1999年に発売された 「SONY VAIO NOTE XR」

B5サイズである 「VAIO 505」 の大ヒットで
A4サイズのラインナップも期待されていたが
1998年に発売された 「PCG-7xx」 系や 「PCG-8xx」 系の
A4ファイルサイズノートパソコンのラインナップは
それは地味なもので、「がっかりした」 という声をよく聞いた。
そんな中で 「PCG-8xx」 直系の後継機としてSONYが出した 「XR」 は
思いっきり 「高性能」 をうたい、その対策として打ち出したのが
「インタークーラーフラップ機構」 という、視覚にうったえる機械構造。

製品後部のフラップが稼動し、オープン時には内部への吸気量を増やすことで
モジュールで加熱されたヒートシンクを冷ましつつ、搭載するファンで
効率よく排熱するというシステム。

たしかに、当時のCPU、グラフィック系チップなどは直に触れないほど熱く
ヒートシンクが必要不可欠だったが、ヒートシンクといった金属部品は
質量増加につながるためモバイル製品にとっては、なるべく削減したい部品。
しかし、オーバーヒートになってしまうと、各チップは性能を抑え
破壊しないようパフォーマンスを下げてしまい、ユーザーにとっては
性能が乱高下する、使いにくい製品という印象につながってしまう。
一方、換気効率が上がれば過熱も抑えられるが、吸気口、排気口の大きさは
異物が入り込まないような大きさしか開けることができないという
安全上の制約でなかなか自由にならない。
そんな悩ましい状況で、視覚的なわかりやすさを前面に出したやり方は、さすがSONY。
「XR」 のこの構造で、どれほど排熱効率を上げることができたのかはわからないが
この構造が後継機に採用されなかったということは
さほど効果が無かったということだろう。