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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ベートーヴェン/三重協奏曲

2013-11-16 23:43:30 | クラシック(協奏曲)
ベートーヴェンのコンチェルトと言えば5曲あるピアノ協奏曲、そしてヴァイオリン協奏曲が有名で、私も全て所有しています。ただ、今日ご紹介するピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲、通称三重協奏曲は取り上げられる機会も少ないですね。そもそもコンチェルトと言うのは独奏楽器が1つしかないのが基本。二重協奏曲ならモーツァルト(フルート&ハープ)やブラームス(ヴァイオリン&チェロ)等の例がありますが、三重協奏曲と言うのは調べても他にバッハ(フルート、バイオリン&チェンバロ)ぐらいしか出てきません。理由は簡単で独奏楽器が3つもあったらソロの部分が十分に取れないからです。普通のコンチェルトはオーケストラパートの後に満を持したようにヴァイオリンやピアノが存分に技巧を披露するんですが、3つもあるとそうもいかない。結局、室内楽的なピアノ三重奏になってしまい、そこに無理矢理オーケストラがくっついてるような感じになってしまいます。従ってこの曲もベートーヴェンの失敗作、凡作と言うのが一般的な評価です。



ただし、それでも作曲者はあのベートーヴェン。そこで奏でられる旋律はやはり魅力的です。作曲時期は1804年であの「英雄」と同じ年ですから、30代前半のベートーヴェンらしい活力に溢れています。ゆったりした中に雄大さを感じさせる第1楽章、静謐な美しさの第2楽章、天国的な明るさに包まれた第3楽章。改めてじっくり聴くとやはり素晴らしいとしか言いようがないですね。あのベートーヴェンだから凡作扱いされているだけで、普通に名曲ですよ。CDはソリストがジャック・ルヴィエ(ピアノ)、ジャン=ジャック・カントロフ(バイオリン)、藤原真理(チェロ)、オーケストラ演奏はエマニュエル・クリヴィヌ指揮オランダ室内管弦楽団のものです。この三重協奏曲にはオイストラフ(バイオリン)、ロストロポーヴィチ(チェロ)、リヒテル(ピアノ)の3人がカラヤン指揮ベルリン・フィルと共演した超豪華メンツによるCDもあるので、それに比べると全員小粒ですが、演奏の方はとても素晴らしいですよ。
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ショパン/ピアノ協奏曲第1番&第2番

2013-11-03 12:56:03 | クラシック(協奏曲)
ブーニンをご存知ですか?このブログを見てくださっているようなクラシック好きの方ならもちろんYESでしょうが、私と同じアラフォー世代ならたぶんクラシックに何の興味もない人でもおそらく知っていると思います。1985年のショパンコンクールで優勝。その様子が日本でも放映され、天才ピアニストとして瞬く間に時代の寵児となりました。当時中学生だった私はプロ野球が最大の関心事で、クラシックなど全く興味の範疇外だったのですがそれでもブーニン待望の来日!などとCMでやっていたのをよく覚えています。かつての諏訪内晶子さんとか最近の辻井伸行さんとか日本人演奏家が海外のコンクールで優勝してニュースになるのはよくあることなんですが、外国人の演奏家でなぜあそこまでフィーバーになったのかは正直謎ですね。その後のブーニンはと言うと、次々と出現する若手に押され、かと言って熟練したヴィルトゥオーゾと呼ばれる存在になった訳でもなく、もはや完全に過去の人という扱いですね。大成しなかった早熟の天才というのが冷徹な評価でしょうか?



さて、前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するのはそんなブーニンが演奏したショパンのピアノ協奏曲第1番&第2番。演奏はカジミエシュ・コルド指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団です。録音は2001年、日本でのライブです。既に80年代のフィーバーからかなり時が過ぎていますが、日本での人気は根強く頻繁に演奏に訪れていたようですね。ブーニン同様、ショパンのコンチェルト自体も評論家の受けは決して良くないのですが、私のような素人からすれば曲も演奏もとても素晴らしいと思います。ショパンはオーケストラ作品をほとんど残さずほぼ全てがピアノ独奏曲ということもあり、2曲だけ残された協奏曲もオーケストレーションが稚拙であるというのが低評価の原因だそうですが、確かにグリーグやチャイコフスキー、ラフマニノフには劣るにせよ、メロディの美しさで十分にカバーしていると思います。2曲とも構成はほぼ一緒でやや哀調を帯びたドラマチックな第1楽章、ひたすら甘くロマンチックな第2楽章、そしてきらびやかなロンド形式の第3楽章で締めくくります。ライブ録音だけあって2曲とも観客の拍手が収められていますが、思わず一緒に拍手したくなる名曲・名演だと思います。
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ガーシュウィン&ラヴェル/ピアノ協奏曲

2013-10-24 23:20:33 | クラシック(協奏曲)

本日は久々にピアノ協奏曲です。と言ってもラフマニノフ、グリーグ、チャイコフスキーのような王道ロマン派ではなく、やや変化球でガーシュウィンとラヴェルの作品をご紹介します。それぞれ1920年代と30年代に発表されただけあって、伝統的なピアノ協奏曲とは一線を画し、メロディやリズムにジャズをはじめとした当時の大衆音楽の影響を感じさせます。かと言ってクラシックの範疇を飛び出ることは決してなく、華麗なオーケストラサウンドも十分に堪能できる内容となっています。この20世紀の名ピアノ協奏曲が1枚で楽しめるのがエレーヌ・グリモーのピアノ、デイヴィッド・ジンマン指揮ボルチモア交響楽団のCDです。ジャケットからもわかるように美人ピアニストとして有名な彼女ですが、演奏の方も折り紙付きです。



