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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ブラームス/ピアノ協奏曲第1番

2018-10-09 22:45:05 | クラシック(協奏曲)
本日はブラームスのピアノ協奏曲第1番をご紹介したいと思います。今では4曲の交響曲が代表作として挙げられるブラームスですが、彼が交響曲第1番を書き上げたのが43歳の時。若い頃のブラームスはピアニストとして活躍しており、作曲家としてもピアノ作品や室内楽曲が中心で、管弦楽付きの大作はほとんど残していません。そんな中で異彩を放っているのがこのピアノ協奏曲第1番。ブラームス24歳の時に書かれた本作は、彼のオーケストラ作品の中でも最も初期の作品に位置づけられます。ただ、若い頃に書かれたからと言って決して内容が明るいわけではないのがブラームス。良く言えば重厚で壮麗、悪く言えば重くて暗い曲作りはこの頃から顕著です。



特に第1楽章冒頭の仰々しいまでの重々しい響きはとても20歳前半の青年が書いたものとは思えません。ピアノが登場するのも4分以上経ってからで、当時から交響曲風の曲作りを目指していたのがわかります。中間部は一転してロマンチックな旋律で、ピアノが波間をたゆたうように美しい旋律を奏でていきます。続く第2楽章アダージョは胸に沁みる美しいアダージョ。最後は消え入るように静かに幕を閉じます。第3楽章は一転して躍動感あふれるロンド。印象的なバロック風の主題を繰り返しつつ、ピアノの超絶技巧を随所に挟みながらフィナーレに向けて徐々に盛り上げていくところが最高です。聴けば聴くほど味の出てくる傑作と言ってもよく、さすがはブラームスと言ったところです。ただ、彼が続く第2番のピアノ協奏曲を書くのはなんと20年以上後の48歳の時。完璧主義として知られたブラームスだけに中途半端な作品は発表したくなかったのでしょうが、もっとこのジャンルの作品を残してくれれば良かったのにと思わざるをえません。

CDですが、ブラームスだけあって古今の名手、名指揮者達が多くの録音を残していますが、私が買ったのはエレーヌ・グリモーのピアノ、クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペッレ・ベルリン盤です。今ではすっかりベテランとなったグリモーですが、録音当時は28歳。美人ピアニストとして売り出していた頃です。演奏の方も一級品で、フィナーレの盛り上がりは圧巻です。

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