
これは、
俺の、
小学校時代の思い出や。
俺のクラスメイトにクリハラくんというブサイクな男がいた。
この男は、
人の粗探しが好きで、
差別罵りを常にし、
他人を小馬鹿にすることに、
喜びを見出していた。
家は中華料理のチェーン店持つほどの金持ちで、
豪邸立てていた。
また、
高価な芸術品を居間にたくさん飾っていた。
高級外車までも有していた。
けど、
実際は、
経営悪化の火の車で、
クリハラくんの父親は、
火災保険から生命保険まで、
あらゆる保険を解約するほどの惨状やった。
が、
子供時代の俺らには、
そんな事実が、
わかる由もなかった。
ある夜、
クリハラくんが庭でしていた花火が、
ペンキ缶に引火して、
家事になり、
家は全焼した。
火の車の中でも手放せなかった高級外車も炎に包まれ、
火の車になった。
三日後、
焦げた服を着たクリハラくんが登校してきた。
放心状態で、
ヨダレたらしていた。
校長先生の発案で、
全校生徒300人に、
クリハラくんの為の、
一円玉募金がなされていた。
それで、
校長先生は、
ビニール袋に入った300枚の一円玉をクリハラくんに渡し、
「くじけたらいかんよ」と励ました。
クリハラくんは、
ヨダレたらした放心状態で、
袋いっぱいの一円玉を受け取った。
ケイジロウ。
俺は、
あの、
一円玉300枚ビニール袋で、
もうクリハラくんは、
くじけてたんやないかと思うけど---。
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