●なんか思い出しちゃったもんで。
●わたし、こうみえても小学生の頃、サッカー部だったのですよ。
とはいっても小3~小5っつうすごくピンポイントの時期だけなんですけどね。
まあ、小5の1月に辞めたわけですけど。
当時の僕の学校終わってからのタイムスケジュールはですね、
月曜日 そろばん
火曜日 サッカー部 全体練習
水曜日 そろばん
木曜日 習字
金曜日 そろばん
土曜日 サッカー部 全体練習
という、売れっ子スケジュールでして(笑)
●そろばんと習字については、
親から
「小学3年生になったら習うもの」
と刷り込まれていたものですから、
行くのが当然と思っておりまして。
加えて小2までは学童保育にお世話になっていましたから
【ガッコ終わった後に、まずはウチに帰る】
という習性を持ちあわせておらず、
単に行く場所が変わっただけで
習慣としては同じ、といった感じで
意外とすんなりと
この事実を受け入れていたのです。
●ところが小3に上がった頃から、
今にして思えば、【自我】ってヤツが
メキメキと頭角を現し始めまして
きっかけはご多分に漏れず『キャプテン翼』の影響で
その実きっと、
【自分で始めたこと】
をやりたかったんだろうと思いますが、
その年の冬にサッカー部に入部するという決断に出るわけです。
●して、そのサッカー部は
全体練習以外の日は個人練習したり、
誰かとチーム組んで自主練“させられる”日なんですけど、
なにせわたし売れっ子なもんで、
「今日はそろばん」とか言って途中で引き上げたりしてたら
サボりだと言われましてね。
只でさえ下手くそなオマエが何さらしとんジャイ、と
責められる場面も少なくなかったりして。
このへんで「あれ?」とか思い出します。
今まで、
下校時、校門の前で
「じゃ、○時に大公園に集合なっ!」とか
「じゃ、○時にワールド(駄菓子屋)に集合なっ!」とか
約束をしたことのない自分に
そこはかとない疑問は抱きつつも
姉達が当然のようにクリアしてきた道であることもあって
「ホントは小2からやらないかんかったんだよ」という母親の言葉もあって
【そろばん習字に通えなければ間(ヒトニアラズ)】
みたいな呪縛にわたしは取り憑かれており
他の事情がそろばん習字に優先する場合がある、
という選択は僕のアタマにはさっぱりなかったわけです。
ところが、自分で始めたはずのサッカー部ではそれは許されないことらしい…。
おかしいやないけ?
●そんな違和感を抱いたまま、
それでも粛々と日常を続けて一年後、
小4の3月に
わたしはまた、ひとつの決断をしました。
空手を始めたのです(笑)
当時はクラスメートであり親友であるところのリョーちんがやってる
空手がカッコよか!
オレも強くなりたか!
かーちゃん、月謝はなんと1,000円だよっ!
とか思って始めたと思っていましたが
(そして「強くなりたい」という意味は、当時のクラス内派閥闘争を生き残るための自分なりの対策だったように思えます。昨今のいじめ問題、言葉の意味以上に他人事ではないです)
実のところは
今度こそ【自分で始めたこと】で認められたかったのでしょう。
その上、そろばんも習字もサッカー部も辞めませんでした。
まさにブレイク芸人状態。
身も心も疲弊しきったその年の冬に事件は起こりました。
…指令台から落っこちて腕折ってんねん。
あほやろ(笑)
●腕の骨折は結構ひどくてですね。
整復の権威がたまたま同席してくれてなんとか真っ直ぐに戻したものの
ショック状態ということもあり、入院を余儀なくされたわけです。
で、入院して二日目、
水曜日だったとおもいますが。
突然に訪れた非日常は、わたしに気付かせてしまいました。
「うわ、今日そろばんじゃん。……行けんじゃん」
おお。
行かなくても死なねーぞオレ。
違う日常を過ごしても、一日は終われる。
●思ったら最後、気づいたら最後。もう止まりゃしねーよ。
うわー。
ワールド(駄菓子屋)で待ち合わせしてー。
戸田川まで雷魚釣りに行きてー。
100円積み上げて、閉店までギャラガ死ぬほどやりてー。
やまちゃん家にある山のようなファミコンソフト、全部やりてー。
アタマん中、そんなんばっか。
いや、別に上に挙げたことはまったくできなかったわけではないんですけどね。
小4の夏過ぎあたりから人間関係が複雑になってきまして(笑)
前は誰々と遊んだから今日は誰々と遊ばなあかん、
でも時間ない、みたいな。
小5からは更に複雑になりましてね(笑)
オマエ、昨日はあいつらと一緒だったのに俺らとは駄目なんか、とかね。
部活の連中としかつるまんとや?俺らどうでもええんか、とかね。
もっと時間があれば、もっとうまく“こなせる”のに!