まず、ガーシュウィンの作品から。曲調は同時期に発表された「ラプソディ・イン・ブルー」に似ていますが、コンチェルトと題されるだけあってこちらの方がピアノ独奏も多く、構成も伝統的な3楽章形式に則っています。第1楽章、出だしはリズミカルですが、その後に現れるメランコリックな主題が素晴らしいですね。第2楽章はややユーモラスな曲調。ここではピアノが打楽器的な使われ方をしています。第3楽章はそれまでに現れた主題が再構築され、エネルギッシュなピアノ独奏とゴージャスなオーケストレーションで盛大にフィナーレを迎えます。どうも評論家からはポピュラー音楽の要素が強すぎるとして高く評価されていないようですが、個人的にはとても魅力的な作品だと思います。

一方のラヴェルの作品は20世紀を代表するピアノ協奏曲として評価も確立されていますね。ラヴェル最晩年の作品で、“管弦楽の魔術師”と呼ばれる彼の卓越したオーケストレーションとヴィルトゥオーゾ的なピアノ演奏が絶妙に融合した名曲です。前述したジャズの要素だけでなく、ラヴェルの故郷であるバスク地方の民謡からも着想を得ているようです。とりわけピシャリ!と言う鞭の一閃から始まる第1楽章はまさしく音の万華鏡とでも言うべききらびやかな音世界が広がります。一転して静謐な美しさをたたえた第2楽章、再び賑わいに満ちた第3楽章も魅力的ですね。私は既にマルタ・アルゲリッチ&クラウディオ・アバド盤も持っていましたが、ここでのグリモー&ジンマンの演奏も十分に素晴らしいと思います。

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サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番

2013-06-20 23:08:04 | クラシック(協奏曲)
今日はひさびさにヴァイオリンの名曲ということで、フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番をご紹介します。番号からもわかるようにサン=サーンスはこれ以前にヴァイオリン協奏曲を2曲書いていますが、いずれも20代の頃に書かれた作品で今では演奏される機会はほぼありません。一方、この第3番は脂の乗り切った40代半ばにものした傑作で、古今のヴァイオリン協奏曲の中でもベスト10には必ず入るであろう名曲です。私もバレンボイム指揮パールマン盤を既に持っていますが、同じサン=サーンスの「ハバネラ」と「序奏とロンド・カプリチオーソ」がセットで収録されているということで、フランスの名ヴァイオリニスト、オーギュスタン・デュメイのCDを買ってみました。ちなみにオーケストラは日本人の矢崎彦太郎指揮のモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団です。



まず、ヴァイオリン協奏曲ですが、全編に渡って哀調あふれるヴァイオリンと重厚なオーケストラが融合したドラマチックな展開が魅力。第1楽章、第3楽章ともマイナー調のやや重苦しい出だしですが、中間部分で一転して現れる夢見るような美しい旋律が素晴らしいですね。第2楽章はロマンチシズムの極致とでも言うべき激甘のメロディで、特に主題部分は歌詞をつけて歌いたくなるほどです。「ハバネラ」は文字通りキューバの民族舞曲ハバネラにインスピレーションを受けて作曲されたもの。ビゼーの「カルメン」にも同名のアリアが収録されていますが、ヴァイオリンのために書かれた本曲も思わず口ずさみたくなるような素朴なメロディが印象的です。終盤の怒涛の超絶技巧も聴きモノです。「序奏とロンド・カプリチオーソ」も同じく高い技巧が要求される曲でヴァイオリニストの腕自慢でよく演奏されます。スペイン出身のパブロ・サラサーテのために書かれた曲だけあっていかにもスペインらしい情熱的な旋律です。
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ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番&第2番

2013-05-26 21:20:21 | クラシック(協奏曲)
生涯に多くの傑作を残したベートーヴェンですが、有名なものは30代半ば以降に集中しています。交響曲第3番「英雄」が34歳、ヴァイオリン協奏曲が36歳の頃で、ここから「運命」「田園」、そしてピアノ協奏曲「皇帝」と人類の遺産とも言うべき名作が続々と生み出されます。一方で、それ以前の20代のベートーヴェンについては軽く扱われがちですね。このピアノ協奏曲第1番&第2番は彼が25歳の時に作曲したもので、キャリア最初期の作品とあってかディスクの数も決して多いとは言えません。ただ、内容は素晴らしいですよ。青年時代の作品だけあって、後期のベートーヴェンにありがちな苦悩の要素は感じられず、ひたすら天国的な明るさに満ちあふれています。



1番&2番ともに同時期の作曲だけあって良く似た曲調で、雄大な第1楽章、ひたすら美しい緩徐楽章の第2楽章、そして跳ねるようなリズムが楽しいロンド形式の第3楽章、という構成です。メロディなど一瞬モーツァルトを思い出せる部分もありますが、勇壮なオーケストレーションなどはこの頃からベートーヴェンの個性が滲み出ています。CDはフリードリヒ・グルダのピアノ、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルのものを買いました。オーストリア出身の名ピアニストですが、特にモーツァルトとベートーヴェンに関しては世界的な大家として知られています。1200円の廉価版ですし、この曲を知るにはもってこいの名盤ですね。
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