怒りの鉄拳

毎日更新日記

太平洋ひとりぼっち(1963)

2006-07-25 10:55:05 | 邦画・
(あらすじ)
一九六二年五月一二日深夜西宮港を、二人の親友に見送られてヨットに乗り移った青年がいた。堀江謙一、この二二才の青年のあやつるヨットは、“マーメイド号"という、長さ五・八メートル、幅二メートルのもの。風のみで走るように設計された船は、三十九時間も大阪湾内を浮きつづけたあげくやっと北風に乗り、大阪湾を乗りきることができた。が海の荒れが彼を待っていた。食べものは吐く、ヨットはキリキリ舞い、しかしその代償として、最も恐れる巡視艇にみつからずにすんだ。彼の行為は日本の法律では許されず密出国となるのだ。悪天候と体力の消耗、それに狐独との戦いは、人間の限界を越したものである。憧れの太平洋に出た日、台風三号に襲われた、大きな巻き波にふりまわされるヨット、苦しい戦いは、堀江青年の苦心の錨操作できりぬける事が出来た。二日二晩の苦悩は彼に母国への郷愁と、孤独感を残した。飲めない酒に心をまぎらわそうとするのも、そのためだ。食事はカン詰を副菜に、水不足のため、ビールで飯を焚いた。ハワイを過ぎた頃、マーメイド号は一万トン程の貨物船に出会った。無精ヒゲで真黒にやけた小さな日本人が片言の英語で渡りあう姿に船上の人々は驚嘆の目をむけた。パスポートの提示を要求されて、危うくこぎ去った堀江青年、緑色の海原、目指すサンフランシスコに近づいたのだ。碁盤の目のようにまたたいている街の灯、長い光の列を目前に、「お母ちゃん、僕きたんやで」青年堀江謙一は操舵席に両足をふんばって立ち、大声で叫けんだ。百日に及ぶ太平洋征服の夢が今実現したのだ。上映時間 97分
監督 市川崑
原作 堀江謙一
脚本 和田夏十
音楽 芥川也寸志 、武満徹
出演 石原裕次郎 、森雅之 、田中絹代 、浅丘ルリ子 、ハナ肇
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-完全燃焼!

夜霧のブルース(1963)

2006-07-24 16:18:38 | 邦画・
(あらすじ)
ここは横浜港、船の荷役を牛耳る野上組はいま得意の絶頂にあった。商売仇の岡部組が人夫らの暴動とそれに捲き込まれた女性の死で手入れを受け、壊滅したからだ。事件につき話があるとボスの野上に西脇と名乗る男が会見を申し込んだ。殺気立つ乾分たちの前に、西脇は遠い過去を呼び返していた。--二年前、西脇は神戸一の貝塚組幹部で羽振りをきかせていた。ある日、彼は喫茶店でオルガンを弾くみち子を知り、その清純な美しさに惹かれた。みち子の固い心も次第にほぐれ、苛酷な代償を求めた貝塚も強固な愛に我を祈り、二人は結婚した。横浜へやって来た二人は貧しいながら幸福な日々を送り、みち子の胎内には新しい生命が育っていた。人夫たちが岡部組と一揉めし乾分のぶっ放した弾丸が、折から西脇を迎えに来ていたみち子の腹を貫いた--だが、西脇は野上の奸計を見抜いていた。人夫たちを煽って騒ぎをおこし、みち子を手下に撃たせて罪をなすりつけ、岡部組の息の根を止めたのだ。数刻後、事務所の中は凄惨な銃撃戦が展開され、西脇は野上を倒した。西脇もまた背中にナイフをつきたてられ、みち子の名を呼びながら息絶えた。上映時間 104分
監督 野村孝
原作 菊田一夫
脚本 国弘威雄
音楽 伊部晴美
出演 石原裕次郎 、浅丘ルリ子 、山茶花究 、垂水悟郎 、天坊準
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忍びの者 霧隠才蔵(1964)

