事業仕分け第1弾の復習です。
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行政刷新会議の12日の事業仕分け結果の詳報は次の通り。
▽国土交通省
【まちづくり関連事業】2010年度予算に計1698億円を概算要求。市町村のまちづくりを支援する「まちづくり交付金」(要求1300億円)、市街地再開発事業(同232億円)、都市再生推進事業(同130億円)、都市・地域交通戦略推進事業(同25億円)、みなと振興交付金(同10億円)の5事業で、仕分け人からは「地方は交付金を受け取る方が得をする。そのため無駄な公共事業の温床になっている実態がある」などの批判や、地方に財源と権限を移すべきだとの意見が相次いだ。仕分け人のうち3人が廃止、6人が自治体移管などと評価し、「地方自治体や民間の判断に委ねるべきだ」と判定され地方移管となった。
【財団法人民間都市開発推進機構】30億円を概算要求しているまち再生基金は、10年度予算への計上見送りを判定。まち再生参加業務円滑化基金(09年度残高37億円)、無利子貸付金(同1097億円)、事業促進支援基金(09年8月末残高80億円)には、全額国庫返納を求めた。このうち無利子貸付金と事業促進支援基金について国交省は既に、09年度内に全額返納予定としている。民間都市再生基金(09年度残高98億円)は、過大分の国庫返納となった。
【直轄国道の維持管理】財務省の予算査定担当者が「清掃回数などを定めた統一的な管理基準がなく、現場任せのため無駄が生じている」と指摘。仕分け人からも、国交省OBの天下り先の公益法人が業務を受注していることに批判が集中。判定では、こうした問題点を改善し、10年度で2325億円としている概算要求額を10~20%削減するよう求めた。
【直轄河川・直轄ダムの維持管理】1254億円を概算要求。委託先が国交省所管の建設弘済会などの公益法人に集中していることや、1社だけの入札も多くコスト高になっていることが問題視され、予算の10~20%削減と判定された。
【国営公園の維持管理】「民間に開放し経費を削減すべきだ」とし、概算要求115億円からの20%削減を求めた。
▽厚生労働省
【こども未来財団】企業の拠出金を財源とする特別会計などから311億円の基金を設け、その運用益や国の補助金で、授乳室の整備助成などの子育て支援事業を行っている。人件費など財団の管理費が約5億円に上り、厚労省OBの役員が高額報酬を得ていることが批判された。判定では管理費を見直し、基金を国庫に全額返納することなどが求められた。
【医師確保、救急・周産期対策の補助金等(一部モデル事業)】来年度の要求額は573億円だが、医師不足対策に向け診療報酬の配分を見直すことを前提に「50%削減」と判定された。事業は産科や救急などの医師不足を受け、病院の救急勤務医への手当金や周産期母子医療センターの整備など。仕分け人は「昨年度の予算執行率が約70%」などと指摘した。
【健康増進対策費(女性の健康支援対策事業委託費)】女性特有の疾患の予防活動で、厚労省は4億円を要求。仕分け人からは「各自治体に任せれば十分」「緊急性はない」との意見が出され「廃止」に。
【社会保障カード】年金手帳と健康保険証、介護保険証の機能を1枚のカードに持たせる構想。自公政権下で11年度の導入に向け、検討が進められていた。厚労省は、調査費などとして計上した10月時点の要求額7億円を3億円減らす方針を表明した。しかし、民主党の方針である年金通帳や「税と社会保障制度共通の番号制度」との整理が必要として、「来年度の予算計上は見送り」と判定された。
【キャリア交流事業費】中高年のホワイトカラーの再就職を支援するため全国15カ所にキャリア交流プラザを設置。10年度の概算要求は11億円。「都道府県やハローワークでも可能だ」「土地や建物のコストが高すぎる」との批判が相次いだ。厚労省は事業存続を主張したが、判定結果は「自治体や民間の実施に任せる」だった。
【労働者派遣事業雇用管理改善等推進事業費】労働紛争を未然に防ぐため、民間の専門相談員に委嘱して派遣労働者や企業からの相談に応じる事業(要求額4億円)。判定結果は「予算を半額に削減」。地方労働局の職員が直接相談に応じるようにするなど事業を抜本的に見直すことも求めた。「具体的な効果が不明確」などの指摘が相次いだ。
【障害者保健福祉推進事業費(障害者自立支援調査研究プロジェクト)】公益法人や特定非営利活動法人などが行う障害者支援のための調査研究事業に助成する。厚労省の要求額は13億円。全国精神障害者社会復帰施設協会(全精社協)がこの事業で不正に補助金を受け取っていたとされる。仕分け人から不透明さを指摘する意見が出され、廃止となった。
