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ミュージックビデオとひとりごと

FUJITSU FMR-CARD

2015年08月03日 | FUJITSU FMR-CARD
「FMR-50nb1」 で「その他大勢」組入りをしたと思っていたときに

大きなニュースが入ってきた。

「ついに富士通が大台を割った」 という。

当時のA4サイズノートPCの世界では、2kgの壁があった。

それを大きく下回る 「1kgを切った」 というマシンが



「FUJITSU FMR-CARD」

筺体に新素材を採用し

実装はTAB実装という先端技術を導入

省電力設計で単3乾電池2本だけで8時間稼動

多くのチャレンジがあって、質量990gが実現。



詳細はさらに素晴らしい。

「FMR-CARD」は単3乾電池2本で動く。

ってことは、一般的なマシン同様5V駆動でしょ?

と思っていたら、3V駆動マシンにしちゃってました。

また、メインメモリーもDRAMではなく、消費電力の少ないSRAMにするなど

電池で8時間稼動させるために出来る限りの対策を施している。

208ピンで12,000ゲート、160ピンで4000ゲートのCMOSゲートアレイ

TAB2つの重さは従来のQFP2つよりも軽い。。小さな積み重ねだが貴重。

一方、軽量化に最も貢献した新素材。

最新のエンジニアリングプラスチックを採用しても

安定して部品をつくり続けるには

厚さを2~3mmで設計しなければいけなかった時代。

「曲げ弾性率は一般グレードのポリカーボネートの2倍、ABS樹脂の3倍

 そのため、厚さ1mmで成形しても製品の剛性が保たれる」

当時の三菱ガス化学㈱合成樹脂本部責任者の方は

打ち合わせの席で自慢げに語っていた。

他にもプリント基板は4層にも関わらず厚さ0.4mm。

エッチングしただけでも反りそうな基板をどうやってマウンターにかけ

リフローさせたのか・・・生産技術もかなり苦労されたのではないかと思う。


一方で実使用で難があった点も多い。

電圧を3Vにしてしまったことで、CPUのクロックスピードも5Vの半減。

FDDもHDDも無いというのは、当時のノートPCとしては痛い。

また、バックライトの無いLCDも薄暗くなると視認性が悪化する。


ただし、そうは言っても、同業者として

こうしたノートPCを開発してもらった意義は

たいへん大きかったと思っている。


コメント
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