今度、ここ数年、話題になってきている学校「裏」サイトに関する本を、出版しました。
タイトルは、『学校「裏」サイト対策Q&A ~子どもを守るために~』です。
鈴木が、なぜ「裏」サイトと思われるかもしれません。本書作成のきっかけは、学校裏サイトなどのモニタリング業務おこなうピットクルー社長で共著者の小西さんらの紹介を受けたことにあります。
私は、必ずしも子どものネットやいわゆる学校裏サイトの問題を専門にしてきたわけではありませんが、それらについて調査・研究し、ピットクルーからこれまでに実施してきている学校裏サイトのモニタリング業務の結果に関する情報の提供を受けて学ぶなかで、この問題が、奥が深く、広がりがある、非常に興味深いテーマであることに気付きました。
また「学校裏サイト」に関しては、全体でみると、問題は非常に限定されており、世間一般や多くのメディア・書籍等でいわれる状況とは大いに異なるということを知ることができました。他方、件数としては限定されていますが、子どもたちがネットを通じて問題や危険に遭遇することがあるのも事実であることがわかりました。そしてすべてのサイトが「裏」サイトになりうる可能性や危険性があることも認識しました。
これらのことから、子どものネットの問題は、より冷静に対応していかないと、その危険性への対応も誤りますし、他方子どものネットの今後あるいは将来の可能性を奪うことになると考えるようになりました。また、ネットネイティブであり、ネットのフロントランナーである子どもたちをはじめとする若い世代とネットの関係を、ネットリタラシーが不足がちな上の世代が一方的に決め付ける考え方や対応の仕方は不適切なのではないかと考えました。
それから、学校「裏」サイトについて研究していく上でわかったことは、私の関心でもある政治教育や有権者教育・市民教育との関連性です。学校「裏」サイトやネットいじめに関する、欧米の対応は、子どものうちから自己判断や自分で問題解決をできるようにし、子どもが成長できるようにしようとしていることです。他方、韓国や日本は、問題が起きないことに重きをおいた対策で、起きた時に子どもがどうするかへの視点が希薄です(それは、今回の大震災の「想定外」の議論とも関連します)。それは、正に欧米の政治教育と日本の政治に対する教育の対応とパラレルです。
もう一点は、特にヨーロッパでは、大人よりも子どもこそが、ネットに関する専門家であり、リテラシーが高いという認識が強いことです。だから、ネットの政策づくりやネットの問題の対策には、子どもなどの若い世代の視点を活かそうという面が、明確に表れています。これは、日本などとは大きく異なりますが、ネットの世界や状況を冷静にみれば、それは正しい判断であると感じます。
このようないくつかの視点から、本書を書かせていただきました。
その結果、本書は、従来の学校「裏」サイトに関する本とやや違ったテイストをだせたのではと自負しています。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。
《書誌情報》
・タイトル『学校「裏」サイト対策Q&A ~子どもを守るために~』
・著者 鈴木崇弘(すずき・たかひろ)、小西直人(こにし・なおと)
発売:6月24日(金) 定価:1575円 発行:東京書籍株式会社
http://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%80%8C%E8%A3%8F%E3%80%8D%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E5%AF%BE%E7%AD%96Q-%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E5%B4%87%E5%BC%98/dp/4487805422/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1308530691&sr=8-2
【本の概要】
今や中学生の49.3%、高校生の97.1%が携帯電話をもつ時代。しかし、子どもが気軽に使うケータイやネットの向こうには、親や教師が想像もできない危うい世界が広がっている。インターネットの危険性については、これまでもいろいろな本が取り上げてきたが、本書は全国7000校以上の学校裏サイトの調査を任されている機関と協力し、子どもたちの実態の報告と対策をQ&A方式でわかりやすく解説します。
【ポイント】
・全国7000校以上の学校裏サイトの調査にもとづいた、子どもたちの実態把握。
・新聞やメディアで報道された子どもたちの事件実例も多数検証。
・保護者や教育関係者の抱える問題を、Q&A方式でわかりやすく解説。
・地方自治体や教育委員会などの最新の対策も紹介。
・最新の統計データを提示して、子どもとネットの関係をわかりやすくグラフ化。