただけたれば幸いです。

 

テキストは①~⑥に分かれており、それぞれ以下のような内容になっています。

 

①「練習の前に / 音出しとバズィング」(音源にリンクしています)

楽譜販売ページへ

 

②「ウォームアップ」※金管楽器は指番号もつけました(②③)

楽譜販売ページへ

 

③「レガートとリップスラー」※打楽器にも課題がいろいろがあります

楽譜販売ページへ

 

④「半音階」※まずガイドの音を聴いて始めるようになっています(省略可)

楽譜販売ページへ

 

⑤「スケールとアルペジオ」※アルペジオはオプションです

楽譜販売ページへ

 

⑥「チューニングとバランス、ユニゾンとハーモニー」※必要なところを選んで組み合わせられます

楽譜販売ページへ

 

次回から各テキストのもう少し詳しい内容や使い方などについて記していきたいと思います。

(2020.06.08)


小中高生のための金管楽器リップスラー50レッスン

2014-04-04 | 出版楽譜:吹奏楽トレーニングブック

4月3日より販売開始となりました!

「ミュージック・ベルズ」さんより発売中 (販売ページへ)

 金管楽器にとって最も大切なリップスラーの練習を、初心者から無理なく計画的に進められるようにしたテキストです。部活動の個人・パート練習のほか、金管セクションでの合同練習にも使えます。

自分自身、部活動では秋山紀夫先生などのテキストを長年愛用してきましたが、それらを参考に全体を5つの「級」と10の「課題」に分け、チェック欄なども設けるなど、子どもたちや現場の顧問の先生が利用しやすいよう考えまてみました。楽譜サンプルは上記販売ページを参照ください。

 

【ねらいと特徴】

 ・リップスラーの前に「バズィング」と「唇と指のリラックス」を行い、自然にウォーミングアップも兼ねられるようになっています。また、バズィングには簡単なメロディーも取り入れて練習しやすいようにしました。

 ・リップスラーは「4級」→「3級」→「2級」→「1級」→「初段」と5つのステップに分かれ、それぞれ10のレッスンで構成されているので、自分の進度やレベルがわかりやすくなっています。

 ・全てのレッスンで使われる音符は8分音符までとし、3連符や16分音符は出てきません。音域も無理のない範囲で、急に難しくなるところもありませんから、初心者から中級者まで使えます。

 50レッスンそれぞれにチェック欄、各ステップごとに「合格」欄があるので、個人や顧問の先生の確認・指導にご利用ください。

 ・個人練習やパート練習の他に金管セクション合同でも使えます。(※スコアも準備されています)

 ◆ホルンはF管用とB♭管用の2つがあり、B♭管用は他の金管楽器と同じ音と動きになっていますが、F管用はホルンの倍音列に合わせて他の金管楽器とは一部異なる譜面となっています。個人練習やパート練習にはF管用をお勧めします。金管セクションでの合同練習ではB♭管用で同じ音を吹くか、F管用で四度上を吹くかなど、目的に合わせて楽譜を選択してください。