少し前のことですが、多摩市にある「東京都埋蔵文化財調査センター」を訪問しました。
動機となったのは、私が住む稲城市若葉台の宅地造成期に見つかった遺跡(「多摩ニュータウンNo.9遺跡」 ↓左)から、縄文時代中期後半(約4,500年前)の土偶が100体以上出土しており(↓右)、関東地方では質・量ともに群を抜く貴重な資料(都指定有形文化財)だということを知ったからです。
(★これより下の画像は、クリックすると大きくなります。リンクに別画像が入っているものもあります。)
これらの土偶を見るために当該センターを訪れましたが、残念ながら直接見ることは叶いませんでした。それでも、類似の土偶何体かを観ることができましたし、古代の土器類や装飾品を通し、古代人の暮らしに触れることができました。
まず、当該センターについて解説しますと...
東京都には数多くの遺跡が残されており、都民共有の文化遺産として保護し、次世代に引き継いでいくことが求められている一方で、開発事業も進められているため、文化財保護と都市開発との両立を図る必要があります。そのために設立されたのが当該センターで、埋蔵文化財の発掘調査・研究・保存事業や広報・普及事業を行っています。
一般の人が見学できるのは、建物内の展示ホール(↓左)と野外の遺跡庭園「縄文の村」(↓右)です。
「多摩ニュータウンNo.57遺跡(縄文時代集落)に盛土をして、当時の多摩丘陵の景観を復元したものです。トチノキ・クルミ・クリをはじめ50種類以上の樹木やゼンマイ・ワラビ等を植栽して、当時の植生を再現しています。また、3棟の復元住居があります」
常設展示(「通史展示」):「『多摩を発掘する』と題して、旧石器時代から縄文・弥生・古墳・奈良・平安・中世・近世にいたる約3万年の多摩丘陵の歴史を、発掘された出土品を中心に展示しています」
企画展示:「多摩ニュータウン遺跡以外の資料も交えて、毎年テーマを替えた一年間の企画展示を行っています」
(左)正面 (右)背面 |
土偶は女性の体に見えます(胸の膨らみ、お腹には妊娠線を連想するような縦線あり)が、顔がデザイン化されている(ハート形など)ことを考えると、神化しているとも考えられるのだそうです。 |
何年か前に、川崎市麻生区黒川にある市民農園でもらった土器の破片(右)を鑑定してもらったところ... |
今回は、時間の関係で、生憎遺跡庭園を観ることができませんでした。自然観察にももってこいの場所のようですし、復元住宅の中では火焚きのデモンストレーションも行われています。いつか再訪したいものです。
都民のみなさん、特に多摩ニュータウンにお住まいのみなさん、たまには我が郷土の文化財に触れてみてはいかがでしょうか? 入館無料ですよ(#^.^#)
*【後日追記】土器の破片をくれたIさんに会いに行ってみたところ、現在はこの市民農園を借りていないので来なくなった、とのお仲間談でした。残念(^_^;
【後日追記】(2021.3.25) さらにその後、同じ農園でIさんと無事再会することができ、お礼を伝えることができたばかりか、近辺のキンランが生えている場所に案内してもらうことができました。出会いに感謝です(^^)v
そして、拙ブログをご訪問の上、コメントまでいただき、ありがとうございますm(_o_)m
若葉台はよい街ですよ。きっと気に入っていただけると思います。
近隣の里山などを散策して、ぜひ稲城の自然を味わってみてくださいね。近年開発が進み、その姿が変わりつつあるのがとても残念ですが…。
市内各地で行われる年明けのどんど焼きや、妙見尊の夏の蛇撚り行事、穴澤天神社の里神楽や獅子舞など、伝統行事も多く残っています(このブログでも紹介しています)。ぜひお楽しみくださいね。