【障害者保健福祉推進事業費(工賃倍増5カ年計画支援事業費)】授産施設などで働く障害者の経済的自立を目指し工賃の引き上げを図るため、職業指導員の研修や経営コンサルタントの派遣などを行う。予算の執行率は08年度で22・2%にとどまっており「効果的でない」などとして、予算の半減を求めた。
【水道施設整備事業】簡易水道の施設整備や老朽化した水道施設の耐震化で地方自治体を補助する事業で、厚労省は818億円を要求していた。同省は、水道料金の地域格差を緩和し、水道施設の耐震化を進めるため必要と強調したが、仕分け人からは「独自に取り組んでいる自治体もある」などの意見が相次ぎ「10~20%」の削減。
▽農林水産省
【耕作放棄地再生利用緊急対策】農地所有者に利用する意思がない「耕作放棄地」を再び耕す際にかかる費用を国が補助する制度だが、9月末時点の執行率は約3%。農水省は「食料自給率向上に欠かせない」と主張したが、結論は「今ある基金の範囲内でも来年度の執行に支障を来さない」。農水省が10年度に求めていた70億円の基金積み増しは見送るべきだと判定した。
【農地集積対策(1)食料安定供給特別会計農業経営基盤強化勘定】同勘定には、剰余金が382億円、積立金が153億円滞留している。「いったん国に返して有効な使い道を考えるべきだ」として判定は国庫返納。農地集積関連の融資は「国からの支援は利子補給までに限るべきだ」、補助金は「少なくとも半減させるべきだ」との結論に。
【農地集積対策(2)担い手支援貸付原資基金等】地方自治体の公社などが離農する農家から農地を買い取る際などに無利子資金を貸し付ける事業。事業そのものの必要性が低いとする意見が大勢を占めた。他の2基金を合わせて計823億円を国庫に返納するべきだと判定。
【農地の保全】農業用の水利施設の保全を国が補助する事業(10年度要求額40億円)については「自治体の判断に任せる」と判定。土地改良事業関連の普及啓発活動(2億円)と、フードバンク活動を行う民間非営利団体(NPO)などへの補助(4億円)は「廃止」とした。いずれの事業も仕分け人からは「国がそこまでやる必要はない」との意見が出された。
【農村振興関係(1)】都市部の若者が農村で働く際に、研修手当などを補助する農村活性化人材育成派遣支援モデル事業(概算要求5億円)は「自治体に判断を任せるべきだ」という意見と「要求通り計上する」が同数だったため、両論併記。新たな農山漁村コミュニティ・マネジメント創造支援事業は「国が行うべきではない」。「農山漁村地域力発掘支援モデル事業」も「国の事業としての必要性を感じない」と結論付けた。
【農村振興関係(2)】農山漁村活性化プロジェクト支援交付金など農水省の都市農村交流関連の三つの交付金は、いずれも「削減するべきだ」と判定。削減幅は半分から3分の1が大勢だった。都市と農村の交流を促進させるために必要だとする農水省に対し「そば打ち道場などのハコモノが農村の活性化に本当に役立つのか」といった疑問が出された。
【基金(1)】燃油高対策として設けられた水産業燃油高騰緊急対策基金など水産庁所管の4基金について「10年度の所要額を除き、国庫に返納すべきだ」と判定。4基金は単純合算で1269億円。事業自体については評価する声が出たが、基金の方式では実際に資金が漁業者に届くまで時間がかかりすぎるとの指摘があった。
【基金(2)】土地改良事業に対する農家の負担の軽減を目的とした土地改良負担金対策資金など4基金について、10年度の所要額を除いた全額の国庫返納を求めた。多年度にわたる資金を保有する必要がないと判断した。4基金の09年度末残高見込みは計2千億円を超える。
▽内閣府
【普及・啓発(青少年育成、犯罪被害者等施策、自殺総合対策などの推進)】概算要求は13億円。内閣府は「政府としての輪郭を示す上で最低限必要な事業だ」と主張。仕分け人からは「フォーラムを行うことが目的化している」「他省庁が主体のものは統合すべきだ」などの意見が出た。廃止論も飛び出したが、3分の1程度縮減に決定。
【政府広報】概算要求に85億円を盛り込んでおり、内閣府は「重要施策は国民に広く理解してもらう必要がある」と意義を強調。これに対し仕分け人から「費用対効果を検証すべきだ」「誰も見ていない」との指摘が出された。最終的に「政府広報は必要だが、抜本的見直しを求める」として、「半額」と判定した。
