時は80年代のこと。
この時代にはスマホ📱が無かったらしいけど、
そんなことはどうでもエエ。
この時代に、
タクミという青年がいた。
タクミは、
大阪本場からやって来た、
『伝説』という異名をとるたこ焼き屋のたこ焼き食って、
味覚から全身が極楽的なしびれに覆われ(🤔❓)、
『伝説』を称えた!
そして自分自身、
『伝説』の跡継ぎを決意した。
時は90年代になる。
タクミは、
とあるデパートの場を借りて、
たこ焼き屋を営んだ。
が、
多くの客から「まずい🤢」評価のテンコ。
甚しくは、
たこ焼きを食った子供がゲロまで吐いた。
タクミは工夫に工夫したが、
却って、
味はまずくなる一方やった。
タクミは大阪に来て、
『伝説』に自分のたこ焼きを食べてもらった。
『伝説』は言った。
「お前はたこ焼き屋という自覚はあっても、それ以上の大切なモノがない」と言い、
言葉に詰まるタクミに、
「お前はたこになりきってない」と付け加えた。
タクミは、
『伝説』の言った意味が全くわからず、
やみくもにたこ焼きを焼き続けた。
そして、
焼けば焼くほど、
まずいと言われ、
客足が遠のいていった。
その頃から、
タクミは神経衰弱になり、
たこ🐙の幻を見るようになった。
たこ🐙はタクミに言った。
「このタコが!たこになりきれんはんぱモノが」と言い、
「お前にたこ焼きを焼く資格はねぇだわさ」と馬鹿にした。
タクミはたこ🐙の幻に語りかけた。
「御たこ様!どうすればたこになれるのでしょうか?」と問うと、
たこ🐙はせせら笑い、
「このタコが!自分で見いだすんだわさ」と言って消えた。
こういう心理状態が毎日のように続きいてとつきとおか、
タクミは名をタコミと変名した。
相変わらずたこ焼き屋を続けるタクミことタコミの焼くたこ焼きが、
美味くなることはなかった。
ただ、
タコミの顔が、
目が細まり唇が突き出して、
顔の輪郭もまんまるくなってきたことだけは、
目に見える変化として表れた。
なのに、
来店客はキモがり、
「たこみたいな顔になってもたこ焼きまずい🤢やんけ」と陰口叩き、
たこ🐙の幻はタコミに、
「このタコが!それでたこになったつもりか?まだ手足が別々であと四つ足らんだわさ」と罵るんやった。
現在、
タコミが借りてたデパートは無くなり、
タコミは引っ越して行った。
が、
噂によれば、
更に顔がタコ化しつつも、
どこかでひっそりと、
まずいたこ焼き屋をしているという。