2006-07-24 15:54:05 | 邦画・時代劇
(あらすじ)
慶長十九年、大阪冬の陣は全て、家康の思惑通りに事が運び、秀頼方は、落日の色が濃くなった。主家の大事に馳せ参じる者も少く、真田幸村のみが、九度山にこもっていた。一方天下の覇権を急ぐ家康は、条件に反して大阪城の内堀をも埋めて秀頼らを苦しめた。霧隠才蔵の報告を聞いた幸村は、家康の行動を探ぐるため、才蔵を駿府に、子息大助を島津に出した。途中、大助は家康方を探ぐっていた彦八に、襲われたが才蔵に助けられた。彦八は家康方に仕官する武部与藤次の一党にねがえったのだった。駿府に入った才蔵は、武部の手の者に追われ、遊女屋の一室に忍び込んだ。そこで、家康の兵に追われ、今では、遊女に身を落している腰元茜に再会した。奇縁に喜んだ二人だったが、武部の追手のために、すぐ別れねばならなかった。幸村は才蔵、筧十蔵、海野六郎、穴山小助、乾左平次らに家康暗殺を命じた。一番手の乾は、湯殿の家康を狙ったが、失敗して殺された。次の海野も濠の水門で果てた。家康は、暗殺者のはいかいするのも知らぬげに、例年通り、華やかな花見の宴を催した。中庭の櫓で狼楽踊りが最高潮に達した時、美しい音色の琴がやみ、真二つに割れたのを合図に、筧と穴山が短銃を発砲した。下役人になりすましていた才蔵も槍を閃めかして家康にいどんだが、家康は、影武者だと偽って逃げた。そして、猿楽師の中に混じっていた茜も捕えられて、石牢に閉じこめられ、筧、穴山、才蔵の三人も、死を選んだ。悲しんだ茜は、才蔵の土饅頭に突伏して、胸を刺そうとしたが、才蔵は半日間の仮死状態に堪えて、茜の前に現われた。喜びすがりつく茜を置いて大阪に向った才蔵は、幸村の住む破れ寺で武部らに、包囲された。家康は幸村を仕止めたという報を聞くと茶臼山に兵を進めた。それは大阪夏の陣の始りであった。だが家康の予想に反して大阪城は、幸村が守りを堅めていた。武部は、才蔵の刀で、真二つに転がったものの、戦況はかわらず、大阪城は落城した。秀頼も幸村も自害したといわれながら、死体はどこからも見つけられず、才蔵の漕ぐ船が、どこともなく去ったのを知る人は少い。上映時間 88分
監督 田中徳三
脚本 高岩肇
音楽 伊福部昭
出演 市川雷蔵 、磯村みどり 、城健三朗 、中村鴈治郎、小林勝彦
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忍びの者 続・霧隠才蔵(1964)