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行政刷新会議の12日の事業仕分け結果の詳報は次の通り。
▽国土交通省
【まちづくり関連事業】2010年度予算に計1698億円を概算要求。市町村のまちづくりを支援する「まちづくり交付金」(要求1300億円)、市街地再開発事業(同232億円)、都市再生推進事業(同130億円)、都市・地域交通戦略推進事業(同25億円)、みなと振興交付金(同10億円)の5事業で、仕分け人からは「地方は交付金を受け取る方が得をする。そのため無駄な公共事業の温床になっている実態がある」などの批判や、地方に財源と権限を移すべきだとの意見が相次いだ。仕分け人のうち3人が廃止、6人が自治体移管などと評価し、「地方自治体や民間の判断に委ねるべきだ」と判定され地方移管となった。
【財団法人民間都市開発推進機構】30億円を概算要求しているまち再生基金は、10年度予算への計上見送りを判定。まち再生参加業務円滑化基金(09年度残高37億円)、無利子貸付金(同1097億円)、事業促進支援基金(09年8月末残高80億円)には、全額国庫返納を求めた。このうち無利子貸付金と事業促進支援基金について国交省は既に、09年度内に全額返納予定としている。民間都市再生基金(09年度残高98億円)は、過大分の国庫返納となった。
【直轄国道の維持管理】財務省の予算査定担当者が「清掃回数などを定めた統一的な管理基準がなく、現場任せのため無駄が生じている」と指摘。仕分け人からも、国交省OBの天下り先の公益法人が業務を受注していることに批判が集中。判定では、こうした問題点を改善し、10年度で2325億円としている概算要求額を10~20%削減するよう求めた。
【直轄河川・直轄ダムの維持管理】1254億円を概算要求。委託先が国交省所管の建設弘済会などの公益法人に集中していることや、1社だけの入札も多くコスト高になっていることが問題視され、予算の10~20%削減と判定された。
【国営公園の維持管理】「民間に開放し経費を削減すべきだ」とし、概算要求115億円からの20%削減を求めた。
▽厚生労働省
【こども未来財団】企業の拠出金を財源とする特別会計などから311億円の基金を設け、その運用益や国の補助金で、授乳室の整備助成などの子育て支援事業を行っている。人件費など財団の管理費が約5億円に上り、厚労省OBの役員が高額報酬を得ていることが批判された。判定では管理費を見直し、基金を国庫に全額返納することなどが求められた。
【医師確保、救急・周産期対策の補助金等(一部モデル事業)】来年度の要求額は573億円だが、医師不足対策に向け診療報酬の配分を見直すことを前提に「50%削減」と判定された。事業は産科や救急などの医師不足を受け、病院の救急勤務医への手当金や周産期母子医療センターの整備など。仕分け人は「昨年度の予算執行率が約70%」などと指摘した。
【健康増進対策費(女性の健康支援対策事業委託費)】女性特有の疾患の予防活動で、厚労省は4億円を要求。仕分け人からは「各自治体に任せれば十分」「緊急性はない」との意見が出され「廃止」に。
【社会保障カード】年金手帳と健康保険証、介護保険証の機能を1枚のカードに持たせる構想。自公政権下で11年度の導入に向け、検討が進められていた。厚労省は、調査費などとして計上した10月時点の要求額7億円を3億円減らす方針を表明した。しかし、民主党の方針である年金通帳や「税と社会保障制度共通の番号制度」との整理が必要として、「来年度の予算計上は見送り」と判定された。
【キャリア交流事業費】中高年のホワイトカラーの再就職を支援するため全国15カ所にキャリア交流プラザを設置。10年度の概算要求は11億円。「都道府県やハローワークでも可能だ」「土地や建物のコストが高すぎる」との批判が相次いだ。厚労省は事業存続を主張したが、判定結果は「自治体や民間の実施に任せる」だった。
【労働者派遣事業雇用管理改善等推進事業費】労働紛争を未然に防ぐため、民間の専門相談員に委嘱して派遣労働者や企業からの相談に応じる事業(要求額4億円)。判定結果は「予算を半額に削減」。地方労働局の職員が直接相談に応じるようにするなど事業を抜本的に見直すことも求めた。「具体的な効果が不明確」などの指摘が相次いだ。
【障害者保健福祉推進事業費(障害者自立支援調査研究プロジェクト)】公益法人や特定非営利活動法人などが行う障害者支援のための調査研究事業に助成する。厚労省の要求額は13億円。全国精神障害者社会復帰施設協会(全精社協)がこの事業で不正に補助金を受け取っていたとされる。仕分け人から不透明さを指摘する意見が出され、廃止となった。