とかずっと思ってたこともあって。
思いました。
“全部”辞めちゃる。
オレは自由だ。
翌日、母親に「全部辞める」って宣言しました。
翌々日、見舞いに来た担任(あだ名は鉄仮面)に告げました。
●そいたらですよ。
鉄仮面(あだ名。仮名)が言いやがるわけですよ。
「もう一度、考えなおしてみなさい」
考えたっちゅうねん。
それこそ1年以上考え続けてきたっちゅうねん。
オマエ、オマエ、
そんな通り一辺倒の、
ドラマに出てくるような安い定型句で
オレの年月を測るなや。
とか、コドモながらに思いましたよ。
(いや、どんなに考えてたところで
それを表に出さなきゃ他人にゃ伝わらないんですけどね。
以心伝心なんぞ信じるのは身勝手の極みですよ。
音楽以外はね(笑)
問いかけは必要だと思いますけどね。特に小学生に対するオトナの態度としては)
退院の日に再び来てくれた鉄仮面に言いました。
「ですから、全部辞めます」
●退院して、学校に復帰して、最初に友達に言われたことは
「パルきんが全部罪を背負ってくれたんだ。
もう俺達はケンカすることやめたから。全員で仲良くしようぜ」
って一言でした。
オレはキリストか(笑)
やってらんね。
ヒトを派閥抗争集結のダシに使ってんじゃねーよ。
テメーらとは組まねー。
オレは自由だ。
(今にしてというか、当時から多分わかっていたのですけど。それが彼らなりの反省であり、また、目の前で大怪我したクラスメートの入院というショックから立ち直るための決意だということは。)
●鉄仮面から、サッカー部の退部は顧問に直接自分で告げなさい、と言われていたので、
登校初日の放課後に顧問、あだ名はモッコリショーに告げに行きました。
(なぜモッコリショーというアダ名なのかは伏せておきます。
しかし賢明な方なら小学生サッカー部の顧問がつけられるようなアダ名という時点でお気づきかと思います。
それでもヒントを書くならば(笑)、彼は典型的な体育会系の人物で、年がら年中ジャージで就業していました。以上ヒント笑)
さて、職員室でストーブに手を当てたまま、こちらを振り向かないモッコリショーに向かって
わたしは告げました。
「サッカー部、辞めます」
するとモッコリショーは言いました。
「一度、担任の先生と話してから、もう一度きなさい」
いや、思ったね。
コドモながらに思ったね。
オマエラ、話、通しとけや。
何回、往復させるつもりだバカヤロー。
●そんなこんなで、わたしの売れっ子ブレイク芸人生活は終わりを迎えました。
モッコリショーにはなんて言ったか?
翌日、もう一度言いに行きました(笑)
鉄仮面とちゃんと話したよって言って(笑)
まあでも、その後、空手だけは続けることにしたんですけどね。
理由はこのブログのどっかに書いてあります(笑)
それも【前歯・ヌンチャクで粉砕事件】を契機に行かなくなり、
一心発起して入った中学では
入学式前日に今度は左足を折り(笑)
松葉杖して入部した柔道部は一年で廃部になるという
なんとも間の悪い事件が重なって完全に精神的ヒキコモリになるわけですが(笑)
●最近は簡単に使われすぎなきらいもあると思いますが、
敢えていうなら、この一連の出来事は見事にわたしのトラウマとなって
それを克服するために高校入学を機に決めた
「始めたことは、もう辞めない」
が、いいか悪いか先のトラウマと重なって、以後の自分を形成していったものと推測します(笑)
だからいつ辞めてもおかしくなかった大学での活動とか
ジリ貧だってことがわかってた会社にい続けたのも、
決して意思が強かったわけではないんだよ、なんて
懺悔に近い気持ちで吐露したりもしてみます。
以前書いたこともある【続ければ結果が出る】は
このような経験を踏まえて出てきた言葉のように思えますが、
それはあくまで「プラスの見方」をした際に言えることであって。
●わたしの周りは優しい人ばかりで
時にわたしのことを評するときに
「慎重である」
と表現していただけることが多いのですが
それは「辞めるわけにはいかないから始めることが出来ない」だけなのかも知れません。
ですがそれはまた、
同じ事実を、違う側面から語っているだけのように思います。
なんだトラウマとか大層な言葉を使っちゃいるが、
この程度のことなど誰にでもあることであり、
たいていの場合、
20代のウチに消化・昇華しておくべきことなのであって
今更大仰に長々と書くようなことではありません。
それでもいま、
こんなことを書いてしまったのは、
冒頭の映画の内容と
先日、とある話をとある人物としていたときに出てきた
「それがどんなことであれ、またどんな結論であれ、【決めた】ってことが凄いと思うんだ」
という言葉がきっかけであり、
ああ多分わたしは
続けることが出来ているのではなくて
辞めることが出来ないだけなのではないか、
とか思ったりしちゃったわけなのです。
え?
いやわかってんよ。
【続ける】って【決め】ればいいだけの話だろ?
うるせーよ。
オマエとは組まねー(笑)
ああ、不自由だ(笑)
でも、悪くねーよ。