2006-07-24 15:52:48 | 邦画・時代劇
(あらすじ)
元和元年五月、大阪は落城した。だが再挙の執念に燃える伊賀忍者霧隠才蔵は、名将真田幸村を助けて重囲を脱出し、海上に襲う服部半蔵ら徳川方忍者群の追撃を退けて、九州薩摩の島津家へ落ちのびた。島津の当主家久、隠居義弘らは、幸村の智謀を島津の勇武に加えることをよろこび、打倒徳川の機会をうかがった。しかし、なぜかこれが駿府の家康の方に洩れた。才蔵はひそかに探索の手をのぱし、自源流師範海江田一閑斎、茶の宗匠宗全らが徳川方の隠密であることを見破った。才蔵に対決を迫られた二人は、わが身を恥じて自殺した。一方島津家の陰謀を知った家康は激怒し、服部半蔵に、幸村、才蔵討伐を命じた。急を知った幸村と才蔵は鉄砲製造の秘法を探ろうと、種ケ島へ潜入した。そんなある日才蔵は浜に打ちあげられた若い女あけみを助け島の天守堂の神父に預けた。やがて尼僧となったあけみは、しばしば才蔵や幸村を訪れるようになった。が、このあけみこそ大阪で才蔵に殺された忍者武部与藤次の娘であった。あけみは、才蔵をあざむき、さらに今は神をもあざむく身となり、罪の意識に責め悩まされた。一方家康はあけみの情報により幸村と才蔵が島津の被護下にあることを知り、家久に両人を駿府へ送りとどけるよう厳命した。これをいち早く察知した幸村は、才蔵、あけみらと別れの宴をはった。が最中席上へ家康方の忍者がなだれこんだ。あけみは、鉄砲で狙われた才蔵の危機を救った。翌朝あけみは、服部半蔵に裏切りの責めを問われ殺された。鶴丸城へ帰った幸村だが、事態は悪くなる一方。幸村は早くも陰謀の壊滅をさとって自殺した。才蔵は単身駿府城の家康の間に忍びこみ、毒針を吹きつけた。やがて家康は世を去った。才蔵は幸村の霊に誇らかに叫んだ。「殿、才蔵は勝ちました!」上映時間 92分
監督 池広一夫
脚本 高岩肇
音楽 池野茂
出演 市川雷蔵、藤由紀子 、藤村志保 、城健三朗 、小沢栄太郎
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忍びの者 新霧隠才蔵(1966)

2006-07-24 15:51:23 | 邦画・時代劇
(あらすじ)
大阪夏の陣も終り、家康は既に将軍職を秀忠に譲り、自らは駿府の居城に引き籠って背後から睨みを利かしていた。しかし伊賀忍者の恐しさを知る家康は、武田信玄に仕えた乱破の子孫・風魔一族を幕下に加えて、伊賀忍者の絶滅を命じた。一方家康への復讐を誓った伊賀忍者の生残り、霧隠才蔵、音羽弥藤次、鴉佐源太らは、くノ一あかねから得た情報をもとに、家康謀殺の機を狙っていた。そしてある日、あかねが手に入れた城内の見取図をたよりに、才蔵は部下の小六とともに家康の寝所に忍び入った。が、いち早く才蔵らの動勢を察した風魔一族の首領・大十郎のために家康刺殺は失敗し、小六は殺され、才蔵は大奥の女主人弥生に助けられた。この弥生は、家康に滅ぼされた長曽我部盛親の姪で、千姫の供として城に身を寄せているものの、機あらは家康を倒そうとそのチャンスを狙っているというのだ。数日後弥生は才蔵の紹介で正式に伊賀一族に会い、家康謀殺への協力を誓った。やがて、弥生の手引きで才蔵らは、家康謀殺の計画を行動に移していった。だが何故か、この計画が事前に敵方に知れ、才蔵らはたびたび窮地にたたされた。左源太らは仲間に裏切者がいるとにらみ、まず城内に出入りするあかねを疑った。あかねは身の潔白を晴らそうと、単身、病気で倒れた家康のもとにかけつけた秀忠の行列に斬りこみ、大十郎らの罠にはまって捉えられた。このあかねの死を賭けた抗議を目のあたりに見た才蔵らは、あかねを助けだそうと、大十郎のいる洞窟を襲った。が、あかねを助けだしたものの、この戦いで佐源太は刺殺された。そして、そこで才蔵は洞窟に弥生がいるのを見た。弥生こそ裏切りの張本人だったのだ。間もなく家康は病死した。才蔵に恋心をよせるあかねはこれを機に才蔵が忍者の世界から抜けだすことを願った。しかし才蔵はこれを拒み、大十郎と勝負を決すべく、箱根に向った。見事才蔵は大十郎の秘術を破り、大十郎を倒した。が才蔵にはまだしなければならない仕事があった。秀忠を討つのだ。一人馬を駆る才蔵の後姿には忍者の厳しさと、孤独が色濃くにじみでていた。上映時間 87分
監督 森一生
脚本 高岩肇
音楽 斉藤一郎
出演 市川雷蔵 、藤村志保 、楠侑子 、千波丈太郎 、五味龍太郎
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