東成区役所の裏手に、昭和初期のレトロな雰囲気の一風変わった建物があります。
大阪セルロイド会館です。
大阪セルロイド会館は昭和6年に建築され、昭和12年に増築されました。列柱構成と町家風という対照的な意匠を持つビルで、平成13年に文化庁により登録有形文化財(建造物)に指定されました。
セルロイドとは、歴史上最も古くに開発された合成樹脂のことで、ピンポン玉やギターのピック等に使われます。アニメーションの画材に用いられる透明シートの素材は、1950年代までセルロイドが使用されていたため、「セル画」と呼ばれました。
大阪市、特に東成区今里には工場が多数あり、セルロイド産業が盛んでした。
十河与三郎が大阪セルロイド、中谷岩次郎が中谷セルロイドを設立した場所として知られています。
現在、この建物の中には眼鏡、スキー、プラスチック資材といったセルロイドと関係のある組合、連盟の事務所が入居しています。1階の事務所に声をかければ、小数ですがセルロイド製品を見せてもらえます。
大阪セルロイド会館正面
セルロイド会館の裏手
窓も柱も風変わり
セルロイド会館正面側の内部
窓も階段も手すりも踊り場も直線的
セルロイド会館裏手側の内部
窓も会談も手すりも踊り場も曲線的。正面側と様式が全く違うのが面白い!
場所:大阪市東成区大今里西2-5-12