皮膚科の学会のときに、カラー写真の鑑別疾患の本を何冊か買いました♪
その中のお気に入りに、新人先生用につくった「こんなときはどうする?」
なんて感じの本があります。(歯科にもこういうの虎の巻みたいなの、あります^^)
ここで興味深いと思ったのは、何年もやってる先生でもまだまだ迷う疾患があるし
「ああ、これはアレだ」と分かるようになるのは、もう口では表現できないような
「職人技」に近いものがある。とのこと。
これ、すごく分かります。
診断の領域というのは、最後は自分のカンですからね♪
このカンを正しく養うためには
1)沢山診ること
2)経過を観察すること
3)治るまで見届けること
この3つ。
だけど、皮膚科の領域は、1)はやってるけど、2)~3)は、1)に比べて
ムチャクチャ少ないんじゃないかなー。。。
ステロイドは悪い薬ではありません。
ただ、使ってしまうと炎症が先に引くので、本来の像を見ることができなくなってしまいます。汚れたシーツの上に、キレイなシーツを被せるのに近いかな。
(これで治っちゃうこともあるから難しいんだけどね)
職人技である「カン」は、とりあえずステロイド・・・という考えでは
育ちません。
ステロイドは、本当に素晴らしい薬
ただ、この優秀な薬を本当の意味で使いこなせる先生が少ないだけ。
皮膚科の先生は、ステロイドを怖がる患者をバカにするふしがありますが、
私は逆です。
この薬を怖がらせたのは、診断力が育っていない先生方です。
アトピービジネスを叩いたり、メディアのせいにするのは責任転嫁でしょう。
職人技って、山ほどの失敗と恥と悔し涙を流さないと育たない。
どの道でも究める・・・というのは、そういうことなんだろうな
と思います。