【障害者保健福祉推進事業費(工賃倍増5カ年計画支援事業費)】授産施設などで働く障害者の経済的自立を目指し工賃の引き上げを図るため、職業指導員の研修や経営コンサルタントの派遣などを行う。予算の執行率は08年度で22・2%にとどまっており「効果的でない」などとして、予算の半減を求めた。
【水道施設整備事業】簡易水道の施設整備や老朽化した水道施設の耐震化で地方自治体を補助する事業で、厚労省は818億円を要求していた。同省は、水道料金の地域格差を緩和し、水道施設の耐震化を進めるため必要と強調したが、仕分け人からは「独自に取り組んでいる自治体もある」などの意見が相次ぎ「10~20%」の削減。
▽農林水産省
【耕作放棄地再生利用緊急対策】農地所有者に利用する意思がない「耕作放棄地」を再び耕す際にかかる費用を国が補助する制度だが、9月末時点の執行率は約3%。農水省は「食料自給率向上に欠かせない」と主張したが、結論は「今ある基金の範囲内でも来年度の執行に支障を来さない」。農水省が10年度に求めていた70億円の基金積み増しは見送るべきだと判定した。
【農地集積対策(1)食料安定供給特別会計農業経営基盤強化勘定】同勘定には、剰余金が382億円、積立金が153億円滞留している。「いったん国に返して有効な使い道を考えるべきだ」として判定は国庫返納。農地集積関連の融資は「国からの支援は利子補給までに限るべきだ」、補助金は「少なくとも半減させるべきだ」との結論に。
【農地集積対策(2)担い手支援貸付原資基金等】地方自治体の公社などが離農する農家から農地を買い取る際などに無利子資金を貸し付ける事業。事業そのものの必要性が低いとする意見が大勢を占めた。他の2基金を合わせて計823億円を国庫に返納するべきだと判定。
【農地の保全】農業用の水利施設の保全を国が補助する事業(10年度要求額40億円)については「自治体の判断に任せる」と判定。土地改良事業関連の普及啓発活動(2億円)と、フードバンク活動を行う民間非営利団体(NPO)などへの補助(4億円)は「廃止」とした。いずれの事業も仕分け人からは「国がそこまでやる必要はない」との意見が出された。
【農村振興関係(1)】都市部の若者が農村で働く際に、研修手当などを補助する農村活性化人材育成派遣支援モデル事業(概算要求5億円)は「自治体に判断を任せるべきだ」という意見と「要求通り計上する」が同数だったため、両論併記。新たな農山漁村コミュニティ・マネジメント創造支援事業は「国が行うべきではない」。「農山漁村地域力発掘支援モデル事業」も「国の事業としての必要性を感じない」と結論付けた。
【農村振興関係(2)】農山漁村活性化プロジェクト支援交付金など農水省の都市農村交流関連の三つの交付金は、いずれも「削減するべきだ」と判定。削減幅は半分から3分の1が大勢だった。都市と農村の交流を促進させるために必要だとする農水省に対し「そば打ち道場などのハコモノが農村の活性化に本当に役立つのか」といった疑問が出された。
【基金(1)】燃油高対策として設けられた水産業燃油高騰緊急対策基金など水産庁所管の4基金について「10年度の所要額を除き、国庫に返納すべきだ」と判定。4基金は単純合算で1269億円。事業自体については評価する声が出たが、基金の方式では実際に資金が漁業者に届くまで時間がかかりすぎるとの指摘があった。
【基金(2)】土地改良事業に対する農家の負担の軽減を目的とした土地改良負担金対策資金など4基金について、10年度の所要額を除いた全額の国庫返納を求めた。多年度にわたる資金を保有する必要がないと判断した。4基金の09年度末残高見込みは計2千億円を超える。
▽内閣府
【普及・啓発(青少年育成、犯罪被害者等施策、自殺総合対策などの推進)】概算要求は13億円。内閣府は「政府としての輪郭を示す上で最低限必要な事業だ」と主張。仕分け人からは「フォーラムを行うことが目的化している」「他省庁が主体のものは統合すべきだ」などの意見が出た。廃止論も飛び出したが、3分の1程度縮減に決定。
【政府広報】概算要求に85億円を盛り込んでおり、内閣府は「重要施策は国民に広く理解してもらう必要がある」と意義を強調。これに対し仕分け人から「費用対効果を検証すべきだ」「誰も見ていない」との指摘が出された。最終的に「政府広報は必要だが、抜本的見直しを求める」として、「半額」と判定